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革命のリリィ  作者: 鳩ポ
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十五話 クイーン•ハルモニア

レヴナントでは、3人1組で1つの部隊が編成されており、毎回のミッションごとに最適なメンバーで部隊が構成される。


今回のミッションでは、鉄鬼隊、偏光隊、月光隊の3部隊が編成され、計9人で任務に臨むこととなった。


ミッションに向けた準備が整った。各隊の隊員たちは次々と指定された集合地点に集まってくる。私も装備を整えながら、今回のメンバーがどのように編成されているかを確認していた。鉄鬼隊のメンバーはおなじみだが、偏光隊や月光隊の面々とは普段あまり接する機会がない。


「いよいよね…」


隣でリニアが呟く。彼女の鎌が、太陽の光を反射して鋭い輝きを放っていた。彼女の目は冷静だが、その奥には戦いへの高揚が見える。


ルーカスも少し緊張した面持ちで、大剣からライフルへの変形を確認している。「いつもどおりにやれば大丈夫さ」と自分に言い聞かせるように呟いているのが聞こえた。


「全隊、準備完了だな。」


ゲンテツの低い声が指揮所から響く。私たちは一斉に敬礼をし、準備が整ったことを告げた。


「よし、出発だ。」


ゲンテツの号令とともに、各隊はそれぞれの位置に散らばり、ミッションの目的地へ向かう。機動要塞レヴナントの巨大な影の下、27人の戦士たちがそれぞれの役割を背負い、無言で前進を始めた。足音が次第に重なり、静かな闘志が空気を包む。


「行くぞ。」私は義手を握り締め、義足のエンジンが低く唸るのを感じた。心臓の鼓動が次第に早くなる中、これから始まる激戦の予感が肌に伝わってくる。


そして、各部隊がゲンテツの指示のもと、指定された場所へと到着した。


「では、これから工場地帯に潜入します。まずはレベルの低いAIを倒しながら、音が鳴っていた中心部を目指します。」


ルーカスが淡々と指示を出す。冷静な声だが、その裏に決意が感じられた。


「やばいと思っても、絶対に逃げないでください。僕たちが負けるのは、死んだ時だけです。」


彼の声に緊張感が走る。ルーカスは隊員全員を見渡す。その目は鋭く、光を失ったかのように冷たかった。しかし、その瞳の奥には深い復讐心が渦巻いているのが感じられる。


「では、行きましょう。」


彼の一言で、全員が静かにうなずき、ゆっくりと動き出した。


――20分後――


調査を開始してから20分が経過した。目にするのは Level0程度の機械ばかりで、誰もこちらに襲いかかってくる気配はない。ピアノの音が鳴り引き、不気味な空気が漂っている。


通信によると、他の部隊でも同じような状況が続いているらしい。


「いいの? Level0を倒さなくて。」


私はリニアに疑問をぶつけた。どうしてこんなにも簡単に進めるのか不安がよぎる。


「私だってぶっ壊してやりたいわよ。でも、今壊したら中心にいるAIに私たちの存在がバレるかもしれないから、手を出せないの。」


リニアの口調は焦りを隠していたが、彼女の言うことも一理ある。


しかし、本当にそうなのだろうか?工場地帯なら、その場所を守るAIがいてもおかしくないはずなのに…。

私はこの出来すぎた状況に違和感と不安を覚えながらも、みんなの後を静かに追った。


――工場地帯の中心――


「やっぱり、待ってたわよ。」


不気味なピアノの音が鳴り響く中、私たちは工場地帯の中心に辿り着いた。そこには、そのには人型で3メートルぐらいはあるAIが、周りにスピーカーを浮かせながらピアノを弾いて待ち構えていた。彼女は優雅にピアノを弾く仕草を続けながら、まるでこちらの到着を喜んでいたかのように笑みを浮かべている。


「ようこそ、愚かな人類ども。私はクイーン•ハルモニア私の、美しい音楽、楽しんでくれるかしら?」


その言葉と同時に、クイーンの手がスピーカーの調整スイッチに触れた。まるで何かが変わったかのような瞬間、辺りが異様な静寂に包まれた。私は咄嗟に耳を澄ますが、音がほとんど感じられない。


「…なに?」


その時だった。

突然、私たちのすぐ目の前にいた隊員が、鐘のような低い音と共に全身がミンチのように砕け散った。返り血が顔にかかり、空気がまるで震えるかのような振動が全身に伝わってくる。


「くそっ!今のは何だ!?」


ルーカスが驚きの声を上げ、あたりを見渡す。


「奴の音だ!」


リニアが即座に状況を把握し、冷静に答える。クイーンはスピーカーから音をまるでビームのように飛ばし、音の振動で攻撃を仕掛けてきたのだ。


「そう、その通りよ。私の音楽は、ただの癒しじゃないわ。破壊の力を秘めているのよ。」


クイーンは余裕たっぷりに微笑み、再びスピーカーを操作し始めた。


次の瞬間、私たちの後方にあった金属製の建物が、まるで紙のように引き裂かれる音を立てて崩れ落ちた。音の振動があまりに強烈で、その場に立っているだけでも体が揺さぶられるような感覚が全身を襲う。


「おもしろいわね...なら、私もやってやろうじゃない!」


リニアがヘルファイアを構え、冷ややかな笑みを浮かべながら前に進み出た。鎌のボタンを押すと、刃が熱く赤く輝き始める。


「ヘルファイア、解放!」その叫びと共に、リニアはクイーンに向かって突進した。


だが、私はその場から一歩も動けなかった。足が震え、視界がぼやけていく。恐怖とトラウマが頭を支配する。あの静寂の瞬間....撃たれるその瞬間、周りの音が一瞬にして消えるのだ。

それは、おそらくクイーンが音を一気に吸収し、圧縮しているからだろう。次に来るのは、見えない音速の衝撃。音も、光もない一撃が私たちを襲う。


どうすれば、この無音の恐怖に立ち向かうことができるのか一一私の心は、恐怖に縛られていた。


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