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連続猟奇自死事件に関わる記憶の補完  作者: 嫗 熊猫


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3/8

⑶ 高校時代の後輩 ~後輩の懐旧録~

先輩とは特に親しくしてもらっていました。


 学生寮に入っていたことも大きいですが、学校では一緒に生徒会役員をしていてともに過ごす時間がほかの人よりも断然長かったです。

 1歳違いくらい誤差だよ。なんて言ってて学年や学科の違う生徒とも仲がよくて学校内外で交友関係が広い人だったので、特別扱いしてもらうたびになんとなく得意げになってたりして、今考えると恥ずかしいけどいい思い出です。


 高校2年目のゴールデンウィークに、帰省せず学生寮に残った数少ない生徒たちに先輩が声をかけて、食堂に集まってお菓子を持ち寄ったりして過ごした日がありました。


 年頃の女子らしく始めは恋バナで盛り上がっていたんですけど、そのうちに怪談をしようということになって、百物語みたいに1人ひとつづつ話すことになりました。

大体は良くある都市伝説や何処かで聴いた最後に驚かす系の怪談を披露してましたが、先輩の話は自分の体験談でした。


「小学校3年のある日、仲の良かった男子3人と女子1人と一緒に近所にある神社へ遊びに行ったんだ。

 その神社は駅の入り口から真向かいの山の中腹にあって、階段の両脇には竹林がしげっていてちょっと暗かった。


 階段を上っていくと朱色の鳥居と鳥居よりも煤けた所々赤色が剥がれて木肌が見える小さいお社があって、お社の両脇には狛犬じゃなくて狐が据えられてた。


 よく遊びに行く場所で、狭い境内で追いかけっこしたり、階段を使って『グリコ』って遊びをしたりしてたから特に怖いと思ったことはなかったんだよ。


 だけどその日、お社の真後ろに小さな洞窟があるのを見つけて…一緒にいた男の子は面白がって中を覗いてみたりしたものの、入り口には蔦が繁って、中は真っ黒な闇が広がっていて中に入る勇気はなかった。

 お社の脇にも竹林があって、近くに長く育った竹の木が伐採されて積んであったんだけど、グループのリーダーだった男の子がそのうちの一本を手に取って興味本位で洞窟の中に差し込んだんだ。

そしたら突然、「誰かが掴んだ!」って言って竹を握ったままその場にしゃがみこんで…慌てて引き抜こうとしたけど竹は全く動かなくて。


 5人で半泣きになりながら、ぐいぃっと力一杯引いてみたけどびくともしなかった。

 焦りに焦ってみんなでわぁわぁと泣きながら引いてたけど、唐突にズシっっと竹先に重いものが乗った感触が伝わってきた。そして次の瞬間グンと洞窟に引き込むように竹が引っ張られて……

5人で叫びながらその場から逃げ出してそれぞれの家に帰ったんだけど、

その後3日間全員で熱を出して寝込んでそれ以来5人揃って遊ぶことは無くなったんだ。


 その数週間後、リーダーだった男の子が突然家に来て、引っ越しすることになってもう会えなくなるから、最後にあの竹を抜きに一緒に行ってほしいって言ってきて。

 夕方が近くなってた時間帯だったから最初は断ってたんだけど、ほかの子たちは来てくれないって半泣きでいうものだから、仕方なく2人で神社へ向かった。


 いつもは怖くなかったのに、神社に続く階段が暗くて湿った重い空気をまとっててすごく怖かった。

階段の下でためらっていると男の子が手を引いてくれてドキドキしながらゆっくり階段を昇って行った。


 そうしてお社の後ろに行くとやっぱり洞窟が口を開けて待っていて、落としたまま放置されていた竹がこの前の出来事を生々しく伝えてきてた。

二人で竹を持ち上げると、また突然ズシっと重くなって、向こうからグイッと引っ張られた。


私が驚いて手を離すと、その子は竹ごと洞窟の闇に吸い込まれた。


 私はパニックになりながら助けを求めて急いで山を下りて、泣き叫びながら駅舎へ駆け込むと駅員さんが何事かと顔をを見せてくれた。

 事情を話すと駅員さんが交番に連絡してくれて、10分くらいでお巡りさんが駆けつけた。

お巡りさんと一緒に山を登って中腹の神社に着いたけど、洞窟は跡形もなく消えていて。


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 その後お巡りさんにはイタズラが過ぎると叱られて各々家に送られて帰ったけど、男の子は一言も話すことなく転校してしまって、あの時何があったのかわからずじまいだった」


という話でした。

 別の機会にも怖い体験談をいくつか話していましたが、その話が一番印象に残ってます。


先輩がお亡くなりになったと聞いた時には本当に驚きました。

最後に話した時にはお姉さんの結婚が決まったと言ってすごく喜んでいて……

なのに自殺だなんて……本当に信じられないです。


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