女王蜂
世莉奈と飛雲はベッドの上。
何やら世莉奈に甘えたい飛雲、昨日の協議後のことを話すのだった。
協議があった日の翌日の午後14:00くらいのこと。
ベッドの上で寝そべったまま、私はフェイを見つめているとこちらの視線に気付いたのか、フェイも私の方に視線を向ける。
こちらに視線を向けたフェイ。
暫くすると薄っすらと笑みを浮かべて髪を指でいじりだす。
フェイと同棲するようになってかれこれ2,3年程経つわけだが、彼女の癖というかちょったした仕草で何を考えているのかは何となくわかるようになった。
こちらに視線を向けて指で髪をいじりだす時は甘えたいサインである。
こうして一緒にいる時のフェイは何処か子犬みたいで可愛らしいと思えてしまう瞬間がある。
世莉奈『何?フェイ。随分と甘えたそうだけど…』
私がこう言うとフェイは大体視線を反らして否定する。
でも髪をいじるのはやめないし普段の雰囲気からは想像できないぐらい赤面する。
飛雲『な、何でもない。』
ご覧の通り。
世莉奈『恥ずかしがらなくても良いじゃない。私達愛し合ってるんだし好きなだけ甘えてもいいよ。』
赤面しながら拗ねたような表情をする。
飛雲『……膝。』
世莉奈『膝?』
飛雲『膝枕……』
世莉奈『はいはい。素直でよろしい。』
飛雲『……揶揄うな。』
そう言うと私は膝を貸し、そこにフェイが頭を乗せた。
膝枕で寝そべっているフェイは何だか可愛らしい。
世莉奈『これでいい?』
そう聞くとフェイは何処か嬉しそうに頷く。
世莉奈『ねぇフェイ。』
飛雲『どうした?』
世莉奈『朱里ちゃん、思ったより可愛らしい娘だね。』
昨日の協議の日のことを話した。
飛雲『仲良くなれたみたいで良かった。彼女はノリこそ軽いが根は真面目で憎めないし場を弁えるぐらいの礼儀は持ってるからな。』
世莉奈『フェイとしては朱里ちゃんがアンデッドイーターになって今や"鎖鋸の朱里"として名を馳せているのはどう思ってる?』
飛雲『危険な仕事だから最初は辞めた方がいいと言ったが、彼女の真剣な眼差しに私も負けてしまった。あの真剣な眼差し故にここまでの実力あるアンデッドイーターになれたと思えば、彼女にとっては良かったのだろう。私も陰ながら応援はしてあげたい。』
世莉奈『そっか、後輩思いなんだね。』
飛雲『ずっと慕ってくれてた可愛い後輩だ。当然のことだろう?』
何だかんだで自分の後輩のことも思っているみたいでそんなフェイへの好感度が更に上がった気がする。
私は思わずフェイの唇にキスをした。
飛雲『珍しいな。君からアプローチするとは。』
世莉奈『だってフェイのこと愛してるから。』
私が素直な気持ちを伝えるとフェイは起き上がって私の唇を奪った。
飛雲『私も愛している。だからもう少しこのままいさせて欲しい。』
フェイは背中の翅を広げて言った。
イチャ付いてたら結局18時を回ってしまった。
直後、電力施設の周辺にてアンデッドの出現があったとのことで依頼が入り、私達はその電力施設のある所へ向かった。
世莉奈『フェイ、あそこ!』
飛雲『ほう、既に戦闘が始まっていたか。』
既にアンデッドと誰かが睨み合っているのが見えた。
アンデッドと睨み合っていたのは朱里ちゃんだった。
暫くすると私達に気付く。
朱里『お姉様、先輩、遅かったっすね。見ての通りあたしとこのスズメバチのアンデッドは絶賛睨み合い中っす。』
そう言うと朱里ちゃんはチェーンソーを起動させた。
アンデッド『小娘、妾に逆らったことを後悔するがいい。』
朱里『上等だバーカ!チェーンソーでぶった斬ってやる。』
朱里ちゃんは二つのチェーンソーを持ってアンデッドに接近する。
アンデッド『女王蜂は絶対的君主。汝に鉄槌を下すのは妾ではない。』
アンデッドはどこからともなく小さな蜂の大群を朱里ちゃん目掛けて飛ばす。
ザシュッ!!
フェイは蜂の大群をたった一振りで一掃した。
飛雲『朱里、奴の手下共は私が片付ける。お前は本体を潰せ。』
朱里『了解っす!一騎討ちならあたしだけでも。』
飛雲『良い返事だ。』
アンデッド『小癪な真似を!!』
アンデッドはまたしても蜂の大群を飛ばす。
アンデッド『妾の下僕は妾の因子が埋め込まれている。故に毒も生命力も妾程ではないが計り知れない。』
飛雲『私の相手ではないがな…』
アンデッド『減らず口を!』
フェイの挑発に怒り心頭のアンデッドはフェイ目掛けて絶えず大群を飛ばす。
朱里『ほら、女王様背中がガラ空き。』
朱里ちゃんはアンデッドの背中をチェーンソーで斬る。
しかし、中々刃が通らない。
アンデッド『妾の外殻は強固な物。その程度の一撃ではヒビを入れることすら出来ぬ。』
朱里『くっそ、スズメバチは外殻が硬いんだっけ…刃こぼれに注意しないと。』
硬い外郭に難色を示す朱里ちゃん。
何とか突破口は切り開けるのだろうか?
朱里の初戦闘シーン。
しかしながら相手は硬い外骨格のスズメバチ型のアンデッド。
倒せるのでしょうか?
尚、実際のスズメバチも外骨格がが硬くてカマキリといった肉食昆虫も結構捕食に難儀するとか(逆にそれでカマキリが襲われてしまうこともあったりとか)。




