17.約束の遺跡1
瑠雨いわく、さっきまでは混乱してたようで聞き取れず、やらなきゃこっちがやられるため攻撃を仕掛けていたが、炎属性のこのモンスターには水元素を持っているレスティアの放った矢が効き目抜群だったらしく、その矢のおかげで落ち着いたのか、モンスターが何か伝えようとしているのに気づいたらしい。
瑠雨の言う通り確かに目の前のモンスターは、さっきのような殺気はまとっておらず、吠えてはいるものの、レスティア達を攻撃しようとする意思は見えない。
そう思ったレスティア達は、武器を下ろし瑠雨のモンスター語の訳を聞くことにする。
瑠雨の訳した話によると、どれくらい前かは分からないが、ずっと昔、このモンスターには仲のいい人間の友達がいたらしい。
その友達に自分がこの場所に帰ってくるまで、この遺跡を守って欲しいと言われ、今でもずっとその約束を守っているそうだ。
瑠雨がなぜ、レスティア達のことを襲ったのか聞くと、長い事、この遺跡には人が訪れていなくて、ちゃんと封鎖していたはずなのに、何かの手違いで入口の封鎖魔法が解かれてしまい、いきなり人が現れ、その上、最深部まで来てしまい、警戒の威嚇をした途端、攻撃してきたので、混乱してしまい人間の友達との約束を守るためにレスティア達を攻撃したそうだ。
尚、このモンスターにも、なぜ遺跡の封鎖魔法が解かれてしまったのか分からないらしい。
「話を聞く感じ、あなたが言っているずっと昔っていうのは、私達が旧時代とそう読んでいる時代のようだけど……それなら、私達が悪かったわね。ごめんなさい。」
そうリリーナが言う。
確かにその通りで、警戒の威嚇をされただけなのに勝手に襲われると思い攻撃を仕掛けてしまったレスティア達が悪かったと思い、レスティアとリヒトも続いて謝る。そして、瑠雨伝にモンスターにも、理由が分からないとはいえ、封鎖が解かれてまったことを謝られた。
瑠雨が遺跡を脅かすつもりはなかったこと、いきなり攻撃を仕掛けてしまったことなどをモンスターに謝りたいという事をモンスターに訳してくれると、モンスターは許してくれたようで、もう敵意は無い。
レスティアが、瑠雨とモンスターの会話を横で見ていると、その首に、宝石に三行程の字が刻まれた、そのモンスターの体の大きさには合わない、小さなペンダントがかかっていることに気づく。
だが、その字は、見たことのない字で何が書かれているかは分からなかった。
レスティアが見ていたことに気づいたのか、モンスターが瑠雨を通じて教えてくれる。
そのペンダントは、さっき言っていた友人から送られたものだそうだ。
「そういえば、聞きたいことがあるんだけど、出口がどこにあるか知らない?」
そのリヒトの言葉で色々あって、忘れていたがレスティア達は地上にでる出口を探していた事を思い出す。
コォ!コォォ!
出口について聞くとモンスターは答えるように鳴き声を出す。
「三人共、こいつが地上まで送ってくれるらしいぞ!」
そう瑠雨が訳してくれる。
四人全員が、正直言って、また地下遺跡に戻っても、戻れる保証はないという結論に至り、このモンスターに送って貰うことにする。
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今、レスティア達は地上まで、送ってくれるというモンスターの背中に乗って空を飛んでいた。
「わぁぁぁぁ……!きれい……!」
外に出ると、ちょうど早朝だったようで、朝日がキラキラと輝いていて……
その陽光を反射してキラキラと光るモンスターの羽毛は、ふわふわでとても居心地が良い。
「あれ?」
そう思ってると後ろでリヒトの驚いた声が聞こえる。
「どうしたの?」
リリーナがそう聞くと何か話した後に、リリーナがコクンと頷く。
その様子が気になったレスティアが見ていると、リリーナは何でもないというように頭を振る。
(どうしたんだろう?)
少し気になったものの、本人達がなんでもないと言うならなんでもないのだろう。
レスティアはそう思い、再び見えてくる景色に集中する。
「コォ!コォォ?」
そうしていると、モンスターがそう鳴き声を発して、気になったレスティアは、なんて言ったかを瑠雨に聞く。
「お主らはどこまで行くんだ?だってさ」
どうやら、モンスターはレスティア達がどこまで行くか気になっていたらしい。
「ルナリアっていう町までです」
レスティアがそう答えると……
「ルナリア?ふむ、分からぬな……。だが、お主らには時間をロスさせてしまった事と攻撃してしまったお詫びがあるし、分かる所まで送っていくとしよう」
「へっ?」
どこからともなく、歴戦の勇士みたいな威厳のある男性の声が聞こえる。
周りを見ると三人も驚いていて、ポカンと口を開けている。
その様子を見たレスティアが三人の視線の先を見るとそこには自分達が乗っている猛禽類モンスターの顔があって……
(もしかして、このモンスターが……?)
「あなた、人語喋れたんですか!?」
「本来ならあまりよろしくないのだがな。ただの気まぐれだ」
何でもないことのようにそう言ったモンスターの、わかる所まで送ってくれるというその話にレスティア達がそれは悪いと思い断ろうとしたが、押し切られたので、結果的にそうすることとなった。
(このモンスターが仲良くなった友人はどんな人だったんだろう)
モンスターの上で揺られながらレスティアがそう考えていると……
「我の友達はどんな人だったのだろうという顔だな」
モンスターがそんなことを言い出した。自分の考えていたことがぴったり言い当てられたことにレスティアは驚き、それとほぼ同時に四人と一匹の間に気まずい空気が流れる。
「あの、すいません。知り合って間もないのに失礼でしたよね」
「……教えるのは別に良い。だが、面白い話ではないぞ。それでもいいのなら話してやろう」
モンスターはそう言うと話し始める。




