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遭遇

冗談じゃない! 成功報酬の割に合わないぞ、これ。……いや、それよりもまず、ここから逃げ切れるのだろうか。


戦士がやられた。

続いて魔術師が。

最後に神聖術士が。


俺はここから逃げざるを得ない。行方不明になっていた少年と共に。




ことの始めは、覚えたばかりの叙事詩で小遣い稼ぎの交渉しようと立ち寄った酒場のオヤジから、依頼を受けたことに端を発する。

駆け出しの頃から、荷の運搬だとか、近くの朽ちた遺跡に住み着いたゴブリン退治だとか、何度も依頼を受けた村。

「いつもなら、その村から荷が届くはずなのだがな。駆け出しに、その村に向かわせたのだが、一向に帰ってこないのだよ」

その荷はこの酒場の名物の羊で、その肉は独特の風合いを持ち、この街に立ち寄ると必ず口にする一品であった。

「知ってのとおり、あの辺りは遺跡がいくつもある。万が一ということもありえる。――行ってもらえないか?」


羊の放牧から少年が一人帰ってこない。村の男らや、駆け出し冒険者らと手分けして探しているが、まだ見つかっていない。報酬ははずむ。少年を探してほしい。

――酒場の主の悪い予感は的中していた。

村に間もなく到着するというところで、村長らと遭遇し、俺達の顔を見るなりそう懇願した。

俺達はその足で遺跡の一つに向かい、そこで発見した。子羊と共にいた少年を。

「家畜がそっちに行ってしまったみたいなんだ。あ、あそこ!」

その先にいたのは、今の俺では手に余る魔物だったのだ。


まず戦士が、

続いて魔術師が、

最後に神聖術士が、

ゆっくり石の像へと化していく。


一見、一回り大きい鶏。だが腹部は爬虫類で、クチバシに触れた生き物を石へと化す。ある種の草とそれを食した生き物をのぞいて……

――魔物、コカトリス。

先日覚えたばかりの叙事詩に出てくる魔物。それに気づいたときには、既に手遅れ。

俺と少年、ここから逃れるすべは、あるのだろうか。



お題:動かないボーナス


ソードワールド(無印版)を頭の片隅に置きながら書いた作品です。



『本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です』




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