エピソード65 生きている者を見せろ
ユスト・ロメイは、封をされていない書状を収めた筒を持って東方街道官房へ戻った。
長靴の泥はすでに乾いていたが、外套にはまだ濡れた道の匂いが残っていた。
マレク・ヴィルドは、以前と同じ机に座っていた。
目の前には帰還の板が置かれていた。
裸の釘には、今も輪が戻っていなかった。
ユストは書状筒を机の端に置いた。
マレクはすぐには触れなかった。
ペンを机の縁に沿ってまっすぐに整えた。
「印章は?」
「彼らは持っていません」
「署名は?」
「あります」
エルナ・フェルスはマレクの右側に座っていた。
書状筒を自分の方へ引き寄せ、折り畳まれた紙を取り出すと、二本の細い木板で両端を押さえて机の上に広げた。
ユストは座らなかった。
ヤルヴァ・ネルは街道用の外套を着たまま、扉のそばで待っていた。
左手には、今は手袋をはめていた。
エルナは黙って読み始めた。
彼女の指は、目よりもゆっくりと行を追っていた。
書き加えられた段落で、その指が止まった。
「拘束された者の一人が、身元不明の襲撃者によって殺害された」
マレクはユストへ視線を向けた。
「襲撃者を見たか?」
「いいえ」
「遺体は?」
「若い見張りが家へ運ばれていくところを見ました。街道の人間の一人の遺体も見せられました」
「襲撃者の遺体は?」
「庭に残されていました」
エルナは段落を最後まで読んだ。
「ラリオンは、レヴェンガルドが依頼主だとは記していません」
「記していない」
ユストは腰のそばの蝋の箱に触れた。
今度は、中が空だった。
「ショーンゴは、証明できることだけを話すと言いました」
マレクは帰還の板へ目を落とした。
「つまり、彼らにもまだ証拠が必要なのか」
エルナは新しい紙を取った。
「何を記録しますか?」
ユストは動かずに立っていた。
マレクはすぐには答えなかった。
「もう一人は、まだ拘束されているのか?」
「はい」
「お前は見たか?」
「いいえ」
エルナが最初の一行を書いた。
『ラリオンは、拘束されているもう一人の者が生きていることを示せるか?』
マレクはそれを読んだ。
「いい」
エルナはペンを置かなかった。
その下に、二つ目の一行を加えた。
『拘束下にある者の言葉を、自由な意思によるものと見なせるか?』
ユストは彼女を見た。
「どちらを届けるのですか?」
「両方だ」
マレクが答えた。
エルナは顔を上げた。
「同時に出せば、二つは互いに食い違って見えます」
「いや」
マレクは最初の行を指で叩いた。
「こちらは、男が生きているかを問う」
次に、二つ目の行を指で叩いた。
「こちらは、その言葉が誰のものなのかを問う」
「彼が何を話すかは分かりません」
「だからこそ、質問は答えより先に届かなければならない」
部屋が静かになった。
ヤルヴァは左の手袋を外して腰に留め、二枚の細い紙を受け取った。
「どこへ?」
「一枚目は、下の詰所で写しを作らせ、東側の運び手たちを通して流せ」
マレクは二枚目を示した。
「こちらの写しは、同じ者には作らせるな」
ヤルヴァは二枚の紙を別々に折った。
エルナは文面をもう一度見た。
「ここには告発がありません」
「だからこそ、繰り返される」
ユストはようやく座った。
帰還の板の裸の釘には、今も輪が戻っていなかった。
昼が近づく頃、ラリオンの捕虜の庭の前には三十人を超える人々が集まっていた。
一枚の壁のように並んでいたわけではない。
南の路地から来た三人の女は、石の囲いの近くに固まっていた。
革の前掛けを着けた二人の職人は、排水溝のそばで言い争っていた。
老いた石工は逆さにした桶に座っていたが、その場を離れなかった。
昨日、倉庫の前で殴られて唇を切った男は、門のほぼ正面に立っていた。
その男の肩越しには、背の高い洗濯女が濡れた掌をスカートで拭いていた。
ランゼは通路の左側に立っていた。
盾の下端は石の上に置かれていた。
二人の見張りは、閉じた門扉の内側に残っていた。
門は内側から木の横木で支えられていた。
最初、人々はそれぞれの場所で話していた。
やがて唇を切った男が声を上げた。
「そいつを見せろ」
ランゼは動かなかった。
「誰を?」
「もう一人の捕虜だ」
「生きている」
「そう言っているのはお前だ」
右側から誰かが繰り返した。
「生きている者を見せろ」
別の声も続いた。
「本人に話させろ」
三度目に繰り返された後、言葉は一つの叫びではなく、波のように重なり始めた。
「生きている者を見せろ」
「生きている者を見せろ」
門の内側の庭では、二人目の捕虜が石樋のそばに座っていた。
両手に縄はなかった。
庭から奥の部屋へ続く扉は閉じられていた。
手首には、以前縛られていた跡が残っていた。
片方の尖った耳は、反対側より少し短かった。
彼が見ていたのは門ではなく、屋根だった。
レルタは裏口の右側に座っていた。
負傷した腕は膝の上に置かれていた。
新しい包帯の下では鈍い痛みと痺れが続き、指が時折かすかに震えた。
槍は壁際に立てかけられていた。
今のレルタは、まだそれを十分な力で握れなかった。
ケルトは部屋の入口近くにある細い机に紙を広げていた。
エンナが隣に立っていた。
彼女自身の掌にも、まだ包帯が巻かれていた。
「もう、俺は死んだことにされたのか?」
捕虜は静かに尋ねた。
レルタは門を見た。
「まだ」
「なら、なぜ手遅れになったみたいに叫んでいる?」
ケルトはペンから目を上げずに答えた。
「生きている者なら、まだ見せろと要求できる。死んだ者は、もう見せられないからだ」
エンナが彼を見た。
「それは記録しないで」
「書くつもりはありませんでした」
門の外で、再び声がうねった。
「生きている者を見せろ」
捕虜は親指で手首の縄跡をなぞった。
「俺を外へ出せば、あいつらは俺を見る」
レルタが言った。
「あんたを殺しに来た者たちもね」
捕虜は黙った。
ショーンゴとサルマが役所の方から近づいてきた。
ミルサは少し後ろを歩いていた。
片方の袖には小麦粉が残っていた。
パン屋を閉めてきたわけではない。
窯は人に見てもらい、自分は客の半分がなぜ捕虜の庭へ集まっているのかを確かめに来た。
人々は渋々道を開けた。
唇を切った男だけは退かなかった。
「昨日、捕虜を殺したのは外から来た襲撃者だと聞かされた」
ショーンゴはランゼの盾から二歩離れた場所で止まった。
「そうだ」
「今日は、話し始めた後で死んだと言われている」
「誰が言っている?」
男は細い紙片を見せた。
「井戸のそばで見つかった」
サルマが手を差し出した。
紙には一つの文章だけが書かれていた。
『ラリオンは、拘束されているもう一人の者が生きていることを示せるか?』
縁は真っ直ぐに切り揃えられていた。
町で使われている紙ではなかった。
ケルトの使う紙は、もっと粗かった。
サルマは門扉の細い隙間から、紙片をエンナへ差し入れた。
エンナは指で紙の繊維をなぞった。
「街道官房で使われる紙です」
群衆の誰かが尋ねた。
「レヴェンガルドか?」
エンナが答えた。
「紙に名はありません」
唇を切った男が一歩近づいた。
「なら、ここに書かれている奴を見せろ」
向かいの倉庫の屋根から、瓦が擦れる短い音が届いた。
セイガが脇の梯子を下りてきた。
外套には街道の泥が跳ねていた。
手には、同じ形の紙片をさらに二枚持っていた。
「東の道は開いている」
群衆が一斉に話し始めた。
セイガは声を上げなかった。
「荷車は通っている。下の橋も封鎖されていない。古い境界の向こうに武装した詰所もない」
ミルサは腕を組んだ。
「つまり昨日、閉じてもいない道のせいで倉庫を食い尽くすところだったわけだ」
唇を切った男はショーンゴから目を逸らさなかった。
「なら、この紙は?」
セイガは紙片をサルマに渡した。
「一枚は東の曲がり角で石に押さえられていた。もう一枚は、古い詰所の壁板の隙間に挟まれていた」
「誰が置いた?」
「見ていない」
「なら、ずっと前からあった可能性もある」
「折り目の内側では、インクがまだ乾いていなかった」
人々は再び話し始めた。
ショーンゴは、庭の奥の部屋にある木格子付きの細い高窓を見た。
「窓まで連れてくる」
「駄目」
門の内側からレルタの声が響いた。
ショーンゴは顔を向けた。
レルタは門扉の近くまで来たが、負傷した腕は上げなかった。
「昨日は、庭を見下ろす屋根にも一人いた」
彼女は顎で高窓を示した。
「そこへ立たせれば、相手に正確な位置を教えることになる」
セイガは向かいの屋根を見てから、遠くの二本の煙突を見た。
「彼女が正しい」
ショーンゴは高窓と最寄りの屋根との距離、壁の向こうから高窓を狙える角度をもう一度確かめた。
あの狭い空間では、捕虜は攻撃を避ける暇もない。
「なら、どうする?」
レルタは間を置かずに答えた。
「群衆の前へ出さないで」
門の隙間から人々を見た。
「群衆の中から三人を選ばせて、中へ入れる」
唇を切った男が鼻を鳴らした。
「誰が選ぶんだ?」
レルタは無事な方の肩を門扉に預けた。
「私たちではない」
彼女はショーンゴを見ていた。
ショーンゴは頷いた。
「いい」
サルマは人々へ向き直った。
「代表を三人選んで」
すぐに複数の声がミルサの名を挙げた。
彼女は眉をひそめた。
「私は見に来ただけだよ。見張りの代わりに働きに来たんじゃない」
老いた石工が言った。
「皆がお前を知っている」
「パン屋として知っているだけだよ」
「だからだ」
二人目には、唇を切った男が選ばれた。
彼は自分から一歩前へ出た。
三人目は、背の高い洗濯女になった。
囲いのそばにいた女たちが、彼女の名を挙げた。
洗濯女はもう一度手を拭いた。
「私は、あんたたちの街道の事情なんて何も分からないよ」
ミルサが彼女を見た。
「中にいるのは道じゃない。人間だ」
セイガは周囲の屋根を確認した。
それから選ばれた三人に、ポケットを裏返し、袖を見せるよう求めた。
唇を切った男は折り畳みナイフを持っていた。
男は自分からナイフを地面に置いた。
洗濯女は長い金属の髪留めを持っていた。
髪から抜き取り、ランゼに渡した。
ミルサが持っていたのは、袖に付いた小麦粉だけだった。
「これも取り上げるのかい?」
セイガは白い筋を見た。
「そのままでいい」
門は一人ずつ通れる幅だけ開かれた。
最初にミルサが入った。
次に洗濯女。
最後に唇を切った男が入った。
ランゼは男が入るとすぐ、その背後で門扉を閉じた。
ショーンゴとサルマは外に残った。
門を開ける前に、捕虜は庭から、外に面した窓が一つもない別室へ移されていた。
その部屋には二つの入口があった。
一つは庭から。
もう一つは、細い内部の廊下へ続いていた。
セイガは二つの入口を確認してから、再び屋根へ上がった。
レルタは捕虜の右側に座り、捕虜と三人の立会人のあいだを遮らない位置を取った。
ケルトとエンナは左側の机に残った。
ミルサは捕虜の正面に立った。
唇を切った男は、扉に近い場所で止まった。
洗濯女は壁際に立っていた。
捕虜は三人を一人ずつ見た。
「この三人か?」
「外にいる人たちが、私たちを選んだ」
ミルサが答えた。
「ショーンゴに遣わされたのか?」
「ショーンゴは門の外に残っている」
唇を切った男は待たずに尋ねた。
「捕まった後、殴られたか?」
「いや」
「脅されたか?」
捕虜はレルタを見た。
「この女が脅していたのは、俺を殺しに来る奴らの方だ」
レルタは否定しなかった。
ケルトはその答えを記録した。
洗濯女は捕虜の手首を見た。
「その跡は?」
「街道にいた時から残っている」
「ここでも縛られたの?」
「ここでは縄を緩められた」
唇を切った男が一歩近づいた。
「もう一人を殺したのは誰だ?」
捕虜は目を伏せた。
「お前たちの見張りの外套を着た男だ」
「そいつがお前たちの仲間ではなかったと、なぜ分かる?」
「俺にも針を投げたからだ」
レルタは包帯を巻いた腕を少し上げた。
「この腕が止めた」
ミルサは包帯を見た。
「指は動くのかい?」
「二本は普通に動く」
「残りは?」
「あんたのパンには関係ない」
「なら、良くないんだね」
レルタはわずかに口元を歪めた。
ケルトはこのやり取りを記録しなかった。
唇を切った男が、机の縁を指で叩いた。
「荷車の仕事を命じたのは誰だ?」
「エイルド」
「お前たちを殺すよう命じたのも、そいつか?」
捕虜は首を振った。
「それは知らない」
「都合がいいな」
「街道の上層部にいる者たちの名は、俺たちには知らされなかった」
エンナが言った。
「記録には、その言葉を残します」
男は彼女の方へ振り返った。
「お前が答え方を教えている」
「あなたの推測を彼の答えにすり替えさせないだけです」
男は反論しようとしたが、やがて手を振ってやめた。
縄について尋ねて以来、黙っていた洗濯女が口を開いた。
「ここから出たい?」
捕虜は長いあいだ彼女を見た。
壁の向こうで、再び人々の声が上がり始めた。
言葉までは聞き取れず、ただ声だけが届いていた。
「東門からは出たくない」
「別の門なら?」
「分からない」
ミルサは首を傾けた。
「食事はもらっている?」
唇を切った男は、場違いな質問だと言いたげに彼女を見た。
捕虜が答えた。
「もらっている」
「今日は何を食べた?」
「パン。水。少しの塩」
「誰のパンだい?」
「知らない」
「私のだ」
捕虜は初めて、少し長く彼女を見た。
「なら、ちゃんと食べさせてもらっている」
ミルサは頷いた。
「よし」
ケルトはペンを置いた。
「記録には、あなたをどう記せばいい?」
捕虜の肩がすぐに強張った。
「名は書くな」
「呼び方が必要です」
「前と同じように書け」
ケルトは前の紙の見出しを見た。
「二人目の捕虜?」
捕虜は奥歯を強く噛んだ。
エンナが言った。
「『名を名乗ることを拒んだ捕虜』と書いて」
「長くなります」
「その代わり、一覧の中のただの物として扱わずに済みます」
ケルトは見出しを書き直した。
外で、突然誰かが叫んだ。
「もう裏庭から連れ出しているぞ!」
人々が一斉に右を向いた。
囲いと古い染工場のあいだにある細い路地へ動き出した。
最初に走ったのは、壁の近くにいた者たちだった。
続いて、他の者たちも押し寄せた。
ランゼは通路を横切るように盾を構えた。
「右へ押すな!」
その声は、それまでの話し声よりも大きかった。
老いた石工は桶を落として立ち上がった。
囲いのそばにいた女の一人が体勢を崩した。
隣の男が肘を掴んで支えた。
数人が同時に右側の門扉へ押しかかった。
内側の木の横木が、圧力を受けて軋んだ。
ショーンゴは裏の路地へは向かわなかった。
押し合う者ではなく、その場から離れていく者を、人々の頭越しに見ていた。
短い茶色の外套を着た人影が、群衆の流れに逆らって進んでいた。
一度も門の方を振り返らなかった。
セイガはすでに屋根から下り始めていた。
低い庇を飛び越え、染工場の角の向こうへ消えた。
サルマは囲いのそばの低い段へ上がった。
「誰も外へ出していない」
全員に届いたわけではなかった。
ランゼは盾の下端で石を二度叩いた。
前にいた者たちが止まった。
後ろにいた者たちは、さらに数秒間押し続けた。
やがて波は崩れた。
ランゼが言った。
「門扉から離れろ」
路地を指した。
「そこに抜け道はない」
排水溝のそばの男が叫んだ。
「どうして俺たちに分かる?」
ショーンゴは閉じた門を示した。
「お前たちが選んだ三人は、まだ中にいる」
人々が門へ顔を向けた。
動きは完全に止まった。
数分後、門は再び開いた。
最初に出てきたのは洗濯女だった。
彼女はすぐにランゼから髪留めを返してもらった。
次にミルサが出た。
最後は唇を切った男だった。
男のナイフは、まだ石の上に置かれていた。
男はナイフを拾い、折り畳んでポケットへ戻した。
群衆は待っていた。
ミルサは目の前の顔を見渡した。
「生きている」
誰かが尋ねた。
「自由に話していたか?」
「自分の口で話していたよ」
何人かが戸惑いながら笑った。
ミルサは続けた。
「ショーンゴとサルマは中へ入っていない。ランゼはずっとここに立っていた」
洗濯女が濡れた両手を上げた。
「殴られてはいなかった。少なくとも、新しい傷は見なかったよ」
「縄の跡は?」
「古い跡だった」
唇を切った男は、他の二人より長く黙っていた。
老いた石工が彼に尋ねた。
「嘘を見つけに入ったんだろう?」
「そうだ」
「見つけたか?」
男は唇の裂け目を舌でなぞった。
「いや」
人々がざわめいた。
男は手を上げた。
「だからといって、あいつの言葉がすべて真実だという意味ではない」
ざわめきが小さくなった。
「だが、生きているのは間違いない。それに、もう一人を殺したのは、盗んだ外套を着た男だと言っている」
群衆の中から誰かが叫んだ。
「なら、解放しろ!」
見張りより先に、洗濯女が答えた。
「本人が東門から出たがっていない」
「脅されたからだ」
「そっちから、また殺しに来る奴がいたからだよ」
群衆は再び複数の声に分かれた。
門を開けろと要求する者がいた。
今出せば、殺しに来た者たちへ引き渡すことになると言う者もいた。
そもそも、なぜ三人を信じなければならないのかと尋ねる者もいた。
ミルサは、そう言った男を見た。
「次は私の代わりに入るんだね」
男は顔を背けた。
ケルトが二枚の紙を持って庭から出てきた。
エンナは三枚目を持っていた。
サルマが一部を受け取った。
「この件が終わるまで、拘束下にある者の重要な証言は、少なくとも二人の住民が立ち会う場で記録する」
唇を切った男が尋ねた。
「お前たちが選んだ者か?」
「その場にいる住民が選ぶ。入る前に、見張りが確認する」
「俺たちが選んだ者を、中へ入れなかったら?」
セイガはまだ戻っていなかった。
ショーンゴは、彼が消えた路地を見ていた。
サルマが答えた。
「その場合は、入場を拒否した理由も公開記録に残す」
エンナが自分の紙を持ち上げた。
「これを自由な証言とは呼ばないでください」
数人が驚いた顔で彼女を見た。
「彼は拘束下にいます。それが事実です」
彼女は下部にある署名欄を示した。
「誰が立ち会ったのか。誰がいなかったのか。どの質問をし、彼が正確に何と答えたのか。それを記録してください」
ケルトは三部を重ね、ミルサへペンを差し出した。
彼女は一部ずつ、短く不揃いな署名を残した。
洗濯女も三部それぞれに、三本の線で簡単な印を付けた。
唇を切った男は、長いあいだペンを持ったまま動かなかった。
やがて三部すべてに、小さな字で、ほとんど読めないほど細く自分の名を書いた。
ケルトは聞き返さなかった。
二部目は、役所のそばの掲示板へ運ばれた。
一部目は記録庫に残された。
三部目は、見張りの部屋で別に保管されることになった。
人々はケルトの後を追った。
全員ではなかったが、大半が付いていった。
紙が掲示板に打ち付けられた頃、セイガが戻ってきた。
外套には、壁に擦ったような長い白い筋が付いていた。
手には、さらに一枚、街道官房で使われる紙片があった。
ランゼが尋ねた。
「追いつけなかったか?」
「無理だった」
「足が速かったのか?」
「逃げ道が先に用意されていた」
セイガは染工場を示した。
「裏の壁に縄が掛けられていた。人影が下りた途端、反対側にいた誰かが縄を引き上げた」
「もう一人を見たか?」
「手だけだ」
サルマが紙を受け取った。
そこには、こう書かれていた。
『拘束下にある者の言葉を、自由な意思によるものと見なせるか?』
エンナは最初の紙片を、二枚目の隣に置いた。
二枚は同じ大きさだった。
折り目も同じだったが、インクは違っていた。
「この質問は、彼らがこちらの答えを聞く前から用意されていました」
ケルトは、今しがた掲示板へ打ち付けた記録を見た。
「つまり、こちらが何をしても、相手は次の一行をもう用意していたということか」
サルマは答えなかった。
ショーンゴが二枚目の紙片を取った。
掲示板のそばの人々が彼を見ていた。
「隣に掲示しろ」
ケルトは、自分の聞き間違いではないかと一瞬疑った。
「相手の紙を?」
「そうだ」
「なぜですか?」
ショーンゴは紙を返した。
「俺たちが質問を隠したなどと、誰にも言わせないためだ」
ケルトは証言記録の右側に紙片を留めた。
人々は二枚の紙を読み始めた。
最初に署名を見る者がいた。
最初に質問を読む者もいた。
唇を切った男は、掲示板のそばに残った。
誰かが、署名を強制されたのかもしれないと言うと、男は唇の新しい裂け目に触れた。
「これがあったから、俺はここへ来た」
男は手を下ろした。
「だが、署名は自分の意思だ」
争いが終わったわけではなかった。
だが、捕虜の庭の門を押し開けようとする者はもういなかった。
夕方までに、掲示板の前には新しい列ができた。
パンを求める列ではない。
袋を求める列でもない。
人々は、捕虜に何を尋ねたのかを読むために来ていた。
やがて、人々は自分たちの質問を持ってくるようになった。
ケルトは、机の端に積まれていく紙片を見ていた。
一枚には、荷車の仕事を命じたのは誰かと書かれていた。
二枚目には、捕虜が金色の糸を見たかと書かれていた。
三枚目には、南から来た人物を知っているかと書かれていた。
四枚目は、ただ門を開けろと要求していた。
ケルトは新しい紙を取り出した。
エンナが彼の肩のそばに立った。
彼はペン先をインクに浸し、紙の上部に書いた。
『住民からの質問』




