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VSソーシャーク

ホテルの廊下で邂逅したノコギリザメのアンデッドと飛雲の戦いが本格的に始まる。

フェイの剣撃、アンデッドのノコギリによる斬撃。

両者の攻撃が激しくぶつかり合う。


飛雲『以前殺したアンデッドよりは多少骨があるみたいだ…』

アンデッド『ちょこまかと狙いの定めにくい奴め。』


挿絵(By みてみん)


私は影からフェイを見守ることだけしか出来ない。

押されているとか手こずっているとかそういうわけではなさそうだけれど、思ったよりも戦闘が長引いているので私は少しばかり心配になってきている。


ブンッ!!


アンデッドがまるで水中を泳ぐように壁に潜り始める。

アンデッド『貴様には出来ぬ芸当よ。死角から噛み殺すまで!』

飛雲『無駄な事を。』

どういうわけかフェイは武器をしまう。

そして目を瞑り、触角に集中を高める。

世莉奈(フェイ、何をするんだろ?)

フェイの側に長らくいた私でも今、フェイが何を繰り出そうとしているのか全く検討もつかない。

すると、アンデッドが床下からヒレだけを出してフェイの背後へと迫ってくるのが見えた。


挿絵(By みてみん)


フェイは即座に振り向き、アンデッド目掛けて強烈なフィストを御見舞いする。

アンデッド『グエェェェ!!』

フェイの握り拳がアンデッドの頭の先に直撃する。

世莉奈『な、何が起きたの!?』

私も驚いてしまった。


飛雲『鮫の鼻先にあるロレンチーニ器官が強力な高感度センサーの役目を果たしているならそこに強力な一撃を喰らわせれば手痛いダメージになるだろうと思ったが、案の定読みは当たったな。』

アンデッドの動きが鈍りだす。更に狙いも碌に定められなくなっており、一気に隙が生まれてしまった。


飛雲『お前の鮫肌は私の武器の切れ味を悪くする。本当に動けなくなるまでは打撃による攻撃で弱らせる。覚悟しろ…』

フェイがそういうと日本刀を鞘に収めたままアンデッドを痛めつける。

時には蹴り、殴りを混じえてアンデッドに攻撃し出す。

アンデッド『き、貴様……我をコケにしやがって……』


アンデッドは既に碌に身動きがとれないくらい弱り出した。

飛雲『終わりだな…』

挿絵(By みてみん)

フェイは弱ったアンデッドの身体に日本刀を突き刺した。

その刀身は蒼色の光を放っていた。


アンデッド『貴様……それで我を殺せると思うな…』

飛雲『未能死去的苦命人…(死に損ないめ)』

フェイがあの台詞を放つ、するとアンデッドの胴体から血がシャワーの如く飛び散る。

アンデッド『な…我の身体が……』

身体はみるみるうちに灰のように細かく粉々になっていき、やがて消えていった。

その後、フェイは持っていた日本刀を鞘に収める。

世莉奈『何とかなったね。』

するとフェイはゆっくりとこちらへ振り向き、私の唇に突然キスをした。

世莉奈『ちょ、ちょっと何急に…』

飛雲『怪我はないか?』

世莉奈『う、うん。』

何度もフェイとはキスもしてるけど、何故だが今回だけは特別恥ずかしい気持ちが込み上げてきてしまった。

飛雲『行くぞ。』

そう言って私の手を握った。

そして私たちはホテルを後にした。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



フェイと私が同棲している自宅(まぁフェイの家なんだけど)。

フェイは椅子に座って日本刀の手入れをしている。

世莉奈『やっぱり切れ味とか落ちちゃってる?』

飛雲『あぁ少しだけだが、奴の鮫肌が思っていた以上に強固なものだったからな。』

先のアンデッドの鮫肌がフェイの日本刀の切れ味を落とす程のものだったことを考えると、一歩間違っていたらそれなりの強敵になっていたのかもしれない。

飛雲『これなら良いだろう。』

満足気に日本刀を眺めるフェイ。そしてゆっくりと鞘に収めた。

世莉奈『何か飲む?』

喉が渇いてきたのでついでにフェイにも聞いてみた。

飛雲『ん〜、アイスココアかな?』

世莉奈『わかった。じゃあ私もアイスココアにしようかな〜』

私は台所へ行ってアイスココアを入れに行った。




アイスココアを入れながらふとあることが脳裏に過ぎった。

世莉奈『そういや、フェイっていつもあの毛皮のストール身に付けてるけど、何でなんだろ?』

口にはしなかったけど何となく気になっていたことが今になって一つの大きな疑問として湧き上がってきた。


いくらアンデッドを確実に殺すことができる飛雲の刀でもあのノコギリザメの鮫肌に対しては切れ味を落としてしまうようです。

常に強くて独り勝ちでは詰まらないのでそういう些細なところから弱味を出していくことでいくら強い人でも時折見せる弱味が一つの魅力と感じて貰いたいと思った次第。

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