私の初めて婚活パーティー~すぐに成婚できますわ!~
こんにちは第三話、よろしくお願いします。
私はライラから得た情報をまとめました。
まず、婚活パーティーは役場で参加申し込みをするらしいのです。
・ライラは20歳の時に婚活パーティーに初めて参加した。
→現在は25歳で3年前に結婚。パーティーに参加して半年で夫と出会う。
・1回目はバーベキューのパーティー、2回目は立食パーティーに参加。
→順番に殿方と会話はするが選ばれなかった。
・3回目のワッペン作りのパーティーに参加。
→手先が器用なライラに今の夫(レンガ職人)が猛アピール
→連絡先を交換。
→数回デートして、お付き合いを始める。
→1年間お付き合いの後結婚。
→すぐに1児を授かる。
→保育園に預けて現在日勤のメイドをしている。
--得意がアピールできそうなものがいいのか……
得意なことは、お茶を入れることやお化粧やヘアメイクなどでしょうか……
料理も、得意というわけでもございませんし…
それに、即結婚が目標。
掲示板からそこまで読み取れるものなのでしょうか……?
いいえ、お嬢様のために絶対に成功させなければならないのです!
私は拳を握り、視線を上げました。
ロン様とライラは短い悲鳴をあげました。
2時間後
外は夕日に染まっており、参加の手続きが終わっている時間
チリンチリン
ベルの音が隣の部屋から微かに聞こえてきました。
手の甲の爪痕がたくさん増えてしまいました。
三人は、同時に立ち上がりました。
部屋の前まで音を立てず、素早く進みました。
そして、ロン様が扉を小さくノックしました。
微かな返事。
ロン様が扉に顔を近づけました。
「レオン様、いかがなさいましたか。」
「風呂に入る。準備してくれ。手伝いは不要だ。サラは俺が入れる。」
「承知いたしました。」
私たちはすぐに部屋に足を踏み入れました。
お風呂場は、寝室の奥にありました。
横目でベッドを見ました。
レオン様は上半身を起こし、目を閉じたお嬢様に微笑まれていました。
--なんてことを!と思っていましたが……認めざるをえないのです……
でも……お子様はちょっとお待ちいただけたら……
浴室はシンプルながら高級品をさりげなく飾っていました。
白を基調とした空間に天然素材の温かみのあるベージュの小物たち。
アロマも焚かれていて微かに甘い香りがいたしました。
私は着替えやお化粧品を整え、洗面台に並べました。
その間、ライラが風呂を沸かしました。
ロン様は主に少し話があると寝室に戻られました。
準備の完了をロン様が伝えたので、部屋の隅で控えました。
お二人がお風呂に行った隙に、ライラとシーツを交換しました。
赤い血痕が残されていました。
お嬢様が大人になってしまった証拠に、私は胸が締め付けられました。
--1秒でも早く殿方を見つけないと…!間に合わないです!
全ての作業が終わると、三人で足をそろえて控えの間に帰りました。
私は椅子に座りますが、胸が締め付けられました。
手が白くなるほど、拳を握っていました。
爪が食い込み、痛みを感じましたが止まらないのです。
その後も引き続き待機しておりました。
しかし、翌日の昼までベルが鳴ることはありませんでした。
あろうことか、レオン様は丸一日、お嬢様を離さなかったのです。
翌日の昼
ベルの音が聞こえましたので、部屋に足を運びました。
入室の許可を得て、入室しますとお嬢様はベッドにいました。
身体を横にしておりました。
私は息を飲みました。
身体の動きを止めてしまったのです。
お嬢様は顔を歪め、時間をかけて上体を起こしました。
「カミラ……今日は……休むから。」
「承知いたしました。」
「……カミラ、実は……腰が痛いの。」
「マッサージさせていただいてもよろしいですか?」
「お願い。」
お顔にはクマ。
その表情には疲れが見えました。
私はあえて何事もなかったように、顔を引き締めました。
下向きに寝てもらい、腰に手を伸ばしました。
指先が触れた時、私は飛び上がりました。
その身体は熱かったのです。
「! お嬢様、お熱がおありです! 大変……! 氷水を持ってまいります!」
「え?……どおりで怠いと思った……」
わき目も振らずに部屋を飛び出ました。
そして、厨房で氷水をいただいて、足をできる限り早く動かし歩きました。
ドアの前で立ち止まると、ノックをしました。
反応がありませんでした。
--寝ていらっしゃる……? それにしては……おかしいのです。
もう一度、大きな音になるようノックをしました。
また、返事がなかったのです。
ーー緊急事態かもしれません!!
「お嬢様、失礼します!!」
力いっぱい押したドアは軋んだ大きな音を立てました。
視界に飛び込んで来たものに、私の動きは止まりました。
レオン様が……お嬢様を抱きしめていたのです。
--あれ?執務があると聞いていたのですが……
「レオン様!お放しください。カミラが!」
真っ赤になってレオン様の胸を叩き、叫ぶお嬢様。
ーー怒った顔も美しい……。
緩みそうな顔を引き締めました。
「いいとこだったのに……じゃあ、仕事に戻るよ。」
レオン様は緩み切ったお顔をお嬢様に近づけました。
おでこに一つキスをして、お嬢様から離れました。
そして、私の近くまで大股で歩いてきました。
「頼んだ。」
「承知いたしました……。」
視線は突き刺さるようで、身が引き締まりました。
そして、お部屋を出られました。
お嬢様は、真っ赤になってしまった顔を両手で押さえていました。
「……お嬢様、横になられますか? 氷水を持ってまいりました。」
「あぁ……うん。」
お嬢様の視線は、私に向くことはありませんでした。
私はお嬢様の背中に手を添え、横になるよう体を支えました。
横になったお嬢様の頭に氷水を当てました。
まぶたが閉じられました。
体は熱く、呼吸は荒かったのです。
--あぁ、お嬢様をこんなになるまで離さないなんて……
眉が勝手に寄っていきました。
すると、まぶたが半分ほど開いて私の方へ顔が向いたのです。
「カミラ、子宝ベーグルを殿方に絶対にあげちゃ、だめよ?」
「しょ!承知いたしました……」
瞳は潤み、声は揺れていました。
--熱がおありですのに……私の心配だなんて……なんてお優しい。私は、お嬢様のお側に一生いたい。
踊り出しそうな体を、一瞬で押さえつけました。
ただ、指先は震えていたのです。
一つ長い息をついた時、思いついたのです。
--お嬢様は子宝ベーグルを差し上げた結果、お見合いが99%整ったようなもの。
そうだ!
私も子宝ベーグルを持って、婚活パーティーに参加すればいいのでは?
そうすれば……すぐに結婚もできますし、子もできるかもしれない。
間に合うかもしれないのです。
名案に胸が高鳴りました。
荒くなりそうな息を奥歯を噛みしめて押さえました。
私は、お嬢様の真っ赤なお顔に視線を送りました。
そして、思考は婚活パーティーのことでいっぱいだったのです。
その日は看病で付きっ切りで、なにもできませんでした。
しかし、道筋が立って身体が軽く感じました。
この日、レオン様は、婚約の件を旦那様へ手紙を送りました。
しかし、その返事を待つことなく婚約の書類を提出されました。
お嬢様はこうして正式にレオン様の婚約者となられました。
お嬢様の熱が下がった後、私たちは、一度実家のあるザザリアに帰るのかと思いきや……。
花嫁修業として、帰していただけなかったのです。
実情は、レオン様がお嬢様を離そうとなさりませんでした。
しかし、これは私にとって婚活パーティーに参加できるチャンスとなりました。
私は早々にお嬢様にお休みの相談をし、早速婚活を始めたのです。
最後までありがとうございました!
おまけにカミラの心の声をどうぞ!↓
サラお嬢様は花嫁修業と称してレオン様が離してくれなくて忙しいのです。
旦那様よりお叱りのお手紙が届きそうで怖いのです…。




