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83話 家を直そう 2

解体を終えた次の日。

俺達は早速、家の建設に取り掛かった。

まず最初は骨組みづくりである。

作業員は次々と木を運んでいき、地面に立てていった。


「これってどういう手順で作業していくんですか?」


俺がそう聞くと、作業員は説明を始めた。

まず、1階部分の骨組みを作る。

なんでも、ここは土台となる部分なので、より慎重に作業していくんだとか。

それが終われば、次は俺達の番。

骨組みに従って、魔術で石の壁と床を築いていく。

魔術での作業によって、作業効率が上がるんだとか。

この工程を2階でも行う。

そして、最後に屋根を作り完成だそうだ。


「本来は1ヶ月や3ヶ月の作業だが、魔術師がいるんだったら1週間か2週間で終わるだろう」

「そうですか。分かりました」


俺はそれを聞いた後、早速作業に加わった。






「差し入れ持ってきたよー」


作業2日目。

作業進捗としては、1階の骨組みを半分まで立てたところだった。

この世界の建築技術は前世よりは進歩していないがとても早い。

そんな中、今日はニナとルカ、カーラがお昼を持ってきた。

どうやら差し入れ兼、見学のために来たらしい。

俺とナナ師匠はみんなでお昼を食べた後、作業に戻った。


『レオ?』


作業をしていたとき、ナナ師匠が念話で俺に話しかけてきた。


『どうしました?作業中ですが?」

『ニナと何かあったんですか?」

『へ?』


ナナ師匠にそう聞かれ、俺は頭にハテナを浮かべた。

ニナと何か?

特に何もなかったと思うが…


『特になかったと思いますが…何か?」

『なんかさっきから、妙にボーッとしてレオの方を向いてるんですよ!今までに見たことない顔です!』


そう言われ、俺はニナの方を向く。

たしかにこちらを見ていた。

しかも、かなりボーッとした顔で。

確かに始めてみた。

どうしたんだろうか。

何かあったんだろうか?


『…ん!?』


そう思っていると、ナナ師匠が念話で声を上げた。


『え?どうしましたか?』

『…夜ですか…なるほど』


夜…?


…あ、そういうこと。


どうやらニナは、一昨日のことで一皮むけたらしい。

…いや、普通そうなるのか?


『ナナ師匠…作業しましょう』

『そ、そうですね』


それらを踏まえて、俺達は気にしないことにした。






作業は3日目に突入した。

骨組みは完成し、今日からは壁づくりだ。


「よーっし!始めてくれー!」

「「はーい」」


作業員の合図とともに、俺達は魔術を発動していった。


「「岩石壁・ストーンウォール・ビルディング」」


岩石壁・建。

通常の岩石壁は、その場の土地の石をそのまま利用するか、魔力から作り出すもので、大体が薄茶色をしている。

この色は、この世界では建築では不向きらしく、それに適したものを作り出すために開発されたのが、この魔術である。

色は黒から灰色、白といった無彩色で統一され、耐熱と防熱、保温の性質があるらしい。

魔術って…本当に便利だね…

そう思いながら、俺はナナ師匠とひたすら魔術で床と壁を作っていった。

難易度は中級のため、魔力消費はそんなにしなかった。

しかし…


「次はこうで頼む!」

「ここはもう少しこうで…」

「ここの部分は厚く!」


めっちゃ注文が多い!

これにより、コントロールが非常に難しい。

さらに外は雪が積もる冬。

寒くて集中力が散漫になる。

…早く…終わんねーかな…

そう思うのであった。






「よし。これで1階は完成だ」


壁づくりは1日で終わった。

まあ、結局は魔術ですぐできるから、手作業よりは早い。


「では、明日からは2階ということで…解散!」


こうして、この日は終了となった。

俺は寒かったので、さっさと仮小屋に帰った。


「あ、お帰り〜」


中では、ニナが料理をしていた。


「あれ?他のみんなは?」

「全員各々の仮小屋に帰ったよ」


どうやら全員帰ったらしい。


「んで?今日の進捗は?」

「1階は完成したよ。後は2階と屋根だな」


そんな会話をしながら、俺はニナのところに行き、料理を手伝った。


「どんな内装なの?」

「それはできてからのお楽しみだよ」

「え〜。秘密ぅ?」


そう言うと、ニナは少しふてくされた顔をした。


「…ニナさ…なんか表情豊かになったよな」

「え?そう?」

「うん。なんとなく」


そう言うと、ニナは俺に顔を近づけてきた。


「まぁ!気にしないでよね。」


そう言って、ニナは俺の頬にキスをした。


「………」

「え?どうしたの?」


「ニナって…結構グイグイ来るタイプだったんだな」

「え!?嫌だった!?」

「いや?意外な一面がしれたって思ってね」


そう言って、俺は笑った。

ニナは少し恥ずかしそうだったけど、まぁ、幸せなひとときであった。






作業はそのまま進み、2階も4日ほどで完成した。

そして、今日からは屋根づくりである。


「うっし!今日はパレト家勢揃いだな!」


作業員はそう言った。

そう。

本日から屋根づくりは腕が片方しか無いバオスを除いて全員でやることになった。

というのも、この屋根づくりが一番難しいらしく、人手が欲しいらしい。


「ここからはすぐに終わらせるぞー!」


「「「「「「おう!!」」」」」」


だが、ここではこれといった面白いことはなく、時間が流れていった。

そして3日後、屋根は完成した。






作業開始からちょうど1週間が経った。

機能は中の点検と、荷物運びをし、遂に家が完成した。

今日はそのお披露目と引っ越しである。


「よし。まずは外装から見ていこう」


俺達は家の前に立ち、見上げた。

以前は木がベースの茶色い建物だったが、今は木が柱となり、壁が白い石でできた家となった。


「なんか、前とは印象がガラリと変わったね」

「なんか…新鮮だな…」

「あの…メインは中だけど…鑑賞に浸ってません?」


俺は外装の紹介を簡単に済ませ、中に案内した。


「次は1階だな」


俺達は玄関を抜け、1階を見た。

1階は、玄関から見て左側が居間と台所になっている。

以前より広さも少し増し、ゆとりがある空間になった。

玄関から右側にはバオスとカーラ、カオルとルカの部屋がある。

以前は部屋数が故に相部屋となっていたが、今回からは各々の部屋を持つようになった。

これで、多少のプライバシーが生まれるわけだ。


「んで、次が2階か」


俺達は玄関の正面にあった階段を登り、2階に来た。

2階には俺とニナ、ナナ師匠とドーラ師匠の部屋と空き部屋2個がある。

ここは逆に夫婦ということで相部屋になった。

それくらいだ。


「最後は外か」


俺達は家を見た後、外に行った。

そこには通路でつながった別の建物があった。


「ここが、ラーラちゃん達を泊める建物?」

「そのつもり」

「ん?けどなんかデカくない?」


建物を見て、カオルがそう言った。

見ると、建物は5人か6人は住めそうな広さだった。


「あぁ…多分増えるからな」


「増える?」


そう。

俺は予想した。

このノリ…多分他のサークルメンバーも来ると。


「まぁ、来なかったら来なかったで別で使うし」

「…そうだね」


こうして、家の改修工事は終わり、俺達は新しい生活を送ることとなった。


おまけ話

レオリオスの家に住んでも良いという報告は、2人に手紙によって伝えられた。

それを見た2人は「先生の家!?」と反応し、めっちゃ驚いていたらしい。

その後、サークル研究発表会の後には部屋にこもって、ずっと引っ越しの準備で騒いでいたそうです。

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