第7話 エルミナ先生
今日の任務は保護区内にいる催眠バードの調査である。
先輩と二人で車を走らせ催眠バードのいるエリアに向かう。
「アカメカンムリ鳥には近づかなくていいぞ。
あれは危険なやつだから。」
「たしか獲物に催眠術をかけるんですよね。それで無抵抗にさせて捕食するという狩りをするとか。」
「狩りというか催眠術は誰彼構わず使っているな。
二人とも催眠術にかかったらアウトだ。」
「結構強力なんですか。」
「催眠術の種類によるかな。
若い鳥だと視線を合わすだけで催眠術をかけてくる。
年老いたほうはやたらと力は使うわけじゃないが狩りモードに入ったら目と音で催眠術をかける。
音での催眠術は結構近くないとかからないが気が付いたころには手遅れだ。
しかもこれが群れでいるから1羽が気が付くとほかのやつらも加勢してくる。」
「怖いですね。どうやって観察写真を撮るんですか。」
「それは、、、これを使う」
そう言って先輩は助手席から望遠レンズを取り出した。
「いつもみたいにスマホではなくてカメラを使ってこの望遠を装着して撮れ。これなら安全に撮影できる。
気が付かれてもこの望遠レンズからの距離なら催眠術はかからない。」
「はい、気を付けます。」
私は鳥たちに気が付かれないように車の陰に隠れて三脚を組み立てていく。
三脚の上にカメラを取り付ける。
撮影後先輩と双眼鏡で鳥の数を数えて記録していく。
今日も記録業務を終えて事務所に戻った。
事務所でいつもの事務作業を行っていた。
明日の予定をチェックすると。
「明日は魔法学院の生徒さんがビジターセンターに来るってなっていますね。
5名の来訪予定か。」
「まじかー。俺あそこの生徒苦手なんだよな。お前に任せるわ。」
「明日は見回りもないですからいいですよ。
で何をすればいいんでしょうか。」
「最初に受付、それからビジターセンター内の案内だな。
それもすぐ終わるだろうからビジターセンターの外で散策しておけばいいよ。
遠くに行かないように注意しておけばいいかな。
もちろん車に乗っての保護区内の移動もダメ。
気を付けるのは魔法を使わせない事かな。
基本学院外での魔法は禁止されているはずだから使わんとは思うが。。。
学生なんで何を考えているかわからんから気を付けとけよ。」
「10代の子なら法律とか詳しくないだろうからそういうことしちゃうかもですね。」
私はわかりましたと頷いて明日の準備に取り掛かった。
翌日魔法学校の生徒5名がビジターセンターにやってきた。
引率の教師は1名だけだった。
エルミナ先生ではなかったのが残念だ。
引率の先生は私ことを知っているようで気さくに話しかけてきた。
「本日は魔獣保護官という仕事がどういうものか、魔獣保護区について理解を深めていってほしい。
興味がある人はバンバン質問してかまわん。」
そう言って先生は休憩してきますといって喫煙スペースに向かって歩き出した。
今日は社会見学の一環で生徒は複数の施設の中から行きたい施設を選択するらしい。
自分の時もあったなぁと懐かしい気持ちになった。
「みなさん、おはようございます。
本日みなさんの対応をさせてもらうマエダです。
よろしくお願いします。」
5名の生徒は小さい声ながらも挨拶してくれた。
ビジターセンターで受付を済ませ、施設の概要を説明しエントランスの空いたスペースで魔獣保護官の仕事について説明し、その後はセンター内にある保護区内の魔獣や一般動物のはく製や骨格標本を紹介した。
はく製や骨格標本のコーナーになるとどの学生も熱心に見て回っていた。雑談が多く私の説明は半分も聞いていないだろう。楽しそうにしているので注意もしなかった。
予定は午前中までとなっていたが予定していた説明も巡回もすべて終わってしまった。
ビジターセンターの外にある魔獣保護区に移動した。
5名とは言っても1人で見ているので魔獣がいるエリアには連れていけないがビジターセンターを出ると平原がどこまでも続いていて見晴らしがいい。ここで時間を潰すことにした。
「遠くに行かないでくださいね。
魔獣保護区内の散策は時間の都合上できないのでこの近くにいておいてください。
この辺りには魔獣や危険な動物はいないですが念のため気をつけておいてください。
あと魔法の使用は禁止されています。使わないでください。」
注意事項を一通り聞いた生徒たちは無言で頷いていた。
私は生徒たちから離れてビジターセンターの壁にもたれかかり日向ぼっこをしていた。
天気がよく太陽光が心地よい。
すると1人の女子生徒が近づいてきた。
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