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影を纏う転生者 〜平凡な高校生の異世界人生録〜  作者: 仮想猫
影纏の術師編 〜ドラマルト〜
70/80

66話 ただいま

俺達は竜獣による襲撃を受け、戦闘になっていた。

そして、操られていると判明した竜獣に対し、俺達は作戦を決行した。


作戦はこうだ。

まず、全員の攻撃によって、敵をできるだけ地面に近づけさせる。

その後、俺は敵の影を利用し、「影の槍」を出す。

その槍で敵を固定し、魔力を流して洗脳を解く。

その後、捕獲だ。

竜獣に何があったのかはわからないが、知る必要があるのは確かだ。

捕らえて吐かせるのがベストだと判断した。


「みんな!行くぞ!」


そして俺達は、竜獣に空から攻撃を仕掛けた。


「「「「光襲の矢・雨!」」」」


魔術発動後、空から無数の光の矢が降ってきた。

4人でやった分、矢の量も通常の4倍だ。

その矢に怯みながら、敵は続々と降下してきた。

そして、地面に影が写った。


「よし!行きます!」


俺はそれを確認し、敵集団の中央にたった。

そして、自分の影に全力で魔力を込めた。


「影の槍!!」


ズズズズズッ!!


すると、敵の真下から槍が出現し、敵の腹や腕、足を貫いた。

成功だ。

奴らは身動きが取れなくなり、力なくもがいていた。


「みんな!奴らの首に光か影の魔力を流してくれ!」

「「「了解!」」」


固定後、俺達は総動員で魔力を流した。

竜獣の洗脳は解け、沈静化した。

が、その大半はそのまま死滅し、唯一残った1体も、まともに喋れる状態ではなかった。

それでも、竜人のキャンプを守ることができた。

俺達はこの戦いに勝利したのだった。






「本当に…ありがとう!」


俺達はその後キャンプに戻り、出発の準備を始めた。

竜獣との一件は、現地の竜人族に任せることにした。

あくまで俺達の目的は、帰るための安全確保だったからだ。


「ドーラ師匠にも、ここでのことを伝えておきます」

「そうしていただけると助かります」


さて…じゃあそろそろ…


「出発するか!」

「は〜い!お兄ちゃん!」

「また馬車ですか…」

「ナナさん…疲れたら言ってくださいね…」

「うぇ!?ルカさん!?そんな心配いらないですよ!?」

「ナナ師匠の独り言が本気にされてしまった…」

「レオ!解説しないでください!」


全員馬車に揃ったところで…と思っていたが、ニナがまだ来ていなかった。

奥を見てみると、ニナは竜人族の人と話しているようだ。


「ニナ?どうした?」

「あ、大丈夫!すぐ行く!」


そう言うと、ニナは駆け足でこちらに来た。


「どうしたんだ?」

「ちょっとね…けが人の手当てしてたら、額の鱗を指摘されちゃって…」


あ、そっか。

ニナは確か、エルフと竜人と人族の混血だったな。

竜人って、共通点見つけると、異常なくらい詰めてくるからな…

昔、竜人の集会に行ったときは苦労したな〜

質問攻めで、目も怖いしでもう…


「よし!じゃあ出発するか!」

「「「「は〜い!」」」」


こうして俺らは、竜族世界を出発した。

ここからはあと、帰るだけだ。






旅を再開して2週間が経過した。

俺達は遂に、人族世界の「サウンドロス」に到着した。

ここに来るのは実に9年ぶりだ。

エイサールの事件以来になる。


「さて、今日はここで泊まって、明日からまた1週間、村に向かって移動しよう」


というわけで俺達は宿を決め、晩飯を食べた。


「…ハァ…久しぶりの人族世界の食事です…」


ナナ師匠は久しぶりに食べる人族世界の食事に満足していた。

思い返してみると、ナナ師匠とニナが人族世界の料理を食べるのも9年ぶりなんだな。

ましてや、カオルとルカはほぼ初めてか。

まあ…カオルは記憶がないだけだと思うが…


「けど…お兄ちゃんの作るご飯の方が味がしっかりしてて…僕はそっちのほうが好きだな…」

「まあ…あれは俺の前世に関係したやつだからな」

「レオさん。私もまた…レオさんの前世の食事、作ってみたいです」

「え?そうか?」


俺は学校にいた時、何度かルカに前世の料理を伝授したことがあった。

なるほど…

ルカは料理にハマったようだ。


「わかった。村についたら、また教えてやる」

「あ!ありがとうございます!」


初めてあったときと比べ、ルカもかなり人と話せるようになった。

以前は三眼族ということで警戒していたが、今ではそれはまったくない。

いい関係を築けている。


(…ん?)

「そういえばルカ。お前人族語って大丈夫なのか?」


「…そういえば理解できます」


「「「「え!?」」」」


その後に分かったことだが、ルカ…というか三眼族には言霊的な概念があるらしく、言葉に乗った魔力というか感情というか…そういったものが理解できるらしい。

なので、こちらの言葉も分かっているそうだ。

…けど、「コミュニケーションのためにも、後で人族語を教えよう」と、俺は思った。






一泊した後、俺達は再びエイサールに向かって出発した。

サウンドロスからは約1週間の移動となる。

その間、俺達は所々で休息を取り、修行をしたり、ゲームをしたりしながら進んだ。

そんなこんなで、1週間はあっという間に過ぎた。


「お、見えてきた」


辺り一面は草原で、その奥に小さく村が見えた。

その景色は、昔見た風景にほぼ戻っていて、それまでの努力を考えると涙が出そうになる。

俺はふと後ろを向く。

カオルとルカは、少しワクワクしているようだ。

ナナ師匠とニナは、泣いている。

それはもう見事なほどの号泣だった。


「2人とも…まだ着いてませんよ?」

「…だって…グスッ!」

「この風景見ちゃったら…」


気持ちは分かる。

俺も少し泣きそうだもん。

俺達は…遂に…



「帰ってきたんだ…故郷エイサールに!」






「止まれ。何奴だ?」


村の前。

村守の人に止められた。

いや…俺はこの人を見たことがある。


「団長!お久しぶりです!」


「…ん?…!?お前!?レオリオスくんか!?」


そこにいたのは、村守騎士団長の人だった。

バオスとの関係で、かなり面識があった。


「通ってもいいですか?」

「あ!?あぁ、そりゃもちろん!」

「では…」


俺達は馬車を引き、バオス達が待つ家に向かった。

家は村の奥にあるため、少し歩いた。

その間、俺は昔の思い出に浸っていた。

遊んだ日のこと、修行した日々、ニナと出会った日のこと、カオルが生まれた日のこと…

思い出したらきりがなかった。



そうこうしているうちに、俺達は家の前にたどり着いた。


「…ふぅ……」


俺は深呼吸をした。

みんなと会うのは4年ぶりだ。

カーラに関しては9年ぶり。

どんな反応をするかが楽しみな半面、緊張する。


コンコンコン!


俺は緊張しながらドアを叩いた。


「どうぞ」


中からは男性の声がした。

それは、俺が幼少期から聞いてきた声だ。

とても…懐かしい。


カチャ!


俺はドアを開けた。

目の前には、コップを持って座るバオスの姿があった。


「…レオ…?」


バオスは驚きの表情を浮かべていた。


「父さん…ただいま…みんな…見つかったよ!」


俺はいつの間にか泣いていた。

それは安堵からくるものでもあり…4年間続いた緊張からの解放からでもあった。


「父さん?お客…さん…」


そうしていると、上から女性が降りてきた。

あの頃と変わらない、真面目そうな女性だった。

カーラだ。

カーラはこちらを見て、薄っすらと涙を流していた。


「姉さん…ただいま」


「レオ…それに…みんなも…」


いつの間にか、俺達は抱き合っていた。

みんな泣きながら。

そして…笑いながら。

こうして、俺の家族を探す旅は、幕を閉じたのだった。


影纏の術師編ー完ー  

 日常編に続く

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