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乳母になりたいので子宝ベーグル片手に婚活した件について。  作者: あゆま3


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8/28

私の初めての不義理~あの本の感想?!申し上げられません!~

こんにちは。

いつもありがとうございます!

今回もよろしくお願いします。


夜 使用人の部屋。


私は寝間着に身を包んでいました。

手には例の本3冊とランプ。

ベッドに足を向けていました。

サイドテーブルに本とランプを置きました。

一番上の本を掴みました。


ーー1冊だけ読もう……男性も感想を求めていましたし……


肌触りのいい表紙を指先でなでました。

色は落ち着いた色で一見大人の恋愛小説の本だとはわかりませんでした。

私は、息が漏れてしまいました。

表紙を指先で摘まみ、開きました。

【淫らな奥様は騎士と朝日を見る♡】というタイトルが、目に飛び込んできました。

一瞬動きが止まりました。


ーーこんな……破廉恥な!!私……読めるかしら……?


閉じようとする指を押さえつけて、ページを捲りました。

予想通り、内容は過激でした。

最初から最後までほぼ濡れ場。

そして、ヒロインの行動は現実には痴女とよばれるようなもので……

参考になるようなものではありませんでした。

裏表紙を閉じた時、私の鼓動は速く打ち付けていました。


ーー読んで……しまった。参考にならない……で、でも次の本は参考になるかもしれない!


読み終わった本をサイドテーブルに置いて、2冊重ねている本の上1冊を掴みました。


ーー今度こそ、参考になるはず!!


私は鼻息荒く、表紙を捲りました。

【絶倫旦那様は夜まで待てない♡】というタイトルが視界に入ります。

指先が止まりました。


ーーこれ……結婚してます……でも……あの方に感想を言わないといけないですし……


しばらくそのままでした。


ーー新婚生活に参考になるかもしれません!念のため……


時間をかけて、ページを捲りました。

最後のページが読み終わった後、眉間に指先を置きました。


ーーなんで、私は読もうとおもったのでしょうか?


深い溜息がでてしまいました。

内容は、政略結婚の新婚夫婦の話でした。


ーー一切参考になりませんでした……こうなったら、最後の本も一緒です! 明日休みですし、読んでしまいます!


音を立てて、読み終わった本を置くと次の本の表紙を捲りました。

タイトルも無視して、本編に視線を送りました。

本を閉じた時、私は放心状態でした。


ーー全部、参考にならなかった……感想なんて……言えません。


胸の音が耳元にあるようで、うるさかったのです。

目に涙が溜まっていました。


ーーなんで、あの不審な男性の本を読んだのでしょうか?焦っていたのでしょうか……?もう、寝よう。


ランプの火を消して、私は身体をベッドに沈めたのです。


深夜


全く眠れません。

私はベッドに身体を預けていました。

程よく身体が沈んでいて、ふかふかでした。

清潔なシーツからは太陽の香りが漂ってきました。

しかし、相変わらず私の心臓は強く打ち付けていたのです。

まぶたは下ろされていましたが、その裏では、濃厚な男女の性交渉がちらついていました。

掛け布団を掴んで頭までかぶりましたが、その映像は消えなかったのです。

一度肺の空気を吐き切って、新しい空気を取り込みましたが変わらず。

身体の向きを変えてみたり、数回繰り返しましたが、ついに治まりませんでした。

私は息を吐きました。

両手を腰のあたりでついて、身体をおこしました。

視線を時計に合わせますと、時計の短針は2を指していました。

こめかみに痛みが走り、そこを指先で押さえました。


ーーもう、明日はあの方に感想だけさっさと伝えて、自分で本を探します……時間の無駄でした……明日は、明日こそ頑張ります……


身体をベッドに倒し、まぶたをきつく閉じました。


翌日のお昼過ぎ、図書館


寝坊をしてしまいました。

結局あの後もなかなか眠れませんでした。

朝方に浅い眠りを感じて、気が付くとお昼前でした。

時計の針を見た時、息が止まりました。

髪を乱してベッドから飛び起きました。

駆けるように朝の支度をしました。

クマがくっきり出てしまった顔に化粧を施します。

しかし、化粧のノリが悪くて結局疲れた顔に仕上がってしまいました。


ーー本を読まずに寝たらよかったのです。


肩が落ちました。

鏡の自分と視線を合わせると、口角を上げて立ち上がったのです。


屋敷の外にでますと晴天でした。

昨日歩いた道を走ります。

息が乱れ、身体に鉛をつけているようでした。


図書館に着きますと、カウンターを目指しました。

数人並んでいる後ろで足を止めました。

胸に手を当てて、呼吸を整えました。

少しずつ進み、私の番になりました。

昨日借りた3冊の本をカウンターの上に置きました。

視線を上げて、昨日と同じ女性に微笑みました。


「返却でお願いいたします。」

「承知いたしました。少々お待ちください。」


女性も微笑んで受け取ると、カウンターの下から1冊の帳簿を出しました。

帳簿からカードを取り出しながら、話を掛けられました。


「この本よかったでしょ?私この作者、大好きですの!」


早口で弾むような声でした。

私は、一瞬息が止まりました。


ーーこんな清楚な方が……あんな本を……?


「えっ…ええ…。」

「ありがとうございます。返却確認できました。あの作者さんの本、まだまだあのお部屋にありますから! 楽しんでください!」

「あ、ありがとうございます……」


女性は目じりが下がり、口角がきゅっと上がっておりました。

仰け反りそうになりましたが、一礼をしました。

顔を上げると、胸の前で手を振っていました。


ーー私も……あのような本が好きだと勘違いされています……


ひとまず手を胸の前で小さく振り返しました。

視線を螺旋階段に移しました。

階の奥のお部屋に足を向けました。


階段を登って、目線を走らせました。

あまり人はいませんでした。

肩の力が抜けました。

そして、私は奥の部屋の方に足を出しました。

視線を感じて、足を早めました。


ーー悪いことはしていないんですが……恥ずかしいのです。私は、参考にしようとしているだけなのです。


すぐにドアの前に着きました

一度足を止め、ドアノブに集中しました。


ーーあの方は毎日いると言っておりましたが……いなかったら、またここに来ないと……


一度、息を吐き切りました。

そして、ゆっくりドアノブに手を伸ばしドアを開けたのです。


キィ……


古びたドアの蝶番がすれる音がシンとした部屋に響きました。

私の手は湿り、鼓動が早くなっていました。

身体を前に倒して視線を巡らせました。

例の男性は部屋の奥で本棚にもたれ掛かっていました。

手にはピンク色の本。

開いていますが、前髪が長くて視線は読めませんでした。

光沢のある服をお召しでしたが、しわくちゃでした。


ーー不審者……感想だけ。感想だけ伝えたら、本を探します。


男性に向けて一歩足を踏み出しました。

短い距離でしたが、体がなかなか動かなかったのです。

一歩ずつなんとか、男性の近くまで足を運びました。


ーー早く……そう一刻も早く……あの男性に感想をお伝えするだけなのです。時間がない。


「あっあの……」


手を白くなるほど拳を握りました。

声を出しましたが、掠れた声になってしまいました。


ーーなにをこんなに緊張する必要があるのでしょうか……?


「あ! 昨日のお姉さんだね! 本よかったかな~?」


男性の声は大きかったのです。


ーー図書館なのに、そんな声!!


思わず手が伸びました。

その手を男性の口に押し付けました。


「シーッ、ここは図書館です!」

「……」

「……」


一瞬、空気が止まりました。

時間をおいて、私は手を後ろに回しました。


「しっ失礼しました!!!」


その声は大きく響きました。

そして、一歩大股で後ろ退きました。

その時、手が伸びてきました。

背中に回され、強い力で引き寄せられました。

鼻が肩に当たって、まぶたを閉じました。

男性からムスクの香りが漂ってきました。

そっと目を開けると。しわくちゃの服が目に飛び込んでました。

そのまま目線を上げると、目が合ったような気がしました。

長い前髪に隙間ができていました。

瞳の色は分かりませんでしたが、恐ろしくお顔が整っていました。

私は、金縛りに遭ったように動けませんでした。

しばらくした後、身体が短く震えました。

一気に頭に血が上り、顔に血が集まりました。


「ああああああああありがとうございます!!」


手を突きたてて、後ろに一歩ひきました。

お礼を言えましたが大声になってしまいました。


ーーな、なんとはしたない!!


私の眉は下がりきりました。

振り返って、飛び出したのです。

背後で男性がニヤリと笑ったのを知らずに。

最後までありがとうございます。

私のイメージでは、恋愛小説の部屋はピンク多めです笑

きっとカラフルで、キラキラしていると思います!

そんな図書館あれば行きたいです笑

次回もよろしくお願いします。

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