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異世界に転移したので今度は魔獣保護官として生きていく  作者: オツタロ
1章 新生活

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第4話 休日

週末の休日。

こちらの休日の過ごし方も元の世界での過ごし方と変わらない。

とは言っても以前は休日も出勤していたのでこちらに来てから休日に気ままに過ごすことができるというのが新鮮だった。


今は魔法学院の教師寮に住んでいる。

部屋は1Kの間取りで広くはないが一人暮らしならば困る狭さでもない。

最初の給料をもらった際に生活に必要なものを一通り揃えた。

それまではゴリラ獣人である社長からお金を渡されていた。

無言で渡されたのでてっきり給料の前借かと思っていたが給料日お金は税金社会保険料が引かれた分だけが支給されていた。

恐る恐る社長に聞いたところ

「転移者として法的手続きをすると政府から生活資金の支給がある。」

と回答があった。

生活保護のようなものだと言われた。

私は社長の会社にそのまま就職したので一時金だけの支給で終わったようだ。

至れり尽くせりで感謝のほかない。


今までの休日は仕事の勉強を中心に過ごしてきた。

今日は街に出てみようと思う。

教師寮を出て正門の脇にある小さな扉を開けて道路に出た。

魔獣保護区そのものはこの魔法王国内では田舎にあるが田園風景ばかりが広がっているわけではない。

道路を隔てて住宅街がありその向こうには複合商業施設のショッピングモールがある。

歩いて行ける距離にあるのは生活に便利で助かった。

以前の自分が住んでいた町よりも住みやすいと感じている。


ショッピングモールに到着すると老若男女多くの人がいる、半分は人ではなく獣人であった。

この世界では獣人も人として平等に扱われている。

昔の大戦の際に人と獣人は協力して魔法使いと戦ったらしい。

その際に獣人への差別もなくなったという。

獣人を人と区別して不当に扱うことは法律で禁止されている。


施設には家族連れやカップルのデートが多く独り身にはきつい環境だった。

このあたりも元の世界と変わりない。

私は施設内の本屋に行きこの国の歴史の本を手に取った。

元の世界に戻れるかどうかはわからないが今いるこの世界について勉強しておきたいと思った。

喫茶店に入りコーヒーを頼み本を開いた。


魔法王国は大陸の端にあり山々を隔てて他国と国境がわかれている。

大昔にあったという魔法帝国時代、ここは誰にも注目もされなかった土地で未開の地であった。

旧帝国の首都は今は別の国の都市になっている。

大戦から生き残った魔法使いはこの地に逃れ抗戦を続けた結果人間と和平を結ぶことができた。

そしてこの地に貴族である魔法使いを王とする国を建国した。

そして世界に散り散りになっていた同胞がこの地に集まったというわけだ。

和平を結んだとは言ってもほぼほぼ敗者に近い状態であった為内政を干渉されていて法律で魔法は使用禁止され許可なく魔法を使うことが罪になる時代が長く続いた。

現代では魔法は生活上使わないというのがこの国での常識となっている。

人口の比率も非魔法使いがほとんどを占めるようになり魔法使いそのものが珍しい存在になっている。

 王国と名前がついているが王族に政治的な実権はなく象徴としての存在であることが法律で明記されている。

 一通り本を読み終えコーヒーを一口啜る。

 政治の在り方まで元の世界と似ている。

民主主義で議員による二院制で法治国家。

獣人の存在がなければ本当に異世界に来たと言うことを忘れてしまいそうだった。


 瞼を閉じて集中してみる。

 私がこの世界で得た魔法、検知魔法を使ってみる。

 体表面から波動のようなものが放出される感覚がある。

 ここでは何の反応もしない。

 保護区内であれば魔獣を検知できレーダーの光の点のような絵がイメージとして見えるのだが街中には魔獣はいないようだ。

 魔法使いにも反応しないので魔獣限定の魔法、もとい能力なのだろうか。

 この世界での魔法使いは努力によってなれるものではないらしい。

体の構造が一般人と魔法使いでは異なるという。

すなわち両親のどちらかが魔法使いでなければ魔法は使えない。

片方のみが魔法使いの場合はその子供は能力が発現しないこともあるという。

 これが魔法使いの数が極端に少ない理由なのだろう。


ならばなぜ私は魔法が使えるのだろうか。

この世界について学ぶほど自分が魔法使いであることに違和感がある。

元々魔法使いの肉体をしていたが元の世界には魔法がなかったので能力を使う機会がなかったのだろうか。

もしかして元の世界にも太古には魔法があったのだろうかと考えていた。



最後まで読んでいただきありがとうございます!


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