邂逅
二人のデート中にある女が近付いてくる。
それは公安のアンデッドイーター組織、『グリムリーパー』その日本支部の者だった。
何を目的に二人に近付く?
フェイと私はデート中。
昼食を取った後、手を繋いでブラブラと歩いているととある人物が私たちの前に現れた。
???『漸く会えたね。』
黒いサングラスをかけたスーツ姿の女性、まるで私たちのことを知っているかのような態度を取っている。
飛雲『こそこそ嗅ぎまわっているようだが、まさか私たちの目の前にこんな形で現れるとは…』
世莉奈『知ってるの?この人。』
飛雲『公安のアンデッドイーター、"グリムリーパー日本支部"の第一部隊隊長、皇。』
皇『へぇ、貴方も私のこと知ってたんだね。』
飛雲『もう少し気付かれないように嗅ぎ回るべきじゃないか?私だけでなく、エルフリーデのことも嗅ぎ回っていることも私は知っている。』
皇『なら、話は早いかな。』
この皇という人物、一体フェイに何をしようとしているのだろうか?終始にこやかな表情でいるのが返って不気味でしかない。
皇『単刀直入に言うね。私は飛雲ちゃん、貴方の持つ力が欲しいの。勿論エルフリーデちゃんの力も欲しいところだけど、まずは一番高確率で会えそうな貴方にお願いしてみようかなって。』
フェイは嫌な顔して皇を睨み付ける。
皇『警戒しないで。一応、私と貴方は同じアンデッドイーター、つまり同業者みたいなものでしょ?』
世莉奈『どうするの?フェイ。』
飛雲『断る。』
躊躇うことなく拒否した。
飛雲『お前たちに私の力を授ければ必ず悪用するのは目に見えている。信用するに値しない奴には力を貸さない。』
確かに中身の見えない人物や組織に突然力を貸して欲しいと言われても貸したくないと断るのは至極真っ当な意見だ。
皇『そっか…残念……ごめんなさい。プライベートの時間に突然入り込んでしまって。』
少し残念そうにしてそのまま去っていった。
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デートを終えて今は自宅。
あの時会った皇という女性、私はどういうわけかあの女性の顔が頭から離れない。
飛雲『気になるか?』
世莉奈『え?』
飛雲『皇のこと。』
世莉奈『う…うん。』
フェイにはお見通しだったみたいだ。
世莉奈『実を言うとね。あの人の笑顔は何処か不気味な感じがしたの。それが頭から中々離れなくて…今でも見られているようなそんな気分がして。何だか気味が悪い…』
飛雲『その感性を持ち合わせているだけでも安心した。』
世莉奈『それは、どういうこと?』
飛雲『ただ普通に生きているような人間は奴に惚れ込んだり都合のいい傀儡に成り下がる。公安のアンデッドイーターの多くは奴に既に飲み込まれている者が多い。』
私があの皇という女性が頭から離れない理由は兎に角不気味ということだけで、惚れてしまったりとかそういうのは一切ない。
飛雲『私がセリを心配する必要は無さそうだ。』
足を組んで椅子に座り、タバコをふかしながらフェイは言う。
世莉奈『どうして?』
飛雲『君はあの女に対して完全に拒絶していることは目を見ればわかる。中には君のように不気味だとわかっていながらも次第に惹かれてしまう憐れな奴もいる。』
世莉奈『私は……私にはフェイが……いるから。』
そう言うとフェイの口角が少し上がった。
飛雲『その言葉が聞けて私は嬉しい。』
世莉奈『フェイが側にいなかったら、きっと今の私はいないと思う。フェイが側にいなかったらきっとあの皇という人に惹かれてたと思う。』
私はフェイのことが好き。元々自己主張とかあまり得意じゃなくて大した才能とかもフェイのような戦う力も無いのにそんな私を一番に選んでくれたフェイを裏切ることなんて出来ない。
世莉奈『私はフェイじゃないと嫌だ。あの皇という人に目移りなんてしない。』
キッパリとフェイに言った。それが本心だから。
するとフェイは私の側に近寄り、私の口にキスをした。
飛雲『セリ、私は君を愛している。』
私はフェイのその告白に嬉しさを隠せなかった。
世莉奈『私もフェイのこと愛してる。』
改めて相思相愛を実感した。
世莉奈『誰にも負けないアンデッドイーターになってね。』
飛雲『約束する。』
これまで公安のアンデッドイーターとしか呼ばれませんでしたが、ここで初めて組織の名称が明かされた回です。
グリムリーパーとは死神のこと。つまり不死であるアンデッドにも死同然の裁きを与えるという意味からグリムリーパーという名称になりました。




