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険悪
「はぁ…」
「まぁまぁ、喧嘩すんなって」
呆れたように少年が言った
「喧嘩はしてませんよ」
「もうええ、うちは寝る」
「我が儘ですね、東の島国に住む人々は皆そうなのでしょうかね?」
仲悪っ
「折角一緒になんだしさ、仲良くしようぜ?」
「そ、そうですよ、折角一緒なんですし」
さっきまで部屋の角で震えていた少女が言った
「は?仲良く?綺麗事いうのもいい加減にしたらどうですか?誰がここから追い出されるかわからないんですよ?それで仲良く?無理ですね」
「すまんのぉ…来たばかりじゃというのに、こんなので」
おじいさんが私にすまなそうに言った
「いえいえ、いいのですよ」
良くないですけどね
「あの王のせいで皆このざまじゃ、昔はああではなかったのに」
「昔?」
「わしは昔、王宮で貴族を中心に騎士道の教育をしておったんじゃ、興味を持った、当時の幼き王にも教えたものじゃ、途中で挫折しとったがの」
おじいさんは苦笑しながら言った
「でも、わしが一番覚えとるのは、リリアーネという少女かの」
どこかで聞いたことのある名前だった




