エピソード54 一つひとつの言葉に二人
包みを持っていた少年は
乾燥場の下の部屋には連れてこられなかった
サルマは彼を隣の通路に座らせるよう命じた
そこは石が湿っていたが
扉からはまだ中庭の光が見えた
恐怖で彼を折るほど暗すぎず
他人の顔色から答えを探せるほど開けてもいない場所だった
彼のそばには水が置かれた
ナイフではない
縄でもない
水だった
そして二人の証人
デランは扉の右側に立ち
指のあいだで硬貨を回していた
レルタは左側に立ち
白い布紐を暗い布に包んで持っていた
少年は硬貨と布紐を交互に見ていた
どちらの方が恐ろしいのか
決められないようだった
サルマは彼の前に立った
- 名前
少年は息を飲んだ
- ネルヴ
細い肩の少年だった
返事を探すたびに
杯の縁を親指でなぞる癖があった
ケルトが記録した
エンナはそのそばに立ち
ケルトの手ではなく
彼が選ぶ言葉を見ていた
サルマが言った
- 誰が包みを渡したの
ネルヴは水の入った杯を握りしめた
- 中身は知らなかったんです
- 何を知っていたかは聞いていない
- 誰が渡したかを聞いている
彼は頭を下げた
- 裏の保管庫のそばにいた男です
デランが低く硬貨を鳴らした
- 今日はどういうわけか
- 一番正直な連中がみんな保管庫のそばに立っているな
レルタは少年から視線を逸らさなかった
- どんな見た目だった
ネルヴは黙った
サルマは声を荒げなかった
- 私たちよりその男の方が怖いなら
- そう言いなさい
少年は鋭く目を上げた
- 知らない人です
- でも怖い
彼は頷いた
ゆっくりと
- 灰色の袖口でした
- 町のものじゃない
- それに袖に結び目がありました
- 包みの糸と同じ結び目です
エンナは紙へ身を寄せた
- 記録して
ケルトは書いた
- 灰色の袖口
- 官房の結び目
- 町のものではない
サルマが聞いた
- どこへ持っていけと言われた
- 北門へ
- そこに馬を連れた男がいるはずだと
- 誰もいなければ
- 道の先にある古い石まで行けと
サルマの背後に立っていたランゼが
ゆっくり盾の革紐を握りしめた
- 門の外か
ネルヴは頷いた
- はい
- なぜ受けた
ネルヴは長く黙った
それから言った
- 母さんの名前を知っていたから
通路が静かになった
デランでさえ硬貨を回すのをやめた
- もし運ばなければ
- 母さんの借金を本に戻すと言われました
ケルトは固まった
ペンは紙に触れていたが
動かなかった
エンナが低く言った
- 書いて
ケルトは息を吐き
記録した
- 母親の借金を使った脅迫
- 実行者は恐怖で使われた可能性がある
サルマは少年を長く見た
その顔が柔らかくなったわけではない
だが声は少し低くなった
- 夜は門が閉じていると知っていたね
- はい
- 命令に逆らっていると知っていたね
- はい
- それが人を死なせるかもしれないと知っていたね
ネルヴは顔を上げた
目に悔しさが浮かんだ
勇敢なものではない
子どもの
剥き出しのものだった
- でも行かなかったら
- 母さんを取られるんです
染工場の少女のそばに立っていたメラが
低く息を吸った
少女は兄の指を握りしめた
サルマはすぐには答えなかった
これは言い訳ではなかった
証拠だった
古い秩序は
誰かを救おうとした者を罪人にする方法を知っていた
ショーンゴは下の部屋の入口に立っていた
それまで黙っていた
そして言った
- 今は彼を罰するな
サルマは彼へ振り返った
- 彼は知らせを運んだ
- 恐怖を運ばされた
ネルヴが震えた
ショーンゴは彼を敵として見ていなかった
だからこそ少年は
座っていることがさらに苦しくなった
- 恐怖も手紙として使える
ショーンゴが言った
- 問題は
- それを書いたのが誰かだ
サルマはゆっくり頷いた
- 別に置く
- 見張りをつける
- 母親を保護する
- 彼女の借金には触れない
- 本を確認するまでは
壁のそばに立っていたオルデクが囁いた
- もしその借金がすでに古い記録にあるなら
サルマは鋭く彼を見た
- ならどこにあるのか示す方法を見つけなさい
オルデクは頭を下げた
- はい
デランはまた硬貨を弾いた
今度は受け止めなかった
硬貨は石に落ち
ネルヴの足元へ転がった
少年は固まった
デランは身をかがめて拾った
- 見ろ
- 硬貨だって押されれば
- 床が許す方へ転がる
- それで無罪になるわけじゃない
- だが誰が床を傾けたかは分かる
サルマが言った
- もう十分
だが怒ってはいなかった
ネルヴは連れていかれた
扉のところで彼は止まった
完全には振り返らなかった
ただ聞いた
- 道の先の石がどこか
- 言えば
- 言うことになる
サルマが答えた
- でも今ではない
- まず水
- 次に母親
- それから二人の証人
- その後で石
ネルヴは頷いた
今度の彼は
処刑へ向かう者には見えなかった
むしろ判決を猶予された者のようだった
そして時には
猶予された判決こそが
生の最初の息になる
扉が閉まると
サルマは机へ戻った
そこには三枚の紙が置かれていた
ベレンの告白
夜の知らせ
ネルヴの最初の記録
三つの薄いもの
そしてそのすべてが刃になり得た
エンナは紙の端のそばに手を置いた
- 一緒には置けません
ケルトはすぐに顔を上げた
- なぜだ
- 一つの記録が壊されたら
- 他のものまで引きずられます
オルデクが頷いた
- 彼女の言う通りだ
- 古い本はそうやって動いていた
- 借金が労働に絡みつく
- 労働が時間に絡みつく
- 時間が体に絡みつく
レルタが言った
- なら分ける
サルマは指で机をなぞった
- 三つの場所
- 四つだ
ショーンゴが言った
全員が彼を見た
- 告白
- 知らせ
- 証人
- そして嘘をつかされるかもしれない者たち
デランが低く口笛を吹いた
- 未来の嘘つき用の別棚か
- 思ったより正直だな
ショーンゴは彼へ目を向けた
デランはすぐに笑みを消した
- 黙る
- 違う
ショーンゴが言った
- 嘘を見た時は話せ
- 恐怖を飾りたくなった時は黙れ
デランは一瞬固まった
それから硬貨をポケットにしまった
- 分かった
壁の向こうで
また水が擦れるように鳴った
リオルは耳を覆った
- 上で町が耳を澄ましている
サルマが聞いた
- 何が聞こえる
- 足音
- 多い
- 路地が目を覚ました
ランゼが盾を上げた
- 反乱か
リオルは首を振った
- 違う
- 人々が家から出ている
- 全員がこちらへ来ているわけではない
- 隣人が出たか確かめている者もいる
サルマは一瞬目を閉じた
- いい
ケルトが驚いたように彼女を見た
- いいんですか
- ええ
- 互いを見ているなら
- まだ本だけを見ているわけではない
扉がまた叩かれた
今度は合図ではなかった
不安げな叩き方だった
セイガが開けた
通路には二人が立っていた
腕に包帯を巻いた老婆
そして古い染料の染みだらけの作業用前掛けをつけた男
彼らの後ろの衛兵が言った
- 染工場のそばの路地です
- 子どもたちが連れていかれるのを見たそうです
女は目を伏せなかった
男は伏せた
サルマが言った
- 名前
女が先に答えた
- ニーラ
包帯の端を親指で押さえる癖のある老婆だった
少し間を置いて男が答えた
- フォルス
彼は話す前に
いつも前掛けの染みを見下ろす男だった
ケルトが記録した
エンナは二人を見ていた
- 別々に話してもらいます
ニーラは頷いた
フォルスは震えた
- 別々に
サルマの代わりにレルタが答えた
- 真実が一つなら
- 二つの部屋に耐えられる
フォルスは青ざめた
ニーラは彼へ振り返った
- 言ったでしょう
- 黙っていても
- あの子たちは戻らなかった
フォルスは目を閉じた
- 怖かったんだ
- 私も怖かった
ニーラが言った
- でも今はもっと怖い
- 私たちが自分で差し出したことにされるのが
染工場の少女は
通路からそれを聞いた
彼女の兄は拳を握りしめた
メラは静かにその肩へ手を置いた
止めたのではない
ただ一人ではないと
思い出させただけだった
サルマが言った
- ニーラはこちらへ
- フォルスは隣の通路へ
- それぞれに二人ずつ
- ケルト
- 二つ目の証言が出るまで
- 罪人という言葉は書かない
ケルトは頷いた
- もし二人の話が食い違ったら
ショーンゴが答えた
- 矛盾を消すな
- それを書け
エンナが低く付け加えた
- 古い本はきれいな記録を好みました
- 新しい記録は汚れに耐えなければなりません
サルマは彼女を見た
そしてこの夜で初めて
ほとんど笑いかけた
- それは取っておきなさい
- 明日必要になる
ニーラは机の向かいに座った
包帯を巻いた手は震えていた
だが声は震えなかった
- 彼らは夜に来たのではありません
- 昼でした
- 人前で
- 子どもたちを労働記録に入れると言ったのです
ケルトは書いていた
- 誰が言った
ニーラはベレンを見た
ベレンは彼女が名を言う前に目を伏せた
- 役所の補佐役です
- この人ではありません
- でもこの人の印章がありました
全員の視線がベレンへ向いた
彼は動かずに座っていた
- そうだ
彼は言った
- 許可証には俺の印章があった
サルマが聞いた
- その許可証を見たの
- いや
- 俺がいなくても印章を使えるようにした
ランゼが一歩動いた
サルマが手を上げた
- 止まって
ランゼは止まった
だが彼の盾は
水が壁の向こうで震えたように思えるほど重く
石に突き立てられていた
ショーンゴはベレンを見ていた
- なぜだ
ベレンはすぐには答えなかった
- その方が早かったからだ
デランが低く言った
- 出たな
- 役所で一番安い言葉だ
サルマはベレンから目を離さなかった
- 早かった
ベレンは頷いた
- ああ
- 子どもを連れていくのが早かった
彼は手を握りしめた
- 俺は
- そんなことになるとは
- 違う
サルマが遮った
- あなたは考えていた
- ただ最後まで考えなかった
部屋はケルトが書くのを止めるほど静かになった
ショーンゴが言った
- それを書け
ケルトは目を上げた
- そのまま
- そうだ
ケルトは書いた
- 管理者は自身の確認なしに印章を使用することを許可した
- その方が早かったためである
ペンが震えた
エンナは彼の手のそばに指を置いた
触れはしなかった
ただそばにいた
ニーラはその記録を見ていた
その顔に勝利はなかった
ただ疲れだけがあった
- これで
- それは存在します
彼女は言った
ケルトは分からなかった
- 何が
- みんな知っていたことです
- でも誰も手に持てなかったもの
サルマはゆっくり頷いた
- だから証人が必要なのよ
頭上で足音が鳴った
一度
二度
三度
扉の衛兵が身構えた
やがて上から誰かが叫んだ
- 古い井戸の路地が二人連れてきた
すぐ別の声が続いた
- パン屋からも二人
さらに三つ目の声
- 南倉庫のそばで
- 誰が先に話すかで揉めています
デランが顔を上げた
- おお
- 町が新しい喧嘩の仕方を覚えたぞ
サルマが鋭く言った
- その場で待たせなさい
- でも誰も二人目なしでは話さない
- そして誰も白い本のそばでは記録しない
衛兵は走って戻っていった
ショーンゴはゆっくり階段の方へ向き直った
上からは夜の冷気が流れてきた
そして別のものも
魔法ではない
動きだった
オルヴェンは
もう救われた町としてだけ目を覚ましているのではなかった
初めて自分の傷を感じた体のように
目を覚ましていた
サルマはショーンゴのそばへ来た
- 朝までに全員は無理よ
- 全員でなくていい
- ならどれだけ
ショーンゴは上を見た
石の向こうで
路地がもうざわめいている方を
- レヴェンガルドの最初の手紙が
- 町で唯一の声にならないだけの数だ
サルマはゆっくり息を吸った
- 私たちが間に合う前に手紙が来たら
- 扉が迎える
- 扉で足りなかったら
ショーンゴは視線を彼女へ下ろした
- 俺が迎える
サルマは笑わなかった
だがこの夜で初めて
彼女の肩が少し下がった
弱さからではない
重さの一部を
一人で背負わなくてもよくなったからだった
下ではニーラが話を続け始めた
ケルトが書いた
エンナが言葉を見張った
ランゼが境界を保った
レルタが証拠を保った
リオルが町を聞いていた
デランは上へ向かった
すでに人々が
最初に語る権利をめぐって言い争っている場所へ
そして東の道には
まだ騎馬使者はいなかった
だが夜はもう
その者が待たれていることを知っていた




