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エピソード81 隊列に空いた場所

翌日の夜明け。


ラリオンの南門近くにある衛兵詰め所の壁には、四つの掛け鉤が並んでいた。


隊商が出発する前、護衛に選ばれた四人の衛兵は、装備の一部をそこに掛けていた。


今、使われているのは三つだけだった。


四つ目の掛け鉤からは、昨日のうちにアルテン・ヴェイスの持ち物が外されていた。


家族へ渡すため、別に保管されている。


リレン・コルは、空いた掛け鉤の前で足を止めた。


昨日、アルテンの持ち物をまとめるのを自分も手伝った。


それなのに今は、まだ何か残っているかもしれないというように壁を見つめていた。


入口では、メヴラン・ケルスが盾の革紐を直していた。


勤務表へ顔を傾けると、黒い髪に混じる銀色の一筋が揺れた。


「俺たち四人のうち、今は三人か」


「見れば分かる」


リレンは自分の肩帯を引いた。


革紐が手首の細い古傷を擦った。


「なのに、掛け鉤はまだ四つある」


メヴランは壁を見た。


「一つ外すか?」


「やめてくれ」


メヴランは頷いた。


それ以上、冗談は言わなかった。


扉の右側にある上屋の下では、ナルヴェイド・テスが長椅子に座り、靴を履こうとしていた。


包帯を巻かれた太腿のせいで、うまく身体をかがめられない。


前へ手を伸ばす。


たちまち顔をしかめた。


そして両手を座面の端についた。


メヴランが近づいた。


「手伝おうか?」


「靴くらい自分で履ける」


「今のところ、そうは見えないな」


「俺は袋みたいに運ばれなくてもいいんだ」


「俺だって、またお前を治療師のところまで運びたくはない」


詰め所からレイア・ノルスが出てきた。


濃い栗色がかった金髪を簡素な頭巾に隠している。


手には包帯用の清潔な布を持っていた。


「昨日、必要もないのに立ち上がらないよう言ったはずよ」


ナルヴェイドは長椅子にもたれた。


「勤務に戻らないと」


「勤務は待ってくれるわ」


彼女は負傷した脚のそばにしゃがんだ。


「でも傷は、また開くかもしれない」


慎重に包帯を確認する。


ナルヴェイドは歯を食いしばった。


「じゃあ、俺はもう何もするなってことか?」


レイアは彼を見た。


「座ったままで装備の一覧を確認するくらいならできるわ」


「それだけ?」


「まずはね」


彼女は靴を少し遠くへ押しやった。


「巡回は禁止。走るのも禁止。それから、脚がもう治ったと私に証明しようとするのも禁止」


メヴランが床から空の杯を拾った。


「おめでとう、長椅子隊長」


ナルヴェイドが顔を向ける。


「なら、水を持ってこい。盾隊長」


メヴランは扉のそばの水桶へ向かった。


リレンが笑った。


ほんの一瞬だけ。


ランゼは内庭からやってきた。


手には丸めた勤務表を持っている。


兜はかぶっていなかった。


盾はすでに背中に掛けていた。


彼はナルヴェイドと入口の衛兵二人、それから長椅子の上にある新しい包帯を見た。


「ナルヴェイドは今日、門に立たせない」


ナルヴェイドが口を開いた。


ランゼは振り向きもしなかった。


「反論したいのは分かってる」


レイアが首を振った。


「それなら、もう私が答えたわ」


ランゼは勤務表を広げた。


「メヴランは昼までここに残れ」


「リレン、俺と交易場を回ってから持ち場に戻れ」


リレンは背筋を伸ばした。


「街道まで行けます」


「分かってる」


ランゼは彼を見た。


「だからこそ、行かせない」


リレンは眉を寄せたが、言い返さなかった。


ランゼは勤務表を脇に置き、懐から昨日の帰還記録を取り出した。


隊商が帰還したという記載の横には、アルテンの名前があった。


リレンは長い間、その文字を見つめた。


「家族のところへ行ったんですか?」


「昨日の夕方にな」


「俺たちのことは聞かれましたか?」


ランゼは首を振った。


「いや」


リレンは目を伏せた。


「俺はあの時、一台目の横にいました」


ランゼは遮らなかった。


「アルテンに矢が当たったところは、見ていなかったんです。そのあと、ヴァルンから手綱を引き取りました」


リレンは肩帯を強く握った。


「なのに記録は、誰かが一秒残らず見ていたみたいに、きれいに並んでいる」


「書いてあるのは、俺たちが確認できたことだ」


ランゼは記録の端に触れた。


「それ以上じゃない」


リレンはしばらく黙った。


「もっと近くにいられたかもしれません」


ランゼは彼を見た。


「お前は馬を押さえていた」


「分かってます」


「馬が暴れていたら、負傷者を運び出せなかったかもしれない」


リレンは答えなかった。


自分のしたことは間違っていなかった。


その言葉なら、もう何度も聞いている。


だが、何も変わらなかった。


「楽にはなりません」


ようやく、そう言った。


「ああ」


ランゼは記録を巻いた。


「だが、それが実際に起きたことだ」


「今、お前が頭の中で思い描いていることとは違う」


リレンはゆっくり頷いた。


それから空いた掛け鉤を見た。


「アルテンの持ち物は、どうするんですか?」


「家族がどう受け取りたいか決めたら、渡す」


ランゼは勤務表も巻き、二つをしまった。


「今日、急がせるつもりはない」


背後では、ナルヴェイドがまた靴へ手を伸ばしていた。


レイアが小さく舌を鳴らした。


彼は手を引っ込めた。


ランゼは見逃さなかった。


「それと、もう一つ」


全員が彼を見た。


「今日は新しい勤務表を一つ作るだけで十分だ」


ナルヴェイドに顎を向ける。


「意地を張って、傷を悪化させる必要はない」


水の杯を持ったメヴランが近づいた。


「聞いたか、長椅子隊長?」


「水を置いて、自分の盾でも指揮してこい」


メヴランは杯を置いた。


空いた掛け鉤には、結局何も掛けられなかった。


*


少し後。


交易場の端の上屋の下では、テヴラ・ガンが帰還した二台のうち、二台目の荷車を調べていた。


背が低く、がっしりとした体格のダークエルフの女だった。


短く編んだ黒髪を作業着の襟の中へ収めている。


袖には木屑と古い油染みが残っていた。


荷車は点検のため、上屋の奥から引き出したばかりだった。


オリヤは荷車の前で馬の手綱を持っていた。


ヴァルンは反対側に立っている。


テヴラは馬を見た。


「まず馬を外して」


オリヤが眉を上げた。


「まだ動かしてもいないけど?」


「それなら、なおさらいい」


テヴラは前方の梁を叩いた。


「私が下にいる時、急に馬が荷車を引っ張ったら困るからね」


ヴァルンは馬を外し、近くの繋ぎ場へ連れていった。


テヴラは前方の梁の下に木の支えを置いた。


それから、荷を下ろした荷台の縁をオリヤにゆっくり押すよう指示した。


荷台の前方の下から乾いた音がした。


オリヤの動きが止まった。


「今の、まずい音?」


「まだ手を離さないで」


テヴラは左の車輪のそばにしゃがんだ。


金具を指でなぞる。


そして、繋ぎ場から戻ったヴァルンに示した。


「ここ」


「一つ、留め金が緩んでる」


彼にももう一つが見えるよう、角度を変えた。


「こっちは曲がってる」


ヴァルンも隣に膝をついた。


「でも、これで帰ってこられたぞ」


「帰ってこられたね」


テヴラが彼を見上げた。


「だからって、もう一度往復できるとは限らない」


彼女はオリヤに荷台から手を離すよう言った。


梁がわずかに元の位置へ戻った。


「荷物を積んだら、前がもっと下がる」


テヴラは留め金を叩いた。


「平らな道でも、揺れるたびに軋むようになる」


「橋の手前で荷台が沈み込んだら、引き返すこともできなくなる」


オリヤは、橋の手前を塞いでいた手押し車を思い出した。


そして、矢の下から退かせることができなかった二台目の荷車を。


「どれくらいかかる?」


「まず、まともな留め金が二つ」


「新しい鋲」


「それから車軸全体の点検」


「時間の話は、そのあと」


ヴァルンは緩んだ金具を見た。


「留め金の在庫はないのか?」


「使えるのが一つだけある」


テヴラは立ち上がった。


「でも、それはあんたたちが帰ってくる前から、水車場に渡す約束をしてる」


「この荷車には二つ必要なんだ」


背後の作業台には、製作途中の水車機構の羽根が置かれていた。


扉のそばには、車輪の修理を待つ別の手押し車もあった。


ヴァルンは隣の一台目を見た。


「なら、あっちから金具を外せば?」


テヴラはヴァルンを見た。


それから一台目の荷車を。


「寸法が合って、傷んでいなければ使える。ただし、外した方は出せなくなるよ」


彼女は作業着の端で手を拭った。


「それに、一台目だってまだ点検してない」


オリヤは車輪の縁を手でなぞった。


「やっと帰ってきたのに、もう動けないのね」


「ここで止まってる方がいいよ」


テヴラは木炭を取った。


「街道の真ん中で止まるよりはね」


彼女は荷車の前方の下に、目立つ黒い十字印を描いた。


木の札にも文字を書いた。


『積載禁止』


そして荷台の側面にしっかり結びつけた。


「今日はこの荷車、どこにも出さない」


オリヤは札を見た。


「空でも?」


「空のまま出してどうするの?」


「その札を見なくて済むように」


テヴラが短く鼻を鳴らした。


「なら、一台目を見てればいい」


彼女は作業台へ向かった。


オリヤは扉のそばの手押し車に気づいた。


「そっちはもうすぐ返すの?」


「持ち主はあんたたちより長く待ってる」


テヴラは作りかけの部品を手に取った。


「毎日、いつ終わるのかって聞いてくるよ」


オリヤは荷車から離れた。


*


交易場の裏手にある小さな工房では、メイラ・スロットが革の帯を机に並べていた。


冷たい色合いの肌を持つダークエルフの女で、灰色の髪を短く切っていた。


頬骨のあたりには細い暗色の筋が浮かんでいる。


彼女は手首の革紐をきつく締め直した。


それから次の革を測った。


扉のそばには二足の靴が置かれていた。


釘には、町の運搬用手押し車から外された古い荷締め用の革紐が掛かっている。


どれも隊商が帰ってくる前から、彼女の手を待っていた仕事だった。


メイラは縫いかけの靴を手に取った。


サルマが入口で足を止めた。


隣にはランゼが立っていた。


「テヴラから、荷締め用の革紐も扱ってると聞いたんだけど」


サルマは交易場の方を示した。


「二台目の荷車に新しい革紐が必要なの」


「作ることはできる」


メイラは靴を置かなかった。


「でも、先に待ってる客が二組いる」


ランゼは古い革紐を見た。


「それは倉庫のか?」


「町の運搬用手押し車のもの」


彼女は擦り切れた革を指でなぞった。


「これがなくても、空のままなら動かせる」


「でも袋を運ぶ時は、人が手で抱えなきゃならない」


ランゼが頷いた。


「衛兵もあの手押し車を使ってる」


「なら、交易用のためにこっちを後回しにしなかった理由も分かるでしょう」


メイラはようやく靴を置いた。


そして、残っている良質な革を二人の前へ押し出した。


「あるのはこれだけ」


「全部交易用に切ったら、町の手押し車の分がなくなる」


サルマは材料を注意深く調べた。


「つまり、今は両方の注文を終わらせられないのね」


「できない」


メイラは革を畳んだ。


「明日になれば勝手に机の上に増えてる、なんて約束もするつもりはないよ」


サルマは手袋を外した。


並べられた材料には触れず、扉の枠に手をつく。


「支払いを決めるまでは、新しい注文を始めてほしいとは言わない」


メイラが彼女を見た。


「じゃあ、先の注文は?」


「それも覚えてる」


「覚えてるだけじゃ足りない」


メイラは倉庫用の革紐を手に取った。


「みんな、またちゃんと袋を運べるようになるのを待ってるんだ」


「私はもう、その仕事を引き受けてる」


彼女は革紐を元に戻した。


「そこへ今度はあんたたちが来て、別の仕事の方が急ぎだって言う」


ランゼが腕を組んだ。


「交易用の荷車も町には必要だ」


「それは否定してない」


メイラは彼の目をまっすぐ見た。


「じゃあ、どうして片方の住民だけ、もう片方より長く待たなきゃならないの?」


ランゼはすぐには答えなかった。


サルマは革を見た。


「まず、実際にいくら使えるのか確認する」


メイラが眉を上げた。


「売上があったんでしょう?」


「あった」


「お金は?」


「一部は襲撃者に奪われた」


サルマは外した手袋を腰へ戻した。


「もう手元にない金で、あなたの仕事に支払うわけにはいかない」


メイラが頷いた。


「それなら分かる」


彼女は置いていた靴を手に取った。


「じゃあ、決まってからまた来て」


「先に頼んだ客たちだって、実際にいるんだから」


ショーンゴが門の方からやってきた時、サルマとランゼはまだ工房の前に立っていた。


彼は古い革紐と、切り分けられた革、二足の靴を見た。


メイラは作業を止めなかった。


「何があった?」


ショーンゴが尋ねた。


サルマが答えた。


「二つの注文をこなすには、材料が足りないの」


ショーンゴは革を見た。


それから古い革紐を。


「今ある分で、何ができる?」


メイラは針を置いた。


「町の手押し車、一台分」


「全部交易用に回したら?」


「町の方は新しい革紐なしになる」


彼女は古い荷締め用の革紐を示した。


「それに、先の約束を破ることになる」


ショーンゴはランゼへ向き直った。


「衛兵もあの手押し車を使ってるのか?」


「ああ」


「倉庫も使う」


ランゼは交易場の方を見た。


「袋や水を、槍だけで運ぶわけにはいかないからな」


サルマがショーンゴを見た。


「でも交易用を後回しにすれば、次の出発も遅れる」


「分かってる」


「テヴラが留め金を見つけたとしても、革紐がなければ出せないわ」


ショーンゴはしばらく古い荷締め用の革紐を見つめた。


それからメイラを見る。


「町の手押し車には、今ある材料で全部足りるのか?」


「足りる」


「もう作業は始めてる?」


「始めてるよ」


ショーンゴが頷いた。


「なら、そっちを先に終わらせてくれ」


サルマがゆっくり息を吐いた。


「つまり、交易用は待たせるのね」


「そうだ」


ショーンゴはランゼを見た。


「町には、今あの手押し車が必要だ」


「それに、街道の護衛をどうするか決まるまで、次の隊商を出すつもりもない」


ランゼが頷いた。


メイラは古い革紐を手に取った。


「分かった」


彼女は少し持ち上げて、擦り切れた場所を示した。


「ただし、この仕事の代金を誰が払うのか、まだ答えてもらってないよ」


「注文書を持ってくるわ。前金の額も、それまでに確認する」


サルマが答えた。


「使える資金を照合したらすぐに」


メイラは革紐を戻した。


「なら、それを持ってきてから続きをやる」


ちょうどオリヤが上屋の方から戻ってきた。


会話の最後が聞こえたらしい。


「で、また売りに行きたがってる人たちには、誰が遅れる理由を説明するの?」


ショーンゴが振り向いた。


オリヤは入口で足を止めた。


「みんな私を見るのよ。まるで木に壊れるなって命令できるみたいに」


「聞かれたら俺が答える」


ショーンゴが言った。


「俺が決めたことだ」


オリヤは彼を見た。


「分かった」


それからランゼへ目を向ける。


「それに、荷車の点検すら終わってないのに、また誰かをあの道へ連れていくのは嫌よ」


ランゼが頷いた。


「連れていかなくていい」


オリヤは手首をさすった。


「今度こそ、みんな覚えていてくれるといいけど」


ショーンゴは何も言い返さなかった。


メイラは靴の作業へ戻った。


扉の外では、サルマがすでに記録を見直していた。


だが、ショーンゴが決めたからといって、机の上の革が増えたわけではなかった。


*


正午。


交易場の端の上屋の下には、黒い印と札をつけた二台目の荷車が置かれていた。


一台目も隣にある。


そちらの点検も、まだ終わっていなかった。


リレンはランゼとともに詰め所へ戻った。


入口では、メヴランが空になった杯に水を足し、ナルヴェイドのそばへ置き直していた。


それから盾の革紐を直す。


リレンは交易場の方を見た。


「交易用の荷車も、今日は隊列に加われないんですね」


メヴランは空いた掛け鉤へ目を向けた。


「荷車なら、留め金を交換できる」


少し黙った。


「人間は、そうはいかない」


リレンはすぐには返す言葉が見つからなかった。


ランゼは入口のそばに新しい勤務表を置いた。


「明日は配置が変わる」


彼は三人の衛兵を見た。


「だからといって、四人目が最初からいなかったことにする必要はない」


ナルヴェイドは長椅子に座っていた。


隣には装備の一覧がある。


すでにいくつかの場所に印がついていた。


メヴランはその紙を見た。


「長椅子隊長、何か見つけたか?」


「お前の盾の革紐が擦り切れてる」


メヴランは反射的に肩を見た。


ナルヴェイドが、その日初めて笑った。


「言っただろ。俺にも仕事はあるって」


リレンも笑った。


だが、壁の前を通る時、また四つ目の掛け鉤を見た。


ランゼはそこに触れなかった。


交易場の方では、テヴラが別の手押し車の作業に取りかかっていた。


工房では、メイラが靴の修理を続けている。


サルマは町の手押し車の革紐に、実際いくら回せるかを確認していた。


ラリオンの仕事が止まったわけではない。


それでも、その日、二台の交易用荷車はどちらも門へ向かわなかった。


*


同じ日。


ヴェルシャインの国境交易場では、空の樽を載せた荷車が西の貯水槽へ近づいていた。


備蓄を管理する作業員が一覧を見た。


そして首を振る。


「道中用の水は、今日の分がもう割り当て済みだ」


御者は樽を見た。


「全部か?」


「今、出せる分はな」


作業員は一覧の行を示した。


「お前の前にも二人待ってる」


御者はため息をついた。


馬たちを振り返る。


一頭は足踏みをしていた。


もう一頭は頭を下げたまま立っている。


「明日には何とかなるか?」


作業員は一覧を机に置いた。


「次の分が届いたら、その時に答える」


御者はもう一度、空の樽を見た。


言い争おうとはしなかった。


道中で馬に飲ませる水もないまま、長い街道へ出るつもりはなかった。


彼は馬たちを日陰へ連れていった。


その後ろから、別の隊商が交易場へ入ってきた。


その隊商も待たされることになった。


交易場の井戸は、依然として閉鎖されたままだった。


石板の下で見つかった古い排水路も、水が変質した理由を説明してはいなかった。


樽の周りでは、また声が上がった。


自分を先に通せと要求する者。


朝からずっと待っていると答える者。


作業員は再び一覧へ目を戻した。


ラリオンでは、修理を待っていた。


ここでは、水を待っていた。


そして、その二つをつなぐ道は、今も消えずにそこにあった。

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