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救国の聖女はスロットを打ちたい  作者: ムタムッタ
第5章 神に祈るな、己に祈れ

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第31話 革命と未来予知


 祈りとは、神に願うもの。


 神に祈り、人々の安寧を願った。

 戦士に祈り、無事に帰ることを願った。

 国に祈り、永遠の繁栄を願った。


 病を退け、苦しみを退け、民は平穏を手にした。

 戦士は傷つくことなく、常勝の存在になった。

 国は日々拡大し、やがて帝国に敵う者などいなくなった。


 聖女が神に祈れば、願望は叶った。

 だから誰も彼もが聖女を求めた。自分のために祈って欲しい、自分のために奇跡を起こして欲しい。自分のために、自分のために、自分のために。



 ……なら、私は?



「適当な役はいりません。最短で当たる一手よ、我が手に来たれ!」


 何でも良いわけじゃない。

 私は勝ちたい。


 結局のところ、私も普通の人間なのです。


 赤い果実でも緑の果実でも、引けば勝てるというのなら。常勝のために、勝利のために、私は……私自身に祈る。


 運命よ、私に味方をせよ……と。


「お、CZ通したじゃん」

「やりました!」


 今度こそ777(スリーセブン)が並び、勝利を確信しました。


「お、革命」

「もしかして、ま(・)だ(・)あるんですか?」

「おぅ、ボーナスで666枚吐き出させないと大当たりじゃない」

「えぇ〜っ⁉︎」

「大丈夫だろ、祈れ祈れ」


 いいですよ、私悪い子になってますから!

 鐘《ベル》の絵を願ってレバーを叩く。こちらの期待を煽るように、15枚の払い出しが画面に刻まれる。


 鐘が鳴るたびに、脳内に火花が散る。

 惨敗で傷ついた心を癒すように、奇跡が脳を弾けさせる。


「あァ────ッ!」


 見える。

 666枚のボーナスを超えて、ピロピロと不思議な音が私を迎える未来が。革命を起こす私の後ろ姿が────!


「お、おいルヴィ?」

「未来は、確定していますッ!」


 積み重なる出玉は、やがて666枚を突破する。数分前に見た景色が、私の目の前にある!


 勝った……私は、スマスロに勝ったんだ!

 そう思った時には、隣の人に飛びついていました。


「やった、やりました! やりましたよロマンさんっ!」

「お、おいおい⁉︎ テンション高すぎだろ⁉︎」

「はっ⁉︎」


 私ってば舞い上がってしまいました……!

 で、でも祈りの効果は絶大です。私の奇跡は今、運命を捻じ曲げたのです。


「大当たりです! で……ここからどうなるんです?」

「今までの大当たりとは全く異なる大当たり……ラッシュだ!」

「……らっしゅ?」


 疑問は尽きません……ですが安心です。なぜなら、手持ちのメダルが増える未来しか見えないからです。


 治癒と加護は得意でしたが、先が見えるなんて……やっぱりスロットは面白いです。


「本番はここからだぜ、大悪党さん」

「お任せください!」


 ルドヴィカ=ヴァレンティ、この世界で未来予知に目覚めたみたいです。


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