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ねこの国の勇者様  作者: かなぎ
二章
27/46

章中 ねこの国より愛を込めて(バレンタイン特別編)

 本編に全く関係ない、パラレルワールドな短編です。


 設定とか気にせずに、頭を空っぽにして読んでいただけると

 丁度いいと思います。



「みゃーこ様!」


 ある日の事。その1日は叫び声から始まった。

 眠い目を擦りながら、不機嫌そうに声の主に目をやる私。


「う〜ん……なに? まだ眠いんだけど……」


 眠くて当たり前。まだ朝には早く、雀の声すら聞こえてこない。

 そんな寝ぼけた私にミケはニコニコとご機嫌そうに質問をしてくる。


「今日は何の日か知ってますか?」


「ふんどしの日?」


「大正解です!! 今日の日のために! ほら!!」


 そう言いながら袴の裾をたくし上げるミケ。

 思わず凝視してしまう私。


「なに……? 履いていない……だと?!」


 ※注意:擬人化していないただの猫です。


「もー!! みゃーこ様!

 可憐なうら若き乙女に何させるんですか!!」


 ミケが勝手にやった。

 特に反省もしていない。


「私がお嫁に行けなくなったらどうするんですか!!」

「そのネタはもうやったからいいよ」


 いつもの仕返しとばかりに、そう即答で返す私。

 ミケは、分かりやすく、「がーん」と言う効果音と共に固まっている。


「やっと静かになった……」


 そう言いながら、おコタに再度潜り込み惰眠を貪る事にした。



 そして2時間後……



「みゃーこ様!」


 ある日の事。その1日は叫び声から始まった。


 眠い目を擦りながら、不機嫌そうに声の主に目をやる私。


「う〜ん……なに? まだ眠いんだけど……」


「今日は何の日か知ってますか?」


 ミケがさっきと同じことをニコニコしながら言ってくる。

 どうやら、さっきのは、なかった事になっているようだ。


「煮干しの日?」


「みゃーこ様! 今日は何の日か知ってますか?」


「ネクタイの日?」


「みゃーこ様! 今日は何の日か知ってますか?」


「祇王忌?」


「みゃーこ様! 今日は何の日か知ってますか?」

「みゃーこ様! 今日は何の日か知ってますか?」

「みゃーこ様! 今日は何の日か知ってますか?」


 ミケが壊れかけのレイディオになってしまった。

 しかも、ずっとニコニコのミケ。ヤンデレみたいで怖い。


「みゃーこ様! 今日は何の日か知ってますか?」


 そう考えている間もミケは止まらない。

 そろそろちゃんと答えないと

 本当に覚醒してしまいそう……


「えっと……バレンタインだっけ……?」


「大正解です!!

 正解者のみゃーこ様には私の愛を込めた手作りチョコレートをプレゼント!」


 そう言いながら、ピンクのリボンの付いた細長い箱を手渡された。


「ミケ、ありがとう!」


 さっきの意地悪は無かった事にして、ミケの頭を優しく撫でてあげる優しい私。


「みゃーこ様! 

 開けて食べて見てください!」


 手作りチョコを早く食べて欲しそうなミケ。

 私がリボンを解き、箱を開けてみると……


「ネットでイワシチョコを見て作ってみました!!」


 そう、そこに入っていたのはイワシチョコ。

 でも、これはアレとは違う。

 チョコレートから生のイワシの頭が飛び出ているので、厳密には、これはチョコイワシだ。


「えっと……これは?」


「イワシチョコです!」


 そう自身満々に答えるミケ。

 うん、これ食べたらやばい奴だ。


「味見……した?」


 何気ない一言。

 これがミケの逆鱗に触れた。


「みゃーこ様!!!!

 私を殺す気ですか!!!

 猫の私にチョコレートを食べさせて

 毒殺するつもりですか!!!

 遺産ですか!!

 国の遺産が目当てだったんですか!!!」


 猫にとってカフェインが入ったチョコレートは毒物。

 絶対に食べさせてはいけません。


「味見なんていってゴメン!!

 ミケの事、愛し過ぎて

 人間と同じ様に思っちゃったの!

 ミケへの愛ゆえの失言なんだよ!

 愛しすぎて周りが見えなくなっちゃったの!!」


 そうよく分からない愛の言葉を(さけぶ)く私。

 でもミケには届いた様で


「みゃーこ様!

 そこまで私の事を愛してくださってたのですね!」


 そう感激しながら、私に抱きついてくる。

 ミケがちょろインで良かった。


「そうだよ!

 ミケの事、世界で一番愛してるよ!」


 そう言いながら、私とミケは抱きしめあった。


「そんな愛してくれているのなら……」


「勿論、私の愛を美味しく食べてくれますよね!」


 私からパッと離れたかと思うと、チョコイワシを私の口元に持ってくるミケ。


「はい、アーン」


「えーっと……」


「アーン!」


「うーんっと……」


「私の愛は食べれないんですか……?」


 ミケは涙目になって、私の顔を凝視している……

 今この惨劇は、過去(さっき)の私の行動が起こした報いみたいなものだ。

 逃げるのはいつでもできる。

 今は、逃げずに戦って……


 私は真の勇者になる!!


 私は、そう覚悟を決め、愛のチョコイワシにかぶりついた。



 その日、一人の勇者が誕生し

 そして散って行った。




次回更新は一週間以内の予定です。


2018/02/15 消し忘れを削除、誤字脱字修正

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