来訪者
公安の人間が突如飛雲と世莉奈の元へ現れたことから物語は始まる。
あのアンデッド討伐から4日後のこと。
時刻は午前10:00。
飛雲『ご足労なこと……人様の貴重な時間を妨害するとは、公安もデリカシーが無いんだな。』
突然の訪問者だった。
公安の人間が宿泊先のホテルに訪問してきたのだ。
公安の男A『それより……』
飛雲『うん?』
公安の男A『何かせめて着てはくれないだろうか?』
飛雲『何故?』
公安の男B『目のやり場に困る…』
飛雲『突然来た分際で何を言ってるんだ?』
私は驚いてそのまま服を着てしまったが、フェイは男性二人組の前だというのに動揺するでもなく服も着ずにタバコをふかして座っている。
公安の男A『そ、それはすまなかった。』
飛雲『で?何しにここへ?何となく察してはいるが…』
公安の男B『貴殿に単刀直入に聞く。何故死の概念がないアンデッドを葬る事ができる?』
予想通りの質問が飛んできた。
飛雲『天才たる所以。』
フェイは半分ふざけているようにしか思えない回答をする。
公安の男A『そこは真面目に答えて貰おう。ではどこでそのような力を手に入れた?』
飛雲『天賦の才。』
さっきと同じような回答。
公安の男B『これでは話になりませんね。』
公安の男A『ここまで口を割らないとは…』
二人組もフェイの曖昧かつ適当な返答に呆れ始めている。
飛雲『用は済んだか?』
フェイはタバコをふかしながら早く帰れと言わんばかりの態度を示す。
公安の男A『答えるまでは逃さないから覚えておけ。』
そう言うと二人組は部屋を後にした。
世莉奈『公安も必死なのかな?』
飛雲『公安の奴等もアンデッドを殺すに至る力は持ってないからな。』
世莉奈『フェイの力が欲しいんだろうね。』
飛雲『やれるものなら……な。私はセリ、君が欲しい。』
フェイが唐突にナンパみたいなことを言ってきたので私は思わず赤面してしまった。
世莉奈『もう、私たちはもう実質的に同棲してるんだから手に入ってるようなもんでしょ?』
飛雲『フッ、そうだったな。』
フェイは鼻で笑った。
世莉奈『じゃあ…』
飛雲『ん?』
私は着ている服を脱いだ。
世莉奈『フェイ、私の元へおいで。欲しいんでしょ?』
フェイを真似てその気にさせてみた。
飛雲『ん……』
白けたような目でこちらを見てくる。
飛雲『背伸びしているだけにしか……見えない。』
見透かされてしまった。確かに無理してやってみたのは事実だけど…
世莉奈『いいですよ〜だ。所詮私はフェイみたいなクールで綺麗な女じゃないもん。』
飛雲『あと……そろそろチェックアウトの時間だが?』
チェックアウトのことを完全に忘れていた。
飛雲『けど、セリからの誘いなら私は喜んで引き受けよう。』
一応効果はあったみたいだった。
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チェックアウトの為に部屋から出ると廊下は血だらけになっており、天井の照明も割れて薄暗くなっていた。
世莉奈『フェイ、これって……』
飛雲『いる…』
キョロキョロと目で周囲を見渡すフェイ。
私も辺りを見渡してみた。
すると、スーツ姿の人物二人が倒れているのを視認できた。
とても惨たらしい状態の死体。
一人は真っ二つになっており、もう一人は首が切断された状態だった。
世莉奈『この死体……』
飛雲『さっきの二人組だな。』
訪問してきた二人組の死体だった。
私ももう死体は見慣れてしまって、この程度では全く動じなくなってしまっている。
飛雲『匂いはする…』
フェイの触角はアンデッドの居場所を探るのに使用することがある。
人間の嗅覚以上に発達しているらしく、アンデッドの位置は大体把握できるとのこと。
しかし、現時点では匂いはするものの中々居場所子の特定が出来ず周囲を細かく見渡している。
飛雲『フッ、探しても中々見つけられないわけだ…』
世莉奈『どういうこと?』
フェイは徐にタバコの吸い殻を床に投げ付けると床下から何かが姿を現した。
アンデッド『ほお、探り当てるとは…大したものだな。』
アンデッドがその姿を現した。
飛雲『鮫……いや、ノコギリザメか。』
そのアンデッドは鮫のような顔付きをしているが片腕がノコギリのようになっている。
確かにそういう意味では鮫というよりかはノコギリザメのアンデッドというのは筋が通る(でも本来ノコギリザメって顔の先がノコギリみたいになっていたような)。
アンデッド『我の存在を見破った以上、生きて帰すわけにはいかない。死んでもらうぞ小娘。』
アンデッドは腕のノコギリを地面に叩き付けるとチェーンソーのように無数の刃が轟音を響かせながら回転する。
しかし、フェイは動じることなくジリジリと歩み、アンデッドの至近距離まで近付く。
飛雲『弱者はよく吠える…』
そう言ってタバコをアンデッドに向かって吐き捨てた。
アンデッド『調子付くなよ…小娘。』
怒り出すアンデッド、飛雲は日本刀の持ち手に手をかける。
アンデッド『貴様…人間とアンデッド両方の匂いがするな……何奴…?』
飛雲『どちらでもいい…』
どうやらアンデッドはフェイがアンデッドと人間のハーフだということに勘付いたようだ。
アンデッド『死ね!』
アンデッドが腕のノコギリを振るう。
飛雲『……』
フェイは無言でかわした。
飛雲『遅いな…その自慢のノコギリはただの鈍器か?』
アンデッド『減らず口を叩くか…貴様には最も残酷な死を与えてやろう。』
睨み合いが続く。
3人目の来訪者、アンデッドとフェイによるホテルの廊下での戦い。
飛雲『お前は私が殺す。それだけだ。』
世莉奈の顔初披露です。
ブラウンのウルフカットに長い襟足、羽根のイヤリングというのが彼女のチャームポイントといったところでしょうか。




