↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/130

92話 三世界会議

ードーラ師匠へー

進捗報告です。

先日、ウェストンでの会議を終えた後、ケーズバルトに向かいました。

そして、現国王である「ディール・ラノス」と会議をした後、戦闘許可が降りました。

さらに、ディール様の意向により、三世界共同戦線が発令されました。

まさか、歴史上の伝説と思っていた手段が解禁されるとは思ってもいませんでした。

しかし、それほどの非常事態なのでしょう。

そして、俺はこれからディール様と共にドラマルトに向かい、戦線の会議に行ってまいります。

情報がまとまり次第、また連絡します。

そちらの準備をよろしくお願いします。

ーレオリオス・パルトー


ケーズバルトでの会議から1週間が経った。

俺はドーラ師匠に手紙を書いた後、ディールさんと共にドラマルトに向かった。

俺は今回、この戦線の立役者的な立ち位置だということで、国王間での会議に参加することになった。

今回の会議にはドラマルト国王をはじめ、ケーズバルト、ファジサイト、ジークバルト、マントシティの各国の国王、さらに、「龍国ソーザ」からの代表が出席するそうだ。


龍国ソーザ。

竜族世界唯一の国家であり、竜人族が住まう国。

先の竜獣の侵略により国王は殺され、国民は人族世界と魔族世界へと逃げた。

そのため、現在は竜獣が支配している。


今回会議に参加しているのは、竜族世界の避難民を率いた騎士団長だそうだ。

各国の最高権力が集まる会議…

…想像しただけで腹が痛い。

俺はそんな気持ちの中、ドラマルトに向かって馬を走らせるのであった。






ドラマルトに着くと、俺とディールさんは王宮へと向かい、王宮に着くと、騎士の1人に会議室に案内された。

会議室の中には「いかにも会議」と思えるようなコの字の机があった。

そして室内にはもう何人かいるようだった。


「あれ!?師匠!?」


「ほう。レオリオスがいるとは」


そこには俺の見知った人物もいた。

ジークバルトの国王「ローザ・ジーク」と、ファジサイト国王「ファスト・ドーズ」である。


「ファスト様!ローザ様!」


「久しいな。レオリオスよ」


「なんでレオリオス師匠がここに!?」


「実は…」


俺はこの戦線に至った経緯を説明した。



「そうか…遂に奴らがな…」


ファストさんは少し顔色を変え、考え込み始めた。


「そんなことが…」


ローザさんは現実味を感じていないようだ。


「皆様。そろそろ始まりますよ」


そういった状況の中、室内にいた一人の女性がそう言った。

その人は俺と同じくらいの身長で、穏やかそうな人だった。

そして、何故か既視感のある雰囲気を感じた。

一言で表すとしたら…

…おそらく「可憐」という言葉が合うだろう。


「失礼する」


すると、会議室にもう1人…いや、もう2人の人物が入ってきた。

1人は全身武装した大柄な男性だ。

片目に切り傷があり、塞がっている。

左腕には鱗があるから、おそらくこの人が先程聞いた「ソーザの代表」だろう。


そして、もう1人はいかにも「王」というような服装をした男性。

髭や髪は銀色に輝き、年齢は…少し高齢のようだ。

そして、彼は異様なほどの存在感と絶対感を放っていた。

おそらくこの人が…


「全員揃ったようだな。席につけ」


その存在感を放つ人物の号令に従い、全員が席についた。

そして、その人物はコの字の机の真ん中に座った。

前世の学校なら「誕生日席だ!」というところだが、この人はむしろ「そこに座らなければならない人」だと感じた。


「初めての顔も多い。まずは自己紹介といこう。我は現ドラマルト国王『レナード・ハルト』である」


存在感を放つ人物はそう言った。

やはり、ドラマルトの国王のようだ。


「では次は私から」


レナードさんが話を終えると、先ほどの可憐な女性が続いた。



「わたくしはマントシティの国王『ネオ・リーフ』と申します」



どうやらマントシティの国王らしい。



…ん?


今なんて言った?


ネオ?


…違う。

そこじゃない。


リーフ?


………?


…リーフ!?


待て待て待て!?

リーフってそれ…ナナ師匠と同じじゃん!?


…いや待て。

彼女は心伝族で、苗字が統一されているのかもしれない。


…それだと「ラーラ・センター」が例外になるじゃん。


『ふふっ。すごく混乱している人がいるようですね』


すると、どこからともなく念話が聞こえた。

声的に間違いない。

さっきのネオさんだ。


『あ、あの…』

『あら?念話ができるのね』


あちらもこちらの存在に気づいたようだ。


『あの…失礼を承知で聞くのですが…もしかして、ナナ師匠の…』


『叔母ですわ』


やはり血縁関係がある人物だった。

まさかの出会いである。


『師匠…ということは、あなたがレオリオスくんね』

『え?ご存知なのですか?』

『えぇ。妹からナナのことを手紙でよく聞いていましたので』


そうか…

…って、これは衝撃だがそういう場合じゃない。

まずは会議だ。


『ふふっ!まっすぐねぇ』


…念話で聞こえるんだった。

まず…後にしよう。

俺は再び発言者に視線を向けた。


「私はソーザの騎士団を率いております、『シン』と申します」


苗字なし。

混血のようだ。

紹介が終わると、全員が俺の方を向いた。


(…え?俺?)


どうやら念話中に他の紹介は終わったようだ。

俺は立ち上がり、自己紹介をした。


「私はウェストン所属、エイサールの魔術師『レオリオス・パルト』と申します」


紹介を終え、俺は席についた。


「では、話に移ろう」


レナードさんの言葉によって、会議は始まった。


「まずはエイサールのレオリオスよ。今回の戦線に至った経緯を説明せよ」

「はい」


ここからは何回目か忘れた説明の時間である。






「なるほど…状況は理解した。次にソーザのシン。貴公らが目にした竜獣の状況を説明せよ」

「はい」


俺が説明を終えると、今度はシンさんからの説明に入った。

内容を整理すると…

まず、竜獣は約20000体の軍勢であるということ。

そのうち2000は国に残り、その他が侵略を進める構図らしい。

竜獣は現在、散り散りに各国を急襲しているらしい。

エイサールがその被害の一つだ。

そして先日、竜獣がソーザへと集結していることが確認された。

おそらく、いよいよ本格的な進行を始める気なのだろう。

ということらしい。


「そうか…やはり侵略は事実か」


レナードさんは考え込んだ。

いや、計算を始めたようだ。

念話越しに自問自答が聞こえてくる。


数秒後。


「うむ。皆のもの。防衛を含め、軍はいくら出せる?」


レナードさんは自問自答を終え、全員に聞いた。


「ファジサイトからは5000が限界だ」

「ジークバルトは4000」

「マントシティからはだいたい2000ね」


魔族世界の国王達はそう言った。


「人族世界からは?」

「5カ国ですので断言はできませんが…各国2000と計算しまして、だいたい10000」

「ふむ。竜人族は?」

「生き残っているものから考えて…1000が限界です」

「そうか。ドラマルトはおおよそ3000であるから…計25000か。ハッ!軍もカスラ戦線に比べれば、落ちたものだな」


レナードさんはそう言った。


「レナードよ。200年前の状況とはまた違うであろう?」


その言葉に対し、ファストさんがそう言った。


「怒るな。バカにしたわけではない」


そう言って、レナードさんは一呼吸おいた。


「防衛は自国の戦力の半分を置くものとし、その他の戦力は前線にて迎え討つものとしよう」

「理由を聞いても?」


レナードさんがそう言うと、ネオさんがそう聞いてきた。


「奴らは前の動きからして、本軍とは別に、小隊を組んで他国を落としに来るだろう。それを想定してだ」


そう聞くと、ネオさんは納得したようだ。

さらに追加で、レナードさんは続けた。


「そして、竜人族の軍は新たに編成する2000を引き連れ、ソーザの奪還を試みるものとする」


この発言に対し、シンさんは驚き立ち上がった。


「失礼をお許しください!それでは我らの戦力が分散してしまうのではないのでしょうか!?それよりなら防衛に専念すべきと思いますが!?」


それは俺も同感だった。

相手は竜獣。

戦闘主体の集団だ。

戦力を固めるに越したことはない。

だが、レナードさんの意見は真逆だった。


「むしろ今が攻めどきだ。こちらも分散はするが、あちらも分散している。つまりソーザの守りは手薄だ。頭を潰すのであればここしかないのだ」


それを聞いて俺は納得した。

そうだ。

なにも受け身になる必要はないんだ。

勝つのであれば、敵の司令塔を潰すのが最善策だ。

そして、納得したのはシンさんも同様のようだ。


「…かしこまりました。それで行きましょう」


こうして、大方の作戦は決定したのだった。






「レオリオスよ」


会議終了後。

俺はレナードさんに呼び止められた。

会議は王の役割分担等の話に進み、前線指揮には戦略家であるレナードさんが出陣し、その他の国王は自国の防衛に専念するということでまとまった。

その間、ドラマルトの国防はドラマルト国本学校が担うこととなった。

こうして会議は滞りなく終わった。

そんな中、レナードさんは俺に言った。


「主に、前線の分隊を率いてもらいたい」


それは、レナードさんからの依頼だった。


「…構いませんが…なぜ私に?」


その発言に対し、レナードさんはこう答えた。



「それが未来に最善だからだ」



…俺はこの時、不思議な気持ちになった。

未来に…「最善」?


「まあ、気にしなくて良い。頼めるか?」


俺はその言葉に対し、信用することにした。

「何に信用したか?」と聞かれても、正直答えられない。

けど、この人にはしたがって良いと思った。


「かしこまりました。その命、謹んでお引き受けいたします」


そう聞くと、レナードさんは笑みを浮かべた。


「では、失礼します」


俺は部屋を出た。

そして扉が閉まる寸前に、レナードさんは言った。




「『影纏』か…ふさわしい名を得たな」




俺の頭には「?」が大量に浮かんだ。

が、俺はその後、特に気にしなかった。

戦いが近いからだろうか。

俺の心は恐怖と緊張、使命感で埋め尽くされていた。

この感情を抱えて、俺は戦いに備えて動き始めるのであった。

おまけ話

魔族世界の各国王「ファスト・ドーズ」「ローザ・ジーク」「ネオ・リーフ」が「三世界共同戦線」が発令されてから1週間でドラマルトにたどり着けていたのには理由がある。

その日は元々、魔族世界の国王とドラマルトの国王との間に会議が開かれることになっていたため、元からドラマルトにいたのだそうだ。

なお、その会議の内容は「魔族世界の学校建設計画」についてだそうだ。


レナード・ハルト

年齢・・・68歳

誕生季・・・秋

容姿・・・・銀髪の髪と髭・短髪・オッドアイ

技術・・・?

その他・・・・ドラマルト国王・全世界統率者・策略設計士

30歳という若さでドラマルトの国王となった。策略設計士として数々の戦いの策略を練り、国王就任後の約38年間で彼が提案した策略の成功率は8割を上回るそうだ。性格はあまり目立ったものはないものの、全員が共通して「寛大な心の持ち主」と言うらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。