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温度  作者: 折鋸倫太郎
もびりえ ふゅねれーる
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107/395

もびりえ ふゅねれーる その9

 目を細めた"ドレ"が、機械に手を伸ばします

 ――丁度、「コ」の内側の空間に、手をかざす様に。


 そして、手が<紫の光>に


 「ぼわ」


 と包まれます。

 すると、


 「あっち!」


 と手を引っ込め、

 宙でそれを

 ――折り畳まれていたハンカチの様に

 ――手洗い後の水切りの様に

 振って


 「冗談」


 と、笑います。


 ["摂"氏には、何が冗談なのか、わかりませんでした]




 "ドレ"は、日焼けマシンのスイッチを切りました。


 影に背中を包まれた"ドレ"はそのまま

 ――部屋を横切り

 テーブルのある壁と正反対の壁の方へ、向かいました。




 部屋全体の電気が付きました




 ――"ドレ"はそのまま何も言わず、部屋の奥へと進んでいきます。




 その部屋(仮に<"蜘蛛宇宙人"の部屋>としておきましょう)の電気は天井に

 ――ではなく

 壁に

 ――ランプの様に

 ――壁から突きだす様に

 ――<シャンピニョン>の様に……

 付いていました。


 それも、コンクリートで埋まった<窓>と<窓>の間

 ――等間隔に。



 刺激の少ない光でした。



 そして、気付くのです

 ――テーブルランプひとつに依った<光>では、暗闇の中でも<明らか>だった

 埃

 ――ずっと"蜘蛛宇宙人"の部屋で、<ボルティジェ>の状態だった<それ>……

 が、


 「ぱ」


 と見えなくなった事。



 部屋の真ん中には、スチール製の棚が奥まで、一列に並んでいます。

 それぞれ、食器棚の様な――


 [あの――

  よく、事務所や、学校の職員室を設定する時、典型的に壁に並べられるモノと同じです]


 棚は上下に分かれ

 ――上はガラス張り

     <<中に、色とりどりのボトルが隙間無く、並べられています……。

       ボトルにはラベルが貼ってあり、それぞれ文字が書いてある様です…>>

 ――下はスチール製の引き戸

              <<中を見る事は出来ません>>


 "摂"氏が近づくと、

 透明の障害越しに――

 ボトルのラベルが、<ラテン語>で書かれているのが見えました。


 "摂"氏は、棚の下部の扉、その取っ手に、手をかけました。



 開かない!!!



 "摂"氏は、視線を転じます。


 ところどころに

 ――"摂"氏が"ジュネス"邸二階廊下で見た

 コピー機に似た機械

 ――によく似た機械

 [洗濯機にも似ているのです………]

 があります。


 実際"摂"氏が、一番手近にあったその<機械>の蓋を開けて見ると、中は<漏斗>状になっていました。


 [どうも、その機械はどれも同じ大きさ、形に見えても、用途によって種類が異なる様です]


 しかし、使い方は、見当もつきません。


 すると


 「こっち!」


 と"ドレ"の声


 ――部屋には響きません

 ――<オーディブル>ではありますが。


 「ちょっとこっち来てくれ!!」


 奥


 ――ちょうどその時、開いていた、"蜘蛛宇宙人"の部屋、唯一の窓

 ――かたわらで棚引くカーテン

 ――<<豹柄……>>

 それに面する

 ――部屋の隅………

 "ジュネス・ドレ"が立ち――

 

 待っています。



 そこには、<パソコン>が一台、ありました

 ――デスクトップ型の、大きく、奥行があり、重量感のあるディスプレイでした……

 ――"ドレ"は、その角に、掌を置いています

 ――寄り掛かる様に。



 "摂"氏は急ぐ様に、近づきます。

 ディスプレイの隣に

 パソコンのデイトゥムかデータを保存する為に使用する

 <黒く、薄い、小型の、正方形のデバイス>――


 [いま、<フロッピーディスク>は――依然として――<名詞>として社会の中、通用しているのでしょうか?]


 がケースの中、並べられて

 ――収められていました。



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