エピソード49 外部の卓
紋章には色がなかった
だからこそ青よりも危険に見えた
波の上に立つ三つの細い塔が
映り込んだページの端に浮かんでいた
印章としてではなく
署名としてでもなく
そこを満たす何かを待つ場所として
青い桶は黙っていた
だが染料の部屋全体が
さらに深く耳を澄ませ始めたようだった
ショーンゴは紋章から目を逸らさなかった
- これはレヴェンガルドじゃない
彼は言った
タルヴェンは息を飲んだ
- 違う
- 地元の役所でもない
- 違う
レルタは少女のそばに立ち
短刀の刃が青い糸にも白い布紐にも触れないように構えていた
セイガはその隣でしゃがみ込み
乾いた板の破片を手にしていた
メラは少年の肩を押さえていた
リオルは桶を見ずに
少女の呼吸を聞いていた
ミロスがタルヴェンの両手を縛る縄を少し強く締めた
- 続けろ
タルヴェンは逆らわなかった
- 外部の卓
- 王国ではない
- 役所でもない
- 古い所有者から切り離されたが
- まだ新しい所有者には渡されていないものが移される場所だ
ショーンゴはゆっくり彼へ顔を向けた
- 町か
タルヴェンは映り込みの中の白い行を見た
- そうだ
役所の中庭では
オルデクが同じページの前に立っていた
紙の上
町名オルヴェンの下に紋章が浮かんでいた
波の上に立つ三つの細い塔
その下の空白の行はゆっくりと暗くなっていた
まるでインクが
誰が最初にその空白へ印章を落とす権利を持つのか
待っているようだった
サルマはオルデクの袖を掴んでいた
- 外部の卓って何
オルデクはすぐには答えなかった
ランゼはアーチのそばに立っていた
ケルトとエンナは本に触れていなかった
ベレンは階段のそばで黙っていた
そして今回の沈黙は
もう権威には見えなかった
オルデクはようやく言った
- 一人の領主ではない
- 一つの家でもない
- 古い記録を他人のものにする場所だ
ケルトは歯を食いしばった
- 人間をか
- 人間もだ
オルデクが言った
エンナは空白の行を見た
- でもここにあるのは人の名前じゃない
オルデクは頷いた
- だからもっと悪い
ベレンが低く言った
- 町がそういう卓を通れば
- 古い所有者はもう責任を負わないと言える
- 新しい所有者はまだ受け取っていないと言える
アーチのそばで
デランは硬貨を回すのをやめた
- その間なら何でもできるわけだ
誰も答えなかった
答えはもうページの上にあった
染料の部屋で
少女の首にある白い布紐が張った
少女は震えたが
声は上げなかった
唇が一瞬開いた
口元の青い糸がすぐに近づいた
少年が飛び出そうとした
メラが両手で彼を押さえた
- 名は呼ばない
彼女は言った
- 見ていい
- でも呼ぶな
彼は震えていた
目は濡れていた
それでも何も言わなかった
少女も黙っていた
その沈黙が
二人にとって最初の共通の救いだった
ショーンゴは白い布紐へ視線を落とした
- まだ縛られている
リオルは頷いた
- 呼吸はもう彼女のものだ
- でも返答はまだそばにある
タルヴェンが低く言った
- 白は確認する者を探す
- 町でなければ証人
- 証人でなければ
- 受け取りに来た者
レルタが彼を見た
- つまり私たちが間違って引き出せば
- 彼女を私たちに対する証拠にされる
- あるいは彼女に対する証拠に
タルヴェンが言った
- あるいはオルヴェンに対する証拠に
ショーンゴは動かなかった
彼は青い桶を見ていた
その深みでは
オルヴェンの下の白い行が暗くなっていた
外部の卓の紋章はそのそばにあった
だがまだ行に完全には触れていない
印章は待っていた
力ではない
血でもない
偽装できる同意を
ショーンゴはゆっくり手を上げた
タルヴェンが鋭く強張った
- 触れれば それを受け入れと取られる
- 触れない
- 拒めば 行そのものを拒んだことになる
- それを少女へ移されるかもしれない
ショーンゴは彼を見た
- なら何が必要なんだ
タルヴェンは黙った
ショーンゴは待った
今度の沈黙は長かった
やがてタルヴェンは息を吐いた
- 空白はそれだけでは移れない
- 印章が必要だ
- あるいは印章の代わりになることに同意する者が
ミロスが少し身を寄せた
- ここで誰が印章になるはずだった
タルヴェンは少女へ視線を移した
メラの背後で少年が真っ白になった
レルタが短刀の柄を強く握った
- 子どもを
- 証人だ
タルヴェンが訂正した
- 彼らには違いはない
セイガは板の破片で床をなぞった
白い布紐と
桶へ伸びる青い糸とのあいだに
乾いた帯が落ちた
糸が震えた
切れはしなかった
だが髪の毛一本ぶんだけ退いた
- 名のない境界を嫌がっている
セイガが言った
- でも弱い
ショーンゴはゆっくり頷いた
- なら強くするんじゃない
- 正しくする
タルヴェンが彼を見た
- どういう意味だ
ショーンゴは彼には答えなかった
少女を見た
- お前は印章じゃない
少女が瞬いた
青い糸は動かなかった
ショーンゴは続けた
- お前は行でもない
糸はまた動かなかった
タルヴェンが固まった
セイガが最初に理解した
- 彼女に問いかけていない
- 彼女の名も呼んでいない
リオルが低く続けた
- 使われそうな言葉を切り落としている
ショーンゴは少年を見た
- 彼女はお前の返答じゃない
少年は息を詰まらせた
それでも頷いた
メラは彼の肩を離さなかった
だが指の力は少し柔らかくなった
ショーンゴはレルタへ向き直った
- 布紐は切るな
- 文字に触れていない側から外せ
レルタはゆっくり布を目で追った
- そこに文字はない
- だからだ
セイガが乾いた板を白い布紐の端の下へ差し込んだ
肌には触れない
急に持ち上げもしない
レルタは短刀の柄で布をすくった
白い布紐は一瞬
重くなったように見えた
青い桶が震えた
役所の中庭で
ケルトはオルヴェンの下の白い行が
さらに速く暗くなるのを見た
- 押している
オルデクが青ざめた
- 誰かが縛りを外している
サルマが鋭く彼を見た
- 悪いことなの
- 間違えれば そうだ
エンナはページへ身を寄せた
だが触れなかった
- 行は空白です
- 自分を満たすものを探しています
ランゼは本の前に盾を立てた
覆ったのではない
本と人々のあいだに立った
- なら誰も自分を渡すな
サルマが鍵を掲げた
- 全員 もう一歩下がって
今度は人々がすぐに下がった
彼女を恐れたからではない
不用意な一つの動きが
他人の記録の一部になり得ると理解したからだった
白い行は暗くなるのをやめた
消えはしなかった
だが止まった
染料の部屋で
少女の唇のそばの青い糸がさらに少し緩んだ
リオルが低く言った
- 最後の一つで持っている
- 何で
メラが聞いた
リオルは聞いていた
- 返答への期待だ
- 誰かが耐えきれなくなるのを待っている
少年は目を閉じた
唇が白くなるほど噛みしめた
少女は彼を見ていた
そして彼女も黙っていた
ショーンゴはこの夜で初めて
かすかに笑った
温かくはない
満足げに
- お前たち二人は
- この仕組みが思っていたより賢い
青い桶が低く唸った
映り込みの中で
波の上に立つ三つの塔の紋章がより鮮明になった
白い行の上に細い文字が浮かんだ
名前ではない
命令でもない
空白で作られた問いの印だった
タルヴェンが囁いた
- 卓が問うている
- 誰が受け取るのかと
ショーンゴは空の桶を見ていた
色を持たないそれは静かに立っていた
だがその縁に
薄い白い粉のようなものがつき始めていた
- 所有者を欲しがっている
ショーンゴが言った
- 欲しがっているのは権利だ
タルヴェンが答えた
- 所有者は権利のあとに来る
- なら権利はない
タルヴェンが鋭く彼を見た
- それを返答のように言うな
ショーンゴは手を下ろした
桶へではない
床へ
指は青い痕に触れなかった
セイガが作った乾いた帯に触れた
冷えはすぐに手へ入った
そばの板が小さく割れた
力によってではない
空間が一瞬
木より重くなったからだ
ショーンゴはそれ以上押さなかった
動きを
始まった場所に留めた
境界の上だけに
乾いた土の上だけに
青い桶が震えた
中庭の映り込みで
オルヴェンの下の白い行が完全に開いた
外部の卓の紋章が近づいた
そして止まった
その紋章と空白とのあいだに
細い線が浮かんだからだった
黒ではない
青でもない
燃え尽きた印章のあとの灰のような灰色
中庭でオルデクが囁いた
- 境界
ケルトはページを見ていた
- 彼だ
サルマは誰とは聞かなかった
ランゼも聞かなかった
干上がった水盤のそばにいた者たちはもう知っていた
誰の沈黙が
印章よりも重くなり得るのか
染料の部屋で
少女の首の白い布紐がついに緩んだ
勝手に落ちたのではない
ただ肌を掴むのをやめた
レルタはゆっくりそれを外した
セイガは乾いた板を
布紐と青い糸のあいだに保っていた
メラは少年を離さなかった
リオルは呼吸を聞いていた
少女は息を吸った
一度
二度
三度
唇のそばの青い糸が消えた
美しくもなく
鮮やかでもなく
ただ濡れた糸になり
布の上へ落ちた
少年は膝から崩れた
- もう
メラはリオルを見た
リオルは頷いた
- 今なら名を呼ばずに近づける
少年は少女のそばへ這い寄った
彼は彼女の名を呼ばなかった
彼女も彼の名を呼ばなかった
ただ額を合わせた
そして今度こそ
染工場は何も取れなかった
ショーンゴは立ち上がった
腕は肘まで冷えていた
彼は顔には出さなかった
だが指が一瞬だけ言うことを聞かなかった
セイガは気づいた
口には出さなかった
ただショーンゴの右側へ少し近づいた
タルヴェンも気づいた
そして初めて笑わなかった
- 印章もなく境界を置いたな
ショーンゴは彼を見た
- 違う
- 他人の印章が境界を越えるのを許さなかっただけだ
タルヴェンはゆっくり息を吐いた
- 外部の卓にとっては
- それはほとんど同じだ
- なら覚えさせる
空の桶がかすかに鳴った
その内側の壁に
細い灰色の線が現れた
本に出たものと同じだった
勝利ではない
破壊でもない
越えようとしていた相手を抜きに
これ以上進むことを禁じる線だった
レルタは白い布紐を持ち上げた
- これは持っていくの
タルヴェンが鋭く言った
- 慎重に
- 間違って運べば また空白になる
セイガは布紐を見た
- 畳まない
- 丸めない
- 青いものに触れさせない
ショーンゴは頷いた
- 証拠は中庭へ
- 少女もだ
- だが大通りは使わない
メラが彼を見た
- なぜ
- 誰かが彼女を人前で喋らせる場面を待っているなら
- その舞台は与えない
メラはすぐに頷いた
少年は少女を支えた
少女は弱々しく立っていた
だが自分の足で立っていた
それが重要だった
役所の中庭では
サルマがすでにアーチへ向かっていた
- 窓のない保管室
彼女は言った
- 今すぐ
オルデクが身を震わせた
- そこには本だけとは限らない
- だからあなたが先に行く
ベレンが顔を上げた
- 俺も行く
ランゼが彼を見た
- 頼んでいるのか
- 違う
ベレンが言った
- そこに俺の印があるなら
- 人々はそれを他人の言葉ではなく
- 自分の目で見るべきだ
サルマは必要以上に長く彼を見た
- いい
- でも先頭はオルデク
- あなたは二番目
- ランゼが三番目
- デラン 私たちの後ろに
- ケルトとエンナは開いた本のそばに残る
デランは硬貨を手の中に隠した
- ようやく話より高いものが出てきた
彼は彼らの後に続いた
ケルトは本のそばに残った
エンナは白い行に触れない距離でページを押さえていた
紙の上で
波の上に立つ三つの塔の紋章は消えなかった
ただ灰色の境界の向こう側に立っていた
そして待っていた
染工場で
ショーンゴは最後にもう一度青い桶を見た
中庭の映り込みは暗くなっていた
今そこに見えていたのは人々ではない
扉だった
細い扉
窓のない扉
鉄の留め具に古い役所の印章がついた扉
タルヴェンが低く言った
- 彼らが保管室を開ける
ショーンゴは出口へ向き直った
- ならここは終わりだ
レルタは桶を振り返った
- この場所が背中で息を吹き返さないと本気で思うの
ショーンゴは止まらなかった
- 吹き返す
- だがもう先手ではない
リオルは片耳を手で覆った
- 声が弱くなっている
セイガは床を見た
- 糸もだ
ミロスがタルヴェンを前へ押した
- なら行くぞ
少女は濡れた布の後ろから出てきた
少年はその手を握って隣を歩いた
メラは反対側を歩いた
力で支えてはいない
ただ少女の足が裏切った時に
そこにいるためだった
彼らが染料の部屋を出る時
白い桶が沈黙へもう一つ小さな音をぶつけた
今度は誰も振り返らなかった
役所の中庭では
サルマ オルデク ベレン ランゼ デランが
窓のない保管室の前で止まっていた
鉄の留め具には
古い役所の印章がついていた
レヴェンガルドのものだった
だがその下には
誰かがずっと前に同じ紋章を引っかいていた
波の上に立つ三つの細い塔
サルマが鍵を持ち上げた
そして金属が鍵穴に触れる前に
内側から
かさりと音がした
まるで闇の中で
ページが勝手にめくられたように




