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異世界冒険譚  作者: 夜月
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11.野営にて

11.野営にて

 それから程なくしてたどり着いた村では、半ば強引にリリーナに連れて行かれたお店で、服と故郷まで歩くようの野営道具を揃えた。

 料理関係の道具や調味料、焚き火に火をつけるための炎の魔法石、その他にも団体行動の場合一人でも持っている人がいれば構わない野営道具などは、リリーナとリヒトのどちらかが持っているため、買っていないものの……寝袋(簡易的な寝具だから寝袋と呼ばれてるものの、実態は敷布とブランケットがセットになったもの)と、服(パジャマと普段着)、ランタン、干し肉、木のコップと木皿と木のスプーン&フォーク、それらを入れる冒険者御用達という売り文句で売りだされていたリュックなどの個人で持っておいたほうがいい野営道具を買ったりしたのだが、物価が自分が思ってたよりも高すぎて驚いたりした。

 レスティアが世間知らずだっただけで、普通の物資なのだろうけど、そこには、今の持っているお小遣いの半分前後の値札がついている服がハンガーにかかって並んでいたのだから。

 お小遣いなどで、本をよく買っていたため本の物価は把握しているものの、レスティアになってからは、いつも家の人達が買ってくる服や家具や生活用品を使っていて、自分で物を買ったことはほとんどなくこの世界の物価を知らないことに今になって気付いたのだ。

 ちなみに買った服は、パジャマと、全体的に青と灰色と白でまとめられており、これから本格的に訪れるであろう、冬に備えた厚手の動きやすいシャツとスカート、その上に着るようの薄手のワンピースベストとケープの普段使いの服の二つだ。

 この普段使いの服は結構大きいサイズなものの、色々と思案した結果、これぐらいしかないという結論に至ったのだ。

 結構大きいサイズだが、リリーナの特技である裁縫によって合うようにお直しすれば何とか着れるであろう。

レスティアは、最初、お直しをしてもらうことに対して申し訳なく思ったし、別のぴったり合うような服を探そうとしたものの、見つからなくて、結局お願いすることになったのだ。

 リリーナによると、ころころと変わる天候や温度に対応するため、少ない服の数で、着まわしができるような重ね着タイプの服が向いてるらしく、買うことを決めたものの、問題があった。

 靴諸々も含め値段が高く、これを買ってしまうと、お金がかなりなくなってしまいそうだったのだ。

けれど「その服、数年前からこの店で売ってて、今月売れなかったら処分しようと思っていたので安くしますよ」そう言ったお店の人の計らいでまけてもらい、ことなきことを得た。

 その後でリュックや寝袋などの野営道具も買ったため、レスティアの今のお金は、すっかり心もとなくなっていて、泊まる予定のある二個先の村と大きな街と宿泊代を、払ったらすっからかんになるだろう。

(うう……こんなことになるならちゃんと物価とか把握しておけばよかった)と思ったりしたものだ。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲

 そうして、次の朝、珍しく早起きしたレスティアが支度をしていると、どこからか風切り音が聞こえてくる。

(あっ、またやってる)

 その音がした方に視線を向けると、やはりといった所か、風切り音が聞こえた先ではリヒトが剣の素振り練習をしていて……理由は分からないものの、その後ろ姿はいつも通り、どこか必死そうで、一心不乱に剣を振っていた。

 ここしばらく過ごして、リリーナと瑠雨の関しては少しだけ分かったものの、リヒトに関しては、一向に話しかけてこないし、関わってこようともせず、そんな感じだからレスティアから話しかけるわけにはいかず、よく分からない。

 レスティアが知ってることといえば、よく釣りをしていることと、毎朝、誰よりも早く起きて剣の鍛錬をしていて、それ以外にも暇さえあれば剣の鍛錬をしていることぐらいだ。

 釣りはともかく、剣の鍛錬をしている時のリヒトは、様子を見るに、なにか強い意志のもとそれをしているだろうことが伺えたが、逆に言ってしまえばそれぐらいしか分からないと言った感じである。

その他にも初回のアレにはビビったものの、基本的にはおとなしいし、もとから、人と関わるのがそんなに得意では無いのかもしれない。

 そう思っていると瑠雨とリリーナが起きてきたので、リヒトが作った朝ごはんを食べる。

(……美味しい)

 尚、料理経験がなく料理には関われないため、レスティアは皿洗いなどを受け持っている。

(本当は料理とか手伝った方がいいかもだけど、料理なんてしたことないし……皿洗いするので充分、送ってもらう恩は返せてるはず……だよね?)

 今日は、尽きてきた食料調達をすることにしたらしく、一緒に木の実採りをしようと瑠雨を探すものの、いなかった。

(また、探検かな?)

 瑠雨はこうして、空き時間があると、どこかへ探検にいく。ご飯の時間になると、必ず帰ってくるので、あまり心配はしていない。

(リヒトさんはいつも通り釣りだろうし、リリーナさんと食べれる木の実を採りにいこうかな……)

 レスティアがそんな風に思っていた時だった。

「私は、木の実採りしてくるから、リヒトとレスティアちゃんは釣りしといてくれないかしら?」

「へっ?」

「えっ……!ちょ……僕も行……」

 リヒトが最後の一文字を言う前に、リリーナは森の奥へ走り去っていて、姿が見えなくなってしまい、残されたのは、レスティアとリヒトだけだった。そんな状況にレスティアがあわあわしていると、リヒトは追いかけられないことを悟ったのか、静かに持ち場の川に戻っていた。

(リリーナさん!?なんで二人きりにするんですか!?気まずいって!ていうか、私、釣りやったことないんですけど!?)

そもそもレスティアは、リヒトが少し苦手だ。

 距離感を測りかねているというのもあるが、時折、リヒトから視線を感じることがあって、そういう時リヒトの方を見ると、決まって冷めたような冷たい瞳をレスティアに向けてるのだ。

 そんな目を向けられる心当たりはなくて、今のレスティアにはその瞳の意味が分からなくて、それがとても居心地悪くて……そんなことを思いながら、何も行動を起こせずにいると、あっという間に二十分ほどたってしまい、その間、二人の付近には気まずい空気が流れていた。

 しばらく見ていて分かったこのは、リヒトは釣りがすごく上手というぐらいだ。

(なぜ……こんなことに……)

 リリーナは、レスティア達の間に気まずい空気が流れてるのを知ってたはずだ。

(もしかして、わざと……?まあ、確かに……故郷に戻るまでの三ヶ月間、気まずい空気のままはな……)

 そう思ったレスティアは、意を決して話しかける。

「その……」

 レスティアはそう声をかけるも、リヒトは一瞬だけこっちを向くと、また、川に視線を戻してしまった。

(うう……でもな、なんて話せばいいだろう……そうだ……!)

「釣り好きなんですか?」

 思いついたことを口に出してみるも……

「そうだけど、それが何?」

 あいも変わらず、釣り針が落ちている水面に視線を向けているリヒトは塩対応すぎるその言葉を言ったきり、また口をつぐんでしまった。

 それでもめげずに、レスティアは、その後も色々な言葉を投げかけて、何度か会話を続けようと顧みたものの、そこから会話が広がることはなくて、そのどれもが空振りに終わる。

 そうしてレスティアが気まずさに耐えかねた頃、測ったようにリリーナが現れるまで、二人が残されたその場にはひたすら気まずい空気が流れただけだった。

尚、姿を現したレスティアの手には、木の実はなくて……

「あれ?リリーナさん木の実は?」

「この近く無かったのよねー」

 リリーナはそんな風に誤魔化していたものの、昨日、食べれる木の実が近くにあったことは確認済みなため、隠れてリリーナとリヒトの様子見をしていたであろうことが伺えた。

今日は一日二回の予約投稿を忘れてました。申し訳ごさいません。

最近リアルが忙しいので、今度からは、一日二回更新から、一日一回の夜20時更新に変更します。

(したがってあらすじの下段の更新頻度の情報も変更しています)

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