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異世界に探偵は必要ですか?  作者: アイザック・ゴーマ
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17-3:嘘つきⅢ

   17-3:嘘つきⅢ




 事件とはパズルである。

 起こった事実は形がそれぞれ決まっており、理由はどうあれ、ハマるようになっているものだ。

 すべては因果、すべてはヒトの業。

 ことヒトが死に至る結果を導く計算式はそう多くはない。

 病死、事故、他殺、自殺。

 またはそれらの複合。

 それらから不可能性の排除を行なって絞り込むわけだ。

 されどヒトの業。

 そんな簡単に解決できるなら探偵なんていらないわけで。

 事実と証拠と真実相当性、そんなものの地道な採集が犯人と事件を紐づける。


 そういう面で考えれば、実績上、凹太郎は自らの特殊能力に対しては信じるに値するものだと評価していた。

 ただ、その能力の真実相当性は他者には見いだせない。

 能力実在の証拠を積み重ねれば、人々の評価は「限りなくあるかもしれない」にまでは上がるかもしれないが、元の世界ではそういった能力を証拠に用いることは極めて疑わしい行いだ。

 実際、元の世界でも霊能力者に被害者の探索などを行わせる例はあったが、こと凹太郎自身、それらを眉唾ものだと考えていた。

 そう考えることで、凹太郎は自身の人間性を確保していたというのが正しい。


 この異世界ではその考えも的外れなものになる。

 なにせ、亜人がいれば、魔法もある。

 元世界の常識からいえば、どちらかといえば自分の頭がおかしくなってしまったと考えるほうが自然である。

 しかし、そうであったとしても、自分の理性と知性で判断して行動するしかない。

 

 完全防音ではない会議室。

 遠くで仕事をしているメパやガムニの声が聞こえた。

 おそらく誰かと通話している様子だ。

 今、このラボにいるのは凹太郎と彼らとミゴ。

 ミゴは自分のブースで仕事をしていると思われる。

 ポワポ、テージ、ヂィギィは外に仕事があるのか解散後すぐにラボを出た。


 テーブルには銀の本の入った箱の他に、凹太郎に用意された朝飯があった。

 凹太郎はそれを手に取る。

 オレンジのプラスティックらしき箱に入ったそれは、蒸しパンのようなスポンジ状のパンに味のついた野菜や肉をサンドしてあるものが2つ。

 凹太郎はそれを黙って食べ始めた。

 飲み物はウェカポが再び用意されていて、あいまにソレを飲んだ。

 味を楽しむというよりは、栄養・エネルギーを摂取する業務。

 食べ終え、それらのゴミを流し台のところにあるゴミ箱に捨てる。

 分別もしっかりされているようで、凹太郎にはゴミ箱に書かれた文字が読めはしないのだが先にミゴたちも食べたのだろう、同じごみが入っているところに捨てた。


 再び、ソファに腰かけ、銀の本を見つめる凹太郎。

 ふと。

 空気の流れるのを感じた。

 風というには微小なほどのものだが、凹太郎は確かにそれを感じ取った。

 ラボ出入口に目をやる。

 扉が開いたのだ。

 ここに来るとき、何も言わずドカンと開ける者もいれば、ノックをする者もいれば、インターフォンを使う者もいる。

 彼女は何も言わず、静かに扉を開けて入ってきた。

 彼女が、横に伸びる通路に曲がらず、会議室にまっすぐ歩いているのを確認して、凹太郎は声をかけた。




「どうしました、忘れ物ですか?」

アイザック・ゴーマの小説挑戦作だぜ。

誤字、脱字は随時修正していくぜ。

特に見ても面白いことはやりませんが、Twitter、チャンネル登録もよろしくだぜ。

リンク貼っていいかわからないので、興味がある方は検索してみてだぜ。

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