エピソード53 帳簿の耳が鈍る部屋
乾燥場の裏にある狭い階段が
下の部屋へ続いていた
そこの壁は湿っていた
石は古い染料と埃と
一度も太陽を見たことのない水の匂いがした
オルデクが先に歩いた
彼の手の中で小さなランタンが震えていた
その後ろをベレンが歩いていた
縛られてはいなかった
だが彼と出口のあいだにはランゼが立っていた
縄よりもそれで十分だった
サルマがその後に降りた
彼女の腰の鍵束はもう鳴っていなかった
布で巻いていた
まるで今日だけは金属でさえ
余計なことを言いかねないとでもいうように
ショーンゴは一番下の段で足を止めた
彼は部屋を見渡した
低い天井
湿った壁
空の棚
左の壁際にある古い木の長椅子
そして中央の机
昔そこで染料の見本を乾かしていたものだった
ここに白い本はなかった
そのせいで空気は
ほとんど正直に感じられた
リオルが片耳を覆った
- ここは静かだ
サルマが彼へ振り返った
- 完全に
- いや
- 本の耳がここでは鈍るだけだ
オルデクはランタンを机に置いた
灯りが濡れた石の上で揺れた
- 古い役所はこの部屋を好まなかった
- ここでは記録が傷む
- インクが滲む
- 印章が弱くなる
扉のそばに立っていたデランが硬貨を鳴らした
- 役人が湿気を嫌うのは
- 骨のせいだと思っていたがな
オルデクは答えなかった
ベレンはゆっくり長椅子に座った
彼は管理者には見えなかった
権力から引きずり下ろされた役人にすら見えなかった
むしろ初めて
自分の命令が入ってこられない部屋に置かれた人間のようだった
サルマは彼の前に白い紙を置いた
本ではない
役所の帳面でもない
ただの紙だった
- 話しなさい
ベレンは白い表面を見た
- すべて話せば
- 町は俺だけを憎むわけではなくなる
- 町にはもうそれを聞く権利がある
彼はゆっくり頷いた
- 最初の本はこの町で作られたものではなかった
部屋はいっそう静かになった
壁の向こうの水さえ
遅くなったようだった
机の右側に立っていたケルトがペンを上げた
エンナは紙の端に手を置いた
止めたのではない
紙が動かないように押さえただけだった
ベレンは続けた
- レヴェンガルドからの支援だと言われた
- 債務を記録する新しい方法
- 小さな町のための新しい秩序
- 嘘を減らす
- 盗みを減らす
- 損失を減らす
サルマが冷たく聞いた
- 誰が言ったの
ベレンは目を閉じた
- 王ではない
- 直接ではない
オルデクが震えた
ショーンゴは彼を見た
オルデクは頭を下げた
- 東路官房を通してだ
サルマが鋭く振り返った
- あなたは知っていたの
- 印章は見た
- 中身は見ていない
- それが町の本ではないことは知っていた
オルデクは黙っていた
それで十分だった
ランゼが半歩前へ出た
彼の重みで床が低くきしんだ
オルデクはすぐに言った
- 普通の記録拡張だと思っていた
デランが小さく笑った
喜びはなかった
- 古い役所では
- いつも全部が普通だ
- 子どもが布紐になるまではな
ケルトは震えたが
ペンは下ろさなかった
ショーンゴが言った
- 書け
ケルトは記録し始めた
- 最初の本は外から来た
- 東路官房を通して
- 役所はそれをレヴェンガルドの支援として受け入れた
エンナは小さく頷いた
今度は直す必要がなかった
ベレンは膝の上で指を動かした
- 最初は借金だけを取っていた
- それから財産
- それから労働
- それから時間
リオルがゆっくり顔を上げた
- 時間
ベレンは彼を見なかった
- 払えない者がいれば
- 本は日数を記録した
- 一日の労働
- 三日
- 七日
- 一か月
- そして人々は
- 肉体が消える前から
- 自分の人生から消え始めた
扉のそばで少女と少年と一緒に立っていたメラが
静かに少女の肩を抱いた
少女は泣かなかった
それがかえって悪かった
レルタは暗い布に包まれた布紐のそばに立っていた
その視線がさらに鋭くなった
- つまり染工場が始まりではなかった
ベレンは首を振った
- 違う
- 染工場は
- それが見えるようになった場所だった
扉が短く叩かれた
一度
それから二度
入口に残っていたセイガは
すぐには開けなかった
まずショーンゴを見た
彼は頷いた
若い衛兵が部屋に入ってきた
顔は張り詰めていた
手には灰色の糸で結ばれた細い包みを持っていた
- 北門のそばで
サルマが包みを受け取った
- 誰が
- 保管庫の使い走りの少年です
- 親戚のところへ持っていくと言っています
- でも道は親戚の方ではありません
デランが近づいた
- 東か
衛兵は頷いた
- はい
サルマは包みを解かなかった
それを机の端に置いた
- エンナ
エンナが身をかがめた
糸には触れなかった
- 役所の灰色の糸です
- でも結び方は私たちのものではありません
オルデクが囁いた
- 官房のものだ
サルマが彼を見ると
彼はすぐ黙った
ショーンゴが言った
- 開けろ
レルタが細いナイフを取り出した
糸を引っかけた
切らなかった
そこに糸ではなく牙があるかのように
慎重にほどいた
中には小さな紙があった
長い文章はなかった
数語だけだった
ケルトが声に出して読んだ
- 本は開かれた
- 名は取られていない
- 古い聴き耳は鈍っている
- 朝の騎馬使者が必要
部屋では誰もすぐには話さなかった
ベレンはゆっくり顔を手で覆った
サルマが言った
- つまり彼らは知らせを待っていた
オルデクが囁いた
- 役所の全員が知っていたわけではない
- 誰が知らなかったかはどうでもいい
サルマが言った
- 私が知りたいのは
- 誰が知っていたかよ
ショーンゴは紙の端を二本の指でつまんだ
そこにあるインクがかすかに震えた
恐怖ではない
認識だった
机のそばの空気が重くなった
ランタンが揺れた
紙は燃えなかった
黒くもならなかった
ただそこにある文字が
少し低く沈んだ
まるで誰かに頭を下げさせられたように
ショーンゴは紙を離した
指が一瞬また重くなった
彼はそれを見せなかった
だがセイガはまた気づいた
そしてまた黙った
- 朝の騎馬使者は出ない
ショーンゴが言った
サルマは衛兵へ向き直った
- 少年は殴らない
- 脅さない
- 別に座らせる
- 水を与える
- 証人を二人つける
- そして待たせなさい
衛兵は驚いて瞬きした
- 彼は知らせを運んでいました
- だからこそ
- 誰から渡されたかを話すまで生かす
デランが低く言った
- これはもう秩序の響きだな
サルマは彼を見なかった
- まだ秩序じゃない
- 私たちが愚かでいるのをやめただけよ
ベレンは顔から手を下ろした
- 朝の騎馬使者が出なければ
- 彼らは気づく
ショーンゴが答えた
- 気づかせておけ
- なら彼らは別の誰かを送る
- 送らせておけ
ベレンは目を上げた
- お前はレヴェンガルドが何か分かっていない
部屋が冷たくなった
魔法ではない
古い名がまた
部屋にいる人々より大きくなろうとしたからだった
ショーンゴはゆっくり首を傾けた
- なら分かるように話せ
ベレンは青ざめた
そこには誇りがなかった
叫びもなかった
脅しすらなかった
そこにあったのは
ただショーンゴの前へ
もう一つ境界を置くなら置いてみろという招きと
それが生き残るか見てみろという冷たさだけだった
ベレンは息を飲んだ
- レヴェンガルドは
- すぐに軍で来るわけではない
- まず法が来る
- 次に手紙が来る
- それから
- お前たちは自分から保護を求めたのだと言う者たちが来る
- 次に
- お前たちの誰も見たことがない証人が来る
- それから印章を持った使者が来る
- そして印章が効かなかった時だけ
- 剣が来る
ケルトは素早く書いていた
エンナは一つ一つの言葉を見張っていた
サルマは動かずに聞いていた
ランゼは盾の革紐を握りしめた
メラのそばの少女が
初めて布紐ではなく
ベレンへ顔を上げた
- 彼らは
- 私たちが自分で望んだと言うの
ベレンは答えられなかった
代わりにオルデクが答えた
- そうだ
少女は半歩下がった
少年が彼女の前に立った
メラはその肩に手を置いた
ショーンゴは夜の知らせが書かれた紙を見た
- なら朝までに
- 町は自分の証人を持つ
サルマは頷いた
- そして自分の扉も
レルタは布紐を暗い布に戻した
- そして自分の証拠も
リオルが低く付け加えた
- そして自分の呼吸も
デランが硬貨を指のあいだで回した
- あとは
- それが息切れしないよう教えるだけだな
壁の向こうで水がまた擦れるように鳴った
乾燥場の下にある古い部屋は沈黙していた
帳簿の耳はここまで届かなかった
だが東への道は
もう目を覚まし始めていた




