エピソード63 最初の血
ユスト・ロメイは石の境界の外で待っていた。
天幕も張らず、水も求めなかった。ただ馬を降り、手綱を随行者の一人に渡し、門から常に見える場所に立った。
蝋の箱は腰のそばにあった。
太陽はとうとう雲間から姿を見せなかった。日没まで、もう多くの時間は残っていなかった。
記録の部屋では、ケルトがまっさらな紙の上にペンを構えていた。
エンナは向かいに座っていた。
掌に巻かれた湿った包帯は、さらに暗くなっていた。指は動いたが、ゆっくりだった。薬指を曲げようとすると、痛みが手首まで走った。
ケルトはそれに気づいた。
「一人で書けます」
「ええ、書けるでしょうね」
「なら、どうして一文字ずつ見ているんですか?」
「一人で書けるからこそよ」
ケルトは静かに息を吐き、紙へ向き直った。
サルマは窓のそばに立っていた。
ここから東門は見えなかった。見えるのは城壁の上部、濡れた屋根、そして時折ユストの随行者の一人が通る道の端だけだった。
「始めて」
ケルトはペンを紙に触れさせた。
「ラリオンは、レヴェンガルドから書状を受け取ったことを確認する」
エンナが言った。
「『レヴェンガルドから』ではありません」
ペンが止まった。
サルマが顔を向けた。
「説明して」
「私たちは印章を見ました。ユストの言葉も聞きました。ですが、誰が彼に書状を渡したのかは確認していません」
ケルトは彼女を見た。
「『レヴェンガルドの代表から』と書けば十分ですか?」
「はい」
彼はその一節を消し、行を書き直した。
扉にデランが現れた。
手には外套の留め金を持っていた。
外套そのものではない。
濡れた布切れが付いた、小さな暗い留め金だけだった。
「ないものを持ってきた」
サルマは、その意味を尋ねなかった。
「どこから?」
「庭の裏口のそばだ」
エンナが目を上げた。
デランは留め金を机の端に置いた。
「レルタが見つけた時、見張りはシャツ一枚だった」
「外套を奪われたのね」
「ベルトと、木の札も一緒に」
ケルトはペンを置いた。
「交代用の札ですね」
「その通りだ」
サルマは扉を見た。
「レルタは知っている?」
「もう知ってる」
「セイガは?」
「今、俺たちの見張りに似すぎた奴を探してる」
サルマは紙へ視線を戻した。
「続きを書いて」
ケルトはすぐにはペンを取らなかった。
「先に裏口を閉めた方がいいのでは?」
「今閉めれば、こちらが気づいたと知られるわ」
「閉めなければ?」
サルマは静かに答えた。
「彼らは試す」
デランは指で留め金に触れた。
「試させるってところが気に入らないな」
「試させるのではない」
ショーンゴが、デランの背後に伸びる廊下の途中で足を止めた。
急がずに部屋へ入った。
右腕にはもう、肩を下へ引くような重さはなかった。だが、強く動かすたびに短い鈍痛が走った。
彼は留め金には触れなかった。
「奴らがもう自分たちのものだと思い込んでいる扉を、そのまま残す」
サルマは頷いた。
「そして、彼らが待っていない場所に人を置く」
ケルトは再びペンを取った。
「書状は?」
ショーンゴは行を見た。
「書状は日没までに仕上げる」
「襲われてもですか?」
「襲われた時こそだ」
エンナは手の包帯を外した。
その下の皮膚は赤くなり、二本の指の付け根には細い暗い筋が浮かんでいた。
彼女は包帯を巻き直した。
「なら、今分かっている真実を書きます」
サルマが言った。
「その通り」
捕虜を収容している庭では、レルタが長椅子を動かしていた。
壁へではない。
壁から離した。
二人目の捕虜は石樋の近くに座らされた。
一人目は柱のそばに残されたが、両手を縛る縄は、倒れても肩を脱臼しない程度まで緩められていた。
若い見張りは、裏口の右側にある細い石の窪みに立っていた。前には、縁を床につけた盾が置かれていた。
町では、見張りとしてよりも、南の路地で干しリンゴを売る女の息子として知られていた。
レルタはすでに二度、自分の合図なしに窪みから出るなと命じていた。
「危険なら、どうしてもっと強く縛らないんです?」
レルタは槍の柄に付いた革の輪を確かめた。
「今日、危険なのは彼らじゃないから」
見張りは裏口を見た。
「あの人はまだ目を覚ましていません」
「目を覚ます」
「目を覚まさなかったら?」
「眠らせた奴よりは長生きする」
一人目の捕虜が顔を上げた。
頬には縄の跡が残っていた。
「奴らが俺たちを連れ戻しに来ると思っているのか」
レルタは彼を見た。
「違う」
二人目の捕虜は地面を見るのをやめた。
「なら、なぜ俺たちはここに?」
「彼らが何を取りに来るのか、見せてもらうため」
一人目は静かに笑った。
乾いた笑いだった。
「奴らは、道をしくじった者を連れ戻したりはしない」
若い見張りは槍の柄を握りしめた。
「奴らって、誰だ?」
捕虜は彼を見た。
「明日になれば、俺たちを殺したのはお前たちだと言い張る連中だ」
レルタが答えるより早く、通りから鐘の音が一度届いた。
警報ではなかった。
時刻の合図だった。
日没まで、あと一時間だった。
東門の外でユストが顔を上げた。
記録の部屋では、ケルトが三つ目の段落を書き始めた。
庭を見下ろす屋根の上で、セイガが重心を反対の足へ移した。
隣の屋根では、曲がった煙突の向こうにもう一つの影が一瞬だけ現れた。
そして裏口では、誰かが扉を三度叩いた。
短く二度。
長く一度。
若い見張りが顔を上げた。
正しい交代の合図だった。
彼は窪みから動こうとした。
レルタが言った。
「止まって」
少年は動きを止め、盾の後ろへ戻った。
反対側から、再び扉が叩かれた。
短く二度。
長く一度。
「合図を知っている」
レルタは槍の中央近くを握り直した。
「だから、あなたは開けない」
扉の向こうから、かすれた声が聞こえた。
「下の城壁から交代に来た」
若い見張りが青ざめた。
「ネルトの声です」
「ネルトは今日、下の城壁には配置されていない」
「配置が変わったのかもしれません」
「それに、あいつは右足に重心を置く」
扉の向こうが静かになった。
レルタは扉の下の隙間を見た。
影はまっすぐ立っていた。
体重は両足に均等にかかっていた。
レルタは槍の石突きで石を静かに二度叩いた。
若い見張りは盾の後ろで身を低くした。
屋根の上でセイガが合図を聞いた。
彼は動かなかった。
煙突の向こうの影も止まった。
レルタは扉へ近づいた。
「札を見せて」
向こう側で何かが木に触れた。
それから、細い長方形の札が扉の下の隙間へ差し込まれた。
正しい交代の印が刻まれていた。
濡れた縁。
穴のそばの傷。
本物の札だった。
若い見張りは盾の上から覗いた。
レルタは頷かなかった。
「昨日、あなたと一緒に立っていた者たちの名を言って」
答えはすぐに返ってきた。
「レル、ヴァルナ、それに老いたコイル」
最初の二人の名は正しかった。
三つ目の名は、ラリオンの名が宣言される前に死んだ者のものだった。
レルタは半歩下がり、槍先を下げた。
扉へ向けたのは刃ではなく、柄だった。
扉が内側へ弾け飛んだ。
魔法ではない。
肩の一撃で、扉枠の下部にあらかじめ入れられていた切れ目から木が裂けた。
レルタは扉の縁を槍の柄で受け止めた。木が割れ、彼女の体は壁際まで弾かれた。
見張りの外套を着た者が、低い姿勢で入ってきた。
顔は濡れた布で覆われていた。
右手に短い刃を握っていた。
左手には、細い黒い針が三本あった。
隣の煙突の向こうで、影が手を上げた。
襲撃者は見張りへ向かわなかった。
柱のそばの捕虜へ、最初の針を投げた。
レルタは下から槍を打ち上げた。
槍先がその腕を跳ね上げたが、針はすでに指から離れていた。
隣の屋根から、細い金属の投げ針が光って飛んだ。
セイガは身を反らし、短い刃でそれを弾いた。
影はすぐに煙突の後ろへ隠れた。
庭では、レルタの槍の柄が襲撃者の肘に食い込んだ。
黒い針が一本、地面に落ちた。
まだ使われていない針は二本あった。
「伏せて!」
二人目の捕虜は石樋の後ろへ飛び込んだ。
一人目の捕虜は伏せるのが間に合わなかった。
弾かれた針は軌道を変えたが、外れはしなかった。
耳の少し下に刺さった。
体が跳ねた。
目は開いたままだった。
膝から崩れ、そのまま顔から濡れた地面に倒れた。
レルタは前へ飛び込んだ。
襲撃者は刃で迎えた。
刃が袖と前腕を切り裂いた。
血がすぐに手首まで流れた。
レルタは退かなかった。
額を襲撃者の鼻梁に叩きつけた。
骨が鳴った。
襲撃者がよろめいた。
屋根の上のセイガには、もうその影が見えなかった。
彼は跳んだ。
足元で瓦が割れた。
襲撃者は頭上の物音を聞いた。
扉へ逃げる代わりに、石樋の後ろの捕虜へ二本目の針を投げた。
レルタは腕を差し出した。
針は革の腕当ての縁をそのまま貫いた。
冷たさが肘まで走った。
たちまち指から力が抜けた。
槍が掌から滑り落ちた。
襲撃者が石樋へ一歩近づいた。
若い見張りは、レルタが槍を落としたのを見た。
石の窪みから出た。
「戻って!」
少年は従わなかった。
盾で襲撃者の肩を打ち、自分の体で石樋への道を塞いだ。
襲撃者の刃が盾の縁を滑った。
刃が少年の脇腹、肋骨の下へ入った。
少年は息を吐いたが、倒れなかった。
盾を捨て、両手で襲撃者の脚を掴んだ。
最初の血が、重い一滴となって石に落ちた。
襲撃者は下を見た。
そして、もう一度刃を振るった。
今度は首へ。
レルタには、短く湿った音が聞こえた。
少年の指がほどけた。
だが、その一瞬で十分だった。
セイガが屋根から襲撃者の真上へ落ちた。
二人はもつれたまま地面に叩きつけられた。
刃が壁際まで飛んだ。
襲撃者はすぐに転がり、先ほど落とした三本目の針へ手を伸ばした。
セイガは取らせなかった。
腕を襲撃者の顎の下に回した。
次の動きは短かった。
襲撃者の首が、回るはずのないところまで回った。
体は音もなく倒れた。
セイガはその上に残った。
「生きているか?」
レルタは傷ついた前腕を、無事な手で押さえた。
「もう死んでいる」
「そいつのことじゃない」
彼女は若い見張りを見た。
少年はまだ息をしていた。
一度。
二度。
レルタは彼のそばに膝をついた。
少年は何かを言おうとしたが、口から出たのは血の混じった息だけだった。
レルタはさらに顔を近づけた。
「扉……」
唇がかすかに動いた。
レルタは彼の肩を掴んだ。
「扉はまだ、こちらのものだ」
少年の目はレルタから離れた。
視線は灰色の空に留まった。
セイガは襲撃者の手、首、外套の内側を調べた。
紋章はない。
印章もない。
手首にあったはずの古い識別痕さえ、薄い帯状に皮膚ごと削り取られていた。
二人目の捕虜は石樋の後ろで、背を石に押しつけて座っていた。
体が震えていた。
死んだ仲間を見ていた。
「こいつは知っていた」
レルタが顔を上げた。
「何を?」
「俺たちが戻されないことを」
「なぜ言わなかった?」
捕虜は笑おうとしたが、音が途中で壊れた。
「黙っていれば、命を買えると思っていたからだ」
扉にデランが現れた。
血を見た。
壁際の若い見張りを見た。
地面に倒れた捕虜と、庭の中央の襲撃者を見た。
レルタの腕当てを貫いた針を見た。
彼の表情から軽さが消えた。
「サルマに知らせないと」
セイガは立ち上がった。
「まだだ」
デランは彼を見た。
「何?」
「サルマは書状を仕上げなければならない」
レルタは、敵の刃先を使って針を持ち上げた。
刺し傷の周りの皮膚は、すでに灰色になり始めていた。
「彼が正しい」
デランは奥歯を強く噛みしめた。
「三人死んだ」
セイガが言った。
「俺たちの見張り、捕虜、それにこいつだ」
二人目の捕虜は首を振った。
「こいつは中へ入る前から死んでいた。ただ、まだ動いていただけだ」
誰も答えなかった。
記録の部屋では、ケルトがちょうど最後の行を書き終えた。
「ラリオンは、その行為に関する真相の確認と、引き渡される者の生命の保証がない限り、生きた人間を引き渡さない」
エンナは文章を読んだ。
「残して」
サルマは紙を取った。
扉にデランが現れた。
今度は冗談を持っていなかった。
「もう一行、加える必要がある」
サルマは彼の袖の血を見た。
彼自身の血ではなかった。
「誰?」
「捕虜の一人。俺たちの若い見張り。それと、あいつらを狙って来た者」
ケルトが固まった。
エンナは立ち上がった。
「レルタは?」
「生きている。針が腕当てを貫いた。指から力が抜けている」
サルマは書状を見た。
それからケルトを見た。
「新しい紙を」
ケルトはすぐには理解できなかった。
「全部ですか?」
「全部」
「日没までにすべて書き直すのは間に合いません」
ショーンゴがデランの背後の戸口に立った。
「間に合わせる」
サルマは彼を見た。
「あなたが門へ行くの?」
「そうだ」
「ユストに何を言う?」
ショーンゴは書きかけの紙を見た。
「証明できることを」
エンナは無事な方の手を机に置いた。
「レヴェンガルドを依頼主とは書かない」
デランが鋭く彼女を見た。
「奴らは俺たちの外套を着て来て、俺たちの見張りを殺した」
「私たちは、実行者が何をしたかは知っています」
エンナは彼を見た。
「誰が命じたかは知りません」
デランは口を開いたが、言葉は出なかった。
サルマが言った。
「書いて」
ケルトは新しい紙を取った。
手が震えたのは、最初の言葉を書いた時だけだった。
その後、震えは止まった。
日没まで、もう三十分も残っていなかった。
襲撃者の外套を剥ぎ、若い見張りの遺体にかけた。
襲撃者の遺体は覆わなかった。
広場の人々に見せるためではない。
調べるためだった。
捕虜の首筋から針を抜いたが、もう何も変えられなかった。針の下の皮膚は黒くならなかった。心臓は、針が刺さってからほとんど間を置かずに止まっていた。
レルタは壁際に座っていた。
エンナがその腕に包帯を巻いていた。
「指の感覚は?」
「二本」
「五本あるわ」
「なら、全部じゃない」
エンナは包帯をさらに強く締めた。
レルタは歯を食いしばった。
「効く?」
「分からない」
「よかった」
エンナは彼女を見た。
「何がよかったの?」
「嘘をつかなかった」
東門で、ユスト・ロメイは再び蝋の箱に触れた。
雲の向こうで、西の空はもう暗くなり始めていた。
ランゼは通路の左に立ち、盾を門の前を塞ぐ位置に構えたままだった。
最初に出たのはショーンゴだった。
その後ろをサルマが歩いた。
ケルトは、湿った紙の端が風で折れないよう、返答を木の板に載せて運んでいた。
ユストは紙を見た。
「印章がない」
サルマが答えた。
「証人たちの署名がある」
「それでは弱い」
「こちらのほうが生きている」
ケルトは板を差し出した。
ユストはすぐには受け取らなかった。
町の中から、不揃いな足音が近づいてきた。
四人の見張りが、若い見張りの遺体を母親の家へ運んでいた。
外套は遺体より短かった。
端から血に染まった長靴が見えていた。
その後ろには、もう一つの担架が続いていた。
その上には捕虜の遺体が横たわっていた。
襲撃者の遺体は、調べるため庭に残されていた。
ユストは担架を見た。
親指が箱の蓋の上で止まった。
ほんの一瞬だけ。
それから返答を受け取った。
「何があった?」
サルマが言った。
「あなたが待っている間に、私たちの見張りの外套を着た身元不明の者が、捕虜の庭へ侵入した」
「君たちの見張りの?」
「外套は、昨日、眠らされた状態で見つかった見張りから盗まれた」
ユストはショーンゴへ視線を移した。
「それを、私の書状の受け渡しの一部だと考えているのか?」
ショーンゴが答えた。
「違う」
ユストはすぐには次の問いを見つけられなかった。
「なら、なぜ私に遺体を見せる?」
「見せているわけではない」
ショーンゴは道を見た。
「ラリオンは、お前の都合のために担架を止めたりはしない」
ユストは返答の紙を広げた。
視線が素早く行を追った。
新しく加えられた一行で止まった。
「拘束された者の一人が、君たちの監視下で死亡した」
サルマは目を逸らさなかった。
「私たちの監視下で、殺された」
「レヴェンガルドにとって、その違いは重要ではないかもしれない」
「ラリオンでは、その違いが記録されている」
ユストは最後まで読んだ。
「もう一人の引き渡しを拒否するのだな」
「そうよ」
「証人の引き渡しも拒否する」
「そうよ」
「そして道の所有物を、君たちの監視下に置き続ける」
ランゼが盾を少し上げた。
サルマが答えた。
「私たちは、人間を所有物とは呼んでいない」
ユストは紙を畳んだ。
「この返答には結果が伴う」
ショーンゴは、担架が通った後に石に残された血の跡を見た。
「もう来ている」
二人の間に沈黙が落ちた。
それから町の中から泣き声が届いた。
大きくはない。
女の声だった。
母親にはもう、家の扉まで運ばれてくるのが誰なのか伝わっていた。
ユストは書状を持つ手を下ろした。
その顔に満足はなかった。
だが、ランゼが見たかった驚きもなかった。
警戒の質が変わった。
「返答は伝える」
「すべて伝えて」
サルマは襲撃者について書かれた行を指で示した。
「読みやすい部分だけではなく」
ユストは紙を筒へ収めた。
封はしなかった。
まだ。
馬に乗った。
二人の随行者も、彼と共に向きを変えた。
出発する前に、ユストは最後に門を見た。
「門のそばの血が、君たちの名を国家に変えるわけではない」
ショーンゴが答えた。
「一つの印章が、殺人を法に変えるわけでもない」
ユストは何も言わなかった。
馬たちは濡れた道を進み始めた。
ランゼはその背を見送った。
「拘束するべきだった」
「何のために?」
「あの少年のためだ」
サルマは動かずに立っていた。
ランゼは盾を握りしめた。
「奴が俺たちを門に縛りつけていた間に起きたことのためだ」
ショーンゴは町を見た。
人々はすでに通りへ出始めていた。
ユストの方へではない。
担架の方へ。
「証拠もなく拘束すれば、あいつもまた一人の捕虜になる」
「それがどうした?」
「次は、三人を取り戻すために来る」
ランゼは黙った。
サルマはケルトへ向いた。
「死亡時刻を記録して」
彼は青ざめた。
「三人全員ですか?」
「全員」
「襲撃者も?」
「そうよ」
ケルトは板を胸に押しつけた。
「なぜですか?」
エンナが庭の方から近づいてきた。
片手には、まだ包帯が巻かれていた。
反対側の袖にはレルタの血が付いていた。
「誰の命が一行に値するのかを選び始めた時点で、レヴェンガルドはもう勝っているからです」
ケルトは目を伏せた。
そして書き始めた。
夕方、町は返答について話さなかった。
書状に何が書かれていたのかも尋ねなかった。
ユストに門のそばへ立つ権利があったのかも議論しなかった。
人々は、捕虜の庭と干しリンゴを売る女の家を結ぶ暗い跡を見ていた。
誰かが石から血を洗い流した。
水は赤くなった。
それから薄い赤に。
そして再び透明になった。
だが人々は、もうそれを見ていた。
印章はレヴェンガルドへ戻っていった。
死者たちはラリオンに残った。
そして名を変えて以来、町は初めて、今誰が自分たちを支配しているのかではなく、
外の国々が、この町にも存在する権利があると認めるまで、あと何人が死ぬのかを問い始めた。




