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エピソード66 旗なき塩

翌朝、南の街道に旗はなかった。


四台の荷車が、二つの低い丘のあいだに一列で止まっていた。


一台目には灰色の布、二台目の側板には白い塩の粉。


三台目には縄で留めた穀物袋が積まれ、最も小さい四台目には木箱の隙間に布が詰められていた。


一台目の荷車のそばには、深緑の外套をまとった背の高い男が立っていた。


左手には手袋を持っていた。


むき出しの指には、朝の光が時折、鱗を思わせる細い模様を浮かび上がらせていた。


四台目の荷車の後輪のそばには、白い髪の若い女が座っていた。


二本のスポークのあいだに走る亀裂を見ていた。


「まだ持つわ」


背の高い男は振り返らなかった。


「門までか?」


「道が平らなら」


「平らでなければ?」


女は指先で木をなぞった。


車輪が小さく軋んだ。


「その時は、少し早く分かるだけよ」


背の高い男は、ようやく彼女を見た。


「運んでいるのは商品だ。見世物じゃない」


「商品は本物よ」


女は立ち上がった。


白い髪の下、こめかみで小さな淡い鱗が一瞬だけ光った。


すぐに髪が再びそれを隠した。


「塩も穀物も、薬もね」


「買えば、払った代金に見合う品を、きちんと受け取れる」


「俺たちは?」


女は、朝の煙が立ち始めた遠い城壁を見た。


「私たちは答えをもらう」


「何の?」


女は指を一本ずつ折り始めた。


「見知らぬ隊商に、誰が最初に出てくるか」


二本目。


「誰が商品を数えるか」


三本目。


「何を中へ入れるか、誰が決めるか」


四本目。


「穀物と塩を見た時、門のそばに何人集まるか」


五本目。


「それから、今の町が必要としているものを見た時、ショーンゴ自身が来るかどうか」


背の高い男は、ゆっくりと片方の手袋をはめた。


「最後の質問は口に出すな」


「そのつもりはないわ」


「ヴェルシャインの名も出すな」


女はわずかに笑った。


「私たちは商人よ」


「今日はな」


男はもう片方の手袋もはめた。


四台目の荷車を見た。


「門へ着く前に車輪を替えろ」


女は、もう一度亀裂を見た。


「間に合えばね」


背の高い男の視線には、明確な警告があった。


女は両手を上げた。


「分かった」


「見世物はなしだ」


数分後、荷車は再び動き始めた。


最後まで、どの荷車にも旗は掲げられなかった。



ラリオンでは、ケルトが住民が持ち込む小さな紙切れを嫌い始めていた。


机の端に十五枚、床に三枚。


一枚はインク壺の下、もう一枚はミルサのカップの下にあった。


ケルトがカップの下の一枚を慎重に引き抜いた。


「これ、質問ですよ」


ミルサは濡れた輪を見た。


「これでこの紙も、水が何か分かっただろうね」


向かいでは、エンナが無事な手で紙切れを三つの山に分けていた。


包帯を巻いた掌は机の端に置かれていた。


「左は要求、右はすでに出た質問の繰り返し。中央は実際に捕虜へ聞けるものです」


中央には四枚あった。


残る一枚をエンナが読んだ。


『名を名乗りたくないのなら、具体的に何を恐れている?』


「これは残します」


中央へ置くと、ケルトが印を付けた。


「二十枚中、五枚」


窓の外で鐘が一度鳴った。


二度目でケルトのペンが止まり、三度目はなかった。


「南門です」


エンナが立ち上がった。


「ただの荷車かもしれません」


ミルサはもう扉へ向かっていた。


「この一週間で、『ただの』って言葉は信用しなくなったよ」


エンナも続いた。


「ケルト、続けて」


「どうして僕だけ紙と留守番なんですか?」


「紙はあなたから逃げませんから」


ケルトは目の前の紙切れを見た。


「逃げようと努力はしてますけどね」



南門へ最初に来たのは、ショーンゴでもサルマでもなく、ランゼだった。


盾は背中に掛けていた。


手には武器を持っていなかった。


セイガは城壁の上から、荷車ではなく背後の道を見ていた。


荷車は四台、牽引獣は七頭、人間は九人。


旗も紋章も、目立つ軍用武器もない。


ランゼは門のアーチの下で止まった。


「それ以上進むな」


四台は順に止まった。


三台目だけが、二台目へぶつかりかけた。


深緑の外套をまとった背の高い男が、一台目の横から落ち着いて前へ出た。


両手は見える位置にあった。


「許可なく入るつもりはありません」


ランゼは荷車を見た。


「何者だ?」


「商人です」


「どこから来た?」


「南から」


「それは地名じゃない」


「『商人』も名前ではありません」


ランゼは少し長く男を見た。


背の高い男は笑いも挑発もせず、聞かれた以上のことは答えなかった。


上からセイガが言った。


「後ろの道は空いている」


背の高い男は一瞬だけ目を上げた。


セイガを見るには十分だった。


「よく見ていますね」


「だからまだ生きている」


ランゼは手を上げた。


「何を運んでいる?」


男は四台を順に示した。


「布、塩、穀物。四台目は薬、乾燥薬草、酒精を使った薬液、包帯用の布」


「薬」という言葉に、門の内側で二人が足を止めた。


ラリオンでは今も、噂の方が荷車より速く走っていた。


「値段は?」


「贈り物ではありません」


背の高い男はすぐに答えた。


「商品の通常価格に、ここまでの道賃を加えます」


「お前たちの通常価格を、俺は知らない」


「だから、こちらの言い値だけで買えとは言っていません」


ランゼはわずかに首を傾けた。


「安い」と言われるより、その答えの方が気に入った。



内側の通りからサルマがやってきた。


その後ろにはラデム。


老いた勘定係は、すでに記録板を持っていた。


背の高い男は、すぐにその板へ気づいた。


誰が数えるのか。


質問の一つには、もう答えが出た。


サルマはランゼの右側で止まった。


「書類を」


男は内ポケットから折り畳まれた紙を取り出した。


国家の印章はない。


下端には三つの商業印があった。


「出発地がない」


「経路はあります」


「経路は国ではない」


「国を売りに来たわけではありません」


サルマは目を上げた。


「今のところ、あなたたちはまだ何も売っていない」


「もっともです」


ラデムはすでに車輪を見ていた。


次に縄。


次に袋の積み方と高さ。


顔ではない。


「穀物はどれだけある?」


「二十四袋」


「重さは?」


「同じではありません」


ラデムは初めて男を見た。


「なら、二十四という数には意味がない」


「だから秤も持ってきました」


一台目の反対側から、一人の商人が折り畳み式の秤を取り出した。


ラデムはただ頷いた。


サルマは四台目へ向き直った。


「薬から先に開ける」


背の高い男は反対しなかった。



白い髪の若い女が、小さな鍵を手に荷車から降りた。


「私が開ける」


「治療師?」


「違うわ」


「なら、なぜ鍵を持っているの?」


「盗まれやすいものを数える役だから」


門へ来たミルサが鼻を鳴らした。


「やっと普通の答えが出たね」


白い髪の女は、彼女の袖についた小麦粉を見た。


「パン職人?」


「今度は職業まで数えてるのかい?」


「癖なの」


「悪い癖だ」


白い髪の女は一瞬だけ口元を上げ、木箱の錠へ鍵を差し込んだ。


鍵が回りきるより先に、車輪が割れた。


短く乾いた音とともに荷車が右へ傾き、牽引獣の一頭が跳ねた。


轅が横へ振れた。


薬の木箱が荷台の端へ滑った。


「下がれ!」


ランゼは集まり始めた人々へ叫び、二歩踏み込んで木箱の落下を肩で止めた。


別の商人が縄を掴んだ。


ラデムは跳び退き、サルマはミルサの袖を掴んで後ろへ引いた。


白い髪の女は両手で蓋を押さえた。


だが小さな木箱が一つ滑り落ち、石にぶつかって蓋が飛んだ。


小さな包みがいくつもこぼれ出た。


二本の暗色の瓶が溝の方へ転がった。


ミルサはサルマの手から袖を引き抜いた。


「私はガラスじゃないよ」


前へ駆け、一本を手で受け止めた。


もう一本はラデムが長靴で止めた。


ミルサとラデムが拾った二本の瓶は、割れていないことを確かめてから小箱へ戻された。



セイガはすでに城壁から下りていた。


木箱には向かわず、壊れた車輪の前にしゃがみ込んだ。


亀裂を指でなぞった。


白い髪の女は表情を変えずに見ていた。


セイガが目を上げた。


「亀裂は前から入っていたな」


「そうよ」


ランゼはまだ木箱の端を支えていた。


「それでも走ってきたのか?」


「ここから半マイルほど手前にある古い境界石のところで替える予定でした」


「間に合わなかったの」


セイガは彼女を見た。


「どれだけ持つか分かっていたのか?」


「おおよそは」


「その『おおよそ』で、ちょうど俺たちの門まで持たせたわけか」


女は答えなかった。


背の高い男が彼女へ向けた視線は、朝より冷たかった。


女は車輪へ目を落とした。


「私の判断ミスよ」


セイガは輪縁の下へ指を滑らせた。


指先には、ほとんど見えないほど細い金色の繊維が引っかかった。


セイガはそれを引き抜いた。


糸そのものが光っているわけではない。


ただ光を拾っていた。


ランゼとラデムの視線が、一瞬だけ木箱から外れた。


サルマは二人の顔を見た。


「何?」


セイガは糸を高く掲げなかった。


「今はまだ何でもない」


布切れに包み、しまい込んだ。


背の高い男も白い髪の女も、何を見つけたのか尋ねなかった。


セイガが記憶に留めたのは、まさにその反応だった。


確認を終えると、城壁の上へ戻った。



壊れた荷車は町へ入れられず、道の真ん中にも放置されなかった。


ランゼは門の右側、城壁の上から見下ろせる位置へ移動させるよう命じた。


ラデムが木製の台を二つ運び、商人たちは車軸を上げた。


商人の一人が、一台目の荷台の下から予備の車輪を下ろした。


壊れた車輪は外され、予備の車輪がその脇へ置かれた。


検査が終わるまで、サルマは荷をそれ以上運ばせなかった。


質問の整理を終えて門へ来たケルトは、四台の荷車を恨めしそうに見た。


まるで、荷車の方から彼の仕事を増やしに来たようだった。


「何を書けばいいんですか?」


サルマは開いた木箱から目を逸らさなかった。


「見えているものを」


ケルトは壊れた車輪、塩、穀物、人々を見た。


「もう少し見えないことにしてもいいですか?」


エンナが後ろからやってきた。


「駄目です」


深緑の外套を着た背の高い男が、白い髪の女へ小さく言った。


「あの二人だ」


女はかすかに頷いた。


エンナは小声のやり取りに気づいたが、言葉までは聞き取れなかった。


「何か言いました?」


「この町は書記が多いな、と」


ケルトが顔を上げた。


「違います。少ないです」


エンナはケルトを指した。


「一人で三人分くらい文句を言う人がいるだけです」


ミルサが最初に笑った。



検査はほぼ一時間続いた。


布は布で、隠し袋も刃物もなかった。


塩は塩だった。


ラデムは一袋の口を開き、ひとつまみを指のあいだで擦ってから舐めた。


穀物は乾いており、腐敗もカビの臭いもなかった。


一袋から石が見つかった。


ラデムが別に置くと、背の高い男は青ざめた御者を見た。


「石の重さは代金から引け」


「袋の重量からもだ」


「もちろん」


「なら続けよう」


四台目の開かれた木箱には、約束されたものが入っていた。


包帯、乾燥薬草、小さな薬瓶、刺激臭のある黒い軟膏。


熱を下げる粉薬が数包、傷を縫う糸、強い酒精の瓶が二本。


サルマは中身を見渡した。


「残りの中身を見分けられる者は?」


門のそばにいる者の中には、運ばれてきた薬草や調合物をすべて確実に見分けられる者はいなかった。


白い髪の女は笑わずにそれを覚え、サルマもその視線を見逃さなかった。


サルマは、まだ開けていない木箱の一つを示した。


「これは、見分けられる者が確認するまで閉じたままにする」


「そちらの警備下へ置いて構いません」


「今日の取引には含めない」


「含めません」


「こちらが断った場合は?」


「次の隊商が来た時に回収します」


「錠は、そちらのものをそのまま使う。その上から、こちらの確認用の縄を掛ける」


「公平です」


木箱は町の倉庫ではなく、南門脇の警備室へ運ばれた。


錠には触れず、鍵は白い髪の女が持ったままにした。


サルマは二つの取っ手の上から、複雑な結び方で縄を締めた。


ケルトは記録の横に、その結び目の形を描いた。


確認は、薬を見分けられる者と隊商の鍵がそろった時に行うことになった。


「いつ確認するのか聞かないの?」


サルマが尋ねた。


「それはあなたたちのリスクでしょう」


「あなたのリスクは?」


白い髪の女は鍵に触れた。


「売れないこと」


「それだけ?」


今度の沈黙は、少し長かった。


「今日はね」


サルマはそれも覚えた。



ショーンゴが来たのは、主な検査がほとんど終わった頃だった。


背の高い男は、ショーンゴが通りの端に現れた時点で見つけていた。


服装で見分けたわけではない。


護衛がついていたわけでもない。


人々が逃げずに、彼の通る場所だけを空けたからだ。


白い髪の女はそれを見て、男へ目をやった。


彼らの質問の一つには、もう答えが出ていた。


ショーンゴは外された車輪のそばで止まった。


木製の支え、予備の車輪、開けられた塩の袋、ラデムの記録板、紙を持つケルトを見た。


サルマ、ランゼ、そして城壁の上のセイガへ目を向けた。


その後で、ようやく商人たちを見た。


「何があった?」


最初に答えたのはサルマだった。


「南から旗のない荷車が四台。目的は交易」


「車輪の一つには、到着前から亀裂が入っていた」


「その車輪から、以前のものと照合すべきものも見つかった」


背の高い男は口を挟まなかった。


ショーンゴは男を見た。


「お前が責任者か?」


「この隊商では」


「名前は?」


男は少し黙った。


「今日のところ、それを知ってもあなた方に得はありません」


ランゼが片足へ重心を移したが、サルマもショーンゴも表情を変えなかった。


「なら、二度は聞かない」


背の高い男は初めてわずかに驚き、目つきだけが一段鋭くなった。


「都合がいい」


男が言った。


「誰にとって?」


「私に」


「なら、通用しているうちは使え」


白い髪の女の口元がわずかに動き、彼女は目を伏せた。



ラデムがショーンゴへ記録板を差し出した。


「塩と穀物は必要だ。布も一部なら買える」


警備室の方へ短く目を向けた。


「薬は今日の取引には入らない」


ショーンゴは記録板を受け取らなかった。


「今の備蓄はどれくらいある?」


ラデムが答える前に、サルマが言った。


「他人の荷車の前で答えなくていい程度にはある」


ラデムは口を閉じ、二人の商人がサルマを見た。


また一つ、質問に答えが出た。


ショーンゴは頷いた。


「なら、明日また買わずに済む量を、今どれだけ買える?」


ラデムは考えた。


「穀物を八袋、塩を四袋。布を一部」


ショーンゴは背の高い男を見た。


「値段は?」


男が金額を告げると、ラデムはすぐに首を振った。


「高すぎる」


「道中には危険があります」


「今日は開いている」


城壁の上からセイガが言った。


背の高い男は目を上げた。


「今日は」


ラデムが返した。


「なら、今日の値段だ」


「明日は?」


「明日の取引は明日する」


ミルサが腕を組んだ。


「私、この人好きだわ」


ラデムは振り返りもしなかった。


「やめてくれ」


短い交渉の末、安くはないが施しにも見えない額でまとまった。


ケルトは同じ内容を二枚に記し、エンナが両方を読み直した。


サルマが二枚に署名した。


背の高い男は印章を求めず、署名だけを見た。


「本当に、このやり方で動いているんですね」


サルマが顔を上げた。


「どんなやり方?」


「印章なしで」


「誰がその決定に責任を持つのかを記録している」


背の高い男は少し目を細めた。


「理由は聞いていません」


「私も、それ以上説明するつもりはない」


今度は白い髪の女が笑みを隠さなかった。


背の高い男が短く彼女を見た。


女はすぐに真顔へ戻った。



買った穀物と塩が門の管理区域へ運ばれるあいだ、白い髪の女は隠れもせず荷車の間を歩き、簡単な質問を重ねた。


牽引獣の水場を尋ねれば井戸を教えられ、布の搬入先を尋ねれば「まだどこにも運ばない」と答えられた。


「この前の騒ぎで、負傷者は多いの?」


そばにいたミルサが顔を向けた。


「それを知ってどうするの?」


「次は包帯を多く持ってくるべきか知るため」


「もう次を考えてるのかい?」


「今日、ちゃんと代金を払ってくれるなら」


ミルサは目を細めた。


「いつも、答えてるようで何も答えないね」


「質問が安い時なら別よ」


ミルサが鼻を鳴らした。


「ずいぶん値の張る会話だね」


白い髪の女は、袋の重量を書き留めるケルトのところへ進んだ。


「ここでは、すべての決定がサルマを通るの?」


「いいえ」


「ショーンゴを通る?」


「いいえ」


女が待つと、ケルトはようやく彼女を見た。


「三回目の『いいえ』が欲しいんですか?」


「じゃあ、誰を通るの?」


ケルトはペンで門、袋、紙を順に示した。


「誰が何を担当しているか、もう見たでしょう」


「ショーンゴは?」


ケルトが答えるより先に、エンナが後ろからやってきた。


「彼が決めたことなら、記録を見れば分かります」


白い髪の女は彼女を見た。


「それが彼の決定だと、誰が決めるの?」


エンナは数秒黙った。


「それはもう、商売の質問ではありません」


白い髪の女の笑みが少し広がった。


「もっともね」


その場を離れた。


だが白い髪の女は、肝心なことを知るには十分な答えを得ていた。


ラリオンでは、決定が一つの手に集まっていない。



買った袋の大半が運び終わると、セイガは城壁を下り、ショーンゴではなくサルマへ向かった。


小さな布切れを開いた。


中には金色の糸があった。


ラデムは糸ではなく、その輝きに見覚えがあった。


記録板の縁を親指でなぞった。


「似ている」


「あの時のものに?」


「そうだ」


「同じもの?」


「そこまでは言えない」


セイガは隊商を見た。


「見える範囲には、ほかに同じものはない」


「探したの?」


「見ただけだ」


「それは違う」


「だから『見える範囲には』と言った」


ショーンゴが近づいてきた。


サルマは糸を見せた。


「以前、荷車で見つけたものに似ている」


ショーンゴは触れなかった。


「見つけたところを、あいつらは見ていた?」


「見ていた」


「何か聞いたか?」


「何も」


ショーンゴは、新しい車輪のそばにいる背の高い男を見た。


「その方が悪い」


「なぜ?」


「尋ねないなら、正体を知っているか、そう思わせたがっている」


「残すか?」


「そうしろ」


「あいつらに見せる?」


「いや」


「それなら、私たちも沈黙の駆け引きを始めることになる」


「黙っているわけじゃない」


ショーンゴは商人たちを見た。


「相手がまだしていない質問に、答えていないだけだ」


セイガは糸をしまい、城壁へ戻った。



夕方前には車輪が交換され、隊商は再び進める状態になった。


穀物八袋、塩四袋、購入した布は、残りの荷から分けられていた。


閉じた薬の木箱は、警備室に残されていた。


隊商の錠も、ラリオンの確認用の縄も無傷だった。


ラデムが最後の記録を確かめた。


サルマは商人側の一部を背の高い男へ返し、もう一部はケルトが記録として残した。


「今日、私たちが買ったのは商品」


「分かっています」


「援助ではない」


「私も援助とは呼んでいません」


「ならいい」


「また来たら?」


「その時も検査する」


「全部?」


「全部」


「同じものを持ってきても?」


「同じものだからこそ」


「賢明ですね」


白い髪の女が四台目の方から近づいてきた。


視線が一瞬、警備室へ流れた。


「次は、もっと薬が必要になるかもしれないわね」


サルマは彼女を見た。


「まずは、まだ買ってすらいない薬をどうするか決める」


「もっともね」


サルマは目を細めた。


「あなたは、二通りに使える答えがずいぶん好きなのね」


「あなたは、二通りに使える質問がずいぶん嫌いみたいだけど」


背の高い男が沈黙を破った。


「今日は、道の代金を車輪で払いました」


近くで荷運びを見ていたミルサが答えた。


「違う」


「車輪の代金を払ったのは車輪だよ」


買った袋を指した。


「商品には、こっちが硬貨で払った」


次に町を指した。


「それ以外のものについては、まだ請求書を見せてもらってない」


「この町のパン職人は面白いですね」


ミルサはそのまま歩いていった。


「あんたたちの商人も変だけどね」



隊商が出発する直前、ショーンゴはもう一度門へ来た。


別れを言うためではない。


隊商が本当に去るのか、自分の目で見たかっただけだ。


背の高い男は一台目、白い髪の女は四台目の荷車にいた。


ショーンゴは城壁の下で止まった。


「次に来る時は」


背の高い男が顔を向けた。


「はい?」


「壊れていない車輪で来い」


何人かの商人が笑った。


ランゼでさえ、わずかに顔を伏せた。


背の高い男は笑わなかった。


だが声には、わずかな柔らかさが混じった。


「努力します」


ショーンゴが答えた。


「努力するな」


「やれ」


隊商が動き出した。


一台目。


二台目。


三台目。


四台目。


最後まで、どの荷車の上にも旗は現れなかった。


セイガは城壁の上から、最後の車輪が南の丘の向こうへ消えるまで見送った。



二時間後、隊商は朝の場所よりさらに南、ラリオンから見えない低い石の尾根の向こうで止まった。


背の高い男が降りると、白い髪の女はすでに畳んだ布の上に座っていた。


膝の上の薄い木板には、町の記録でも商取引の帳面でもない短い行が並んでいた。


女は声に出して読んだ。


「隊商への最初の対応、ランゼ」


「街道の監視、セイガ」


「商品の計数、ラデム」


「書類対応、サルマ、ケルト、エンナ」


「門には人が集まったが、商品には近づけさせなかった」


背の高い男は手袋を外して向かいへ座った。


「ショーンゴは?」


「検査が始まってから来た」


「最初ではない」


「ええ」


「いい」


「誰にとって?」


「彼らにとってだ」


「備蓄量も負傷者の数も言わず、倉庫への直接の出入りも許さなかった」


「薬も言葉だけでは受け入れなかった」


「木箱を一つ警備下に残したけれど、買ってはいない」


「つまり、必要な商品でも彼らを急がせることはできない」


「今のところはね」


「騒ぎの後でも、穀物と塩は一部しか買わなかった」


背の高い男は、前腕の滑らかな皮膚を指でなぞった。


その下に、鱗を思わせる薄い模様が再び浮かんだ。


「なら、飢えてはいない」


「あるいは、うまく隠している」


「どちらでも重要だ」


「糸は見つかった」


「見ていた」


「セイガには見覚えがあるようだった」


「必ずしもそうとは限らない」


「ラデムは確実に何かを思い出していた」


「次の隊商では、糸を外す?」


「いや」


「なぜ?」


「気づかれた後で消せば、それ自体が答えになる」


「あなたも、二通りに使える答えがずいぶん好きね」


「やめろ」


女が板を裏返すと、三行だけがあった。


レヴェンガルド。


ラリオン。


ヴェルシャイン。


一つ目の横にはすでに短い線があり、女は二つ目の横にも一本引いた。


ヴェルシャインの横には何も書かなかった。


今はまだ。


「何を報告する?」


背の高い男は、丘の向こうにラリオンが残る方角を見た。


「町は怯えている」


「だが、崩れてはいない」


「ショーンゴは、すべての決定を一つの手に握ってはいない」


「そして、ショーンゴの側は、すでに糸を見逃さなくなっている」


女の指が止まった。


「それで、私たちは彼をどう見る?」


背の高い男はすぐには答えなかった。


遠い北では、太陽がすでにラリオンの城壁へ触れ始めていた。


「レヴェンガルドはもう、恐怖が彼らをどう変えるか試した」


男は手袋をはめた。


「俺たちは別のものを試す」


「何を?」


「彼らの信頼が、いくらで買えるのか」


白い髪の女は三行目のヴェルシャインを見て、板を閉じた。


隊商はさらに南へ進んでいった。



ラリオンには、購入した穀物八袋が残った。


塩四袋。


布の一部。


南門の警備室には、町がまだ購入していない薬の木箱が閉じたまま残された。


錠は隊商のもの。


鍵も隊商が持ち帰った。


確認用の縄はラリオンのもの。


そして商品とは別に、一本の金色の糸がラリオンへ残った。


隊商は、町の誰一人として売った覚えのないものを持ち帰った。


人々の地図を。

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