第17話 運も実力の内
──スロットには技術介入という要素が存在する。パチンコにもあるがそれはまたの機会に。
ルドヴィカにも話したが、
①特定の役を必ず成立させる。
②ボーナス成立時は最速で7を揃える。
③大当たり中、目押し(特定の絵柄を止める)する。
以上が介入要素の雑な説明。
①は言わずもがな、スイカやチェリーは1枚以上の払い出しがあるため、成立させないとその枚数分マイナスになるわけだ。
②も然り。台によっては当たっているけどすぐには教えてくれない機種もある。当たっているかどうかを察知するのも醍醐味らしいけどな。これは『女神の聖眼』でクリア。
③は────
「えーっと……音が鳴ったら真ん中のりーる? にお星さまみたいな絵を止めればいいんですね?」
「正確には青色の7をその下に止めるんだけどな」
「止まりました!」
「まじか」
俺も早めのボーナスに入って同じように狙うものの、リールは見事にズレて目押し失敗。これでは何の恩恵もない。
「あはは、止まって見えちゃうから楽勝です」
「そ、そう……」
①②③を完璧にこなす『フル攻略』をすることで、台によっては『負けない』……勝つことも可能なのだ!
胸中の解説とは裏腹に、またもや小役をこぼしてしまった。
「やっぱ止まんねぇや。どうやって打ってんの?」
「え? くるっと回ってくるからひょいって感じです!」
なるほどわからん。
回転するリールを追視しても止められる自信がない。なんで俺はこんな玄人台に座ってしまったんだッ!
すると隣から白い手が伸びた。
「えいっ」
「あ」
「こんな感じですよ」
無邪気なまま、ルドヴィカは俺の台を目押しして見せたのである。なんかいい匂いがしました。
「ね?」
「あんた、男全員にこういうことしてんのか?」
「うぇっ⁉︎ そ、そ、そんなわけないじゃないですか! 私は神に仕える者ですよ⁉︎」
正確無比な目押しをしながらそのセリフは説得力がない。なぜ3日目にしてこの少女はスロット打ちとして板についてきているのか。原因は……俺だったな。
「やった、また当たりですっ。なんだか台もピカピカしてきましたよ」
「あったまってきたってことか……」
激熱から外れたはずなのにとんでもない。
技術介入というスキルを会得したものの、ルドヴィカにとっては補助的なもんだな。目押しも必要なスキルだが……結局はヒキだ。
フル攻略で勝つ以前に、当たりを引き寄せる力が強すぎる。ボーナス終わってもうボーナスだぞ。
「運も実力の内と言いますが……」
強すぎる運は技術を凌駕するということで。
これ……激熱に乗っかったらマジですげぇことになるんじゃないか?
「ほらロマンさん、手が止まってますよ!」
「お、おう……」
ルドヴィカの気迫に押されて適当にリールを回すと、またまた見事に役をこぼした。
「あ」
「集中っ!」
「ひぃっ」
ルドヴィカさん……なんかキャラ変わってません?




