エピソード43 閉ざされた扉のない夜
緑の印がついた最初の行が
声に出して読まれた
そのあと古い役所の中庭はもう
鐘が鳴る前の場所には戻れなかった
アーチの向こうにいた人々は
すぐには入ってこなかった
最初は通りに立っていた
肩と肩を寄せ合ったまま
噂と真実の境を越える覚悟が
まだできていないかのように
それから一人の女が中庭へ足を踏み入れた
その後ろに二人の男
さらに誰かが続いた
群衆が中へなだれ込んだのではない
人々は一人ずつ入ってきた
だからこそ余計に重かった
ランゼは左側
アーチのそばに立ったまま盾を動かさなかった
聞きに来た者は通した
だが乱暴に押し通ろうとした者は
誰もが自分で足を止めた
なぜならその前にあったのは
ただの盾ではなかった
そこにいたのはランゼだった
レルタは彼の少し後ろ
アーチの内側寄りにいた
そこからなら通りも
タルヴェンも
階段のそばにいる人々の端まで見えた
リオルは人々の中央に近い場所に立っていた
肩が互いを押し始めている場所だった
彼は癒やしていたわけでも
言葉でなだめていたわけでもない
ただ時折
肩に
肘に
手首に触れた
すると誰かが腕を下ろした
誰かが隣の者を押すのをやめた
誰かがまだ静かに息を吸えることを思い出した
ケルトは干上がった水盤のそばに立っていた
エンナはその隣にいた
メラはエンナの右側にいた
群衆の視線の中で
彼女が一人にならない程度には近くに
サルマは少し離れて鍵を手にしていた
オルデクは印章のそばにいた
一息のあいだでさえ
印章から目を離したくないかのように
ショーンゴは水盤の縁に立っていた
タルヴェンより少し左に
タルヴェンの両手は縛られていた
ミロスはその背後に立っていた
触れてはいない
だがタルヴェンが少しでも動けば
ミロスの手が最初に届く
ベレンは帳簿室の階段のそばに残っていた
もう何も言わなかった
だからこそ人々は今
かつての命令よりも強く
彼の沈黙に気づいていた
ケルトがページをめくった
紙が彼の指のあいだで乾いた音を立てた
大きな音ではなかった
だが中庭では
ほとんど全員がその音を聞いた
- 次の行だ
彼は言った
- 上には
- その者を東の水路の仕事に移したと書いてある
エンナがページに身を寄せた
指は震えていた
それでも声は保たれていた
- でも下には別のことが書かれています
彼女は言った
- 水の通り道を使って引き渡したと
- そして隣に緑の印がある
人々の中で
誰かが口を覆った
もう彼らは知っていた
その印が何を意味するのかを
道ではない
仕事でもない
失踪
サルマがゆっくりと鍵を握りしめた
- 東の倉に写しがあるはずだ
彼女は言った
オルデクが彼女を見た
- 持ち出されていなければな
- なら今行く
サルマは答えた
ショーンゴが目を上げた
- 一人では行くな
サルマは逆らわなかった
- 通りから証人を二人連れていく
彼女は言った
- 倉から一人
- あんた側から一人
最後の言葉にへつらいはなかった
怒りもなかった
ただ認めただけだった
今日はもう
鍵だけでは足りないのだと
ショーンゴは頷いた
- ランゼ
ランゼはアーチから目を離さなかった
- 聞いてる
- サルマに二人つけろ
ショーンゴは言った
- 先に考える者を選べ
- 武器に飛びつく者じゃなく
ランゼは短く鼻を鳴らした
- なら思ったより選択肢は少ないな
彼はアーチのそばにいる人々を見回し
がっしりした番人と
中庭の端で拳を握っていた老いた荷運びを選んだ
- お前たち二人
- サルマと行け
彼は言った
- よく見ろ
- くだらん英雄ごっこはなしだ
老いた荷運びが低く答えた
- そこで弟の名を見たら
- 俺は黙らんぞ
ランゼは横目で彼を見た
- 黙れとは誰も言っていない
- ただ馬鹿はするな
老人は返事を飲み込んだ
それでも頷いた
サルマは右へ向かった
庇の下にある東側の小倉へ
番人と荷運びが彼女に続いた
人々は渋々ながら道を開けた
それでも開けた
タルヴェンはその背を見送った
- 人が崩れかねないものを
- 彼ら自身に開けさせるのか
ショーンゴは彼を見なかった
- 違う
- もう一度
- 扉の外で待たせないだけだ
タルヴェンは無言でその答えを受け取った
納得したわけではない
ただ覚えた
デランは石のそばに立ち
指の間に硬貨を持っていた
硬貨は回っていなかった
- これはもう
- ただの読み上げじゃないな
彼は静かに言った
ショーンゴが彼を見た
- なら何だ
デランは硬貨を指の間で止めた
- 前は扉を背中の向こうで開けていた
- 今日は皆の前だ
それはただそう言っただけだった
飾りはなかった
そして近くにいた数人は理解した
変わったのは言葉ではない
変わったのは手順だった
ケルトが次のページを開いた
だが読み始める前に
アーチの向こうの通りから誰かが叫んだ
- 東の倉のそばで火事だ
群衆がすぐに揺れた
全員ではない
だが十分だった
誰かが顔を向けた
誰かが隣の者を肩で押した
誰かが本当に火があるのかも知らないまま
横へ飛び出そうとした
リオルが両手を上げた
- 止まれ
彼は鋭く言った
- 本当に燃えているなら
- もう人が向かっている
- 嘘なら
- お前たちは帳簿から引き離されているだけだ
人々は完全には止まらなかった
そのときランゼが二度目に盾を石へ打ちつけた
先ほどより鈍く
強く
- 今アーチへ走った奴は
- 最初に倒れる
- 敵にやられる前にな
そのほうが柔らかい言葉よりよく効いた
通りからの叫びがもう一度響いた
- 燃えてる
- 本当に燃えてるんだ
ショーンゴの右側
階段のそばにいたセイガが顔を上げた
叫びではなく
アーチの向こうの屋根へ
- 煙がない
彼は言った
ランがちょうど下の通路側から
一人の番人と戻ってきたところだった
彼はアーチのそばで足を止め
東の方を見た
- 俺は今あっちを通ってきた
彼は言った
- 倉のそばは静かだった
- 燃えているなら
- もうここまで煙の匂いが来ている
ショーンゴはランゼへ向き直った
- 叫んでいる奴を引きずり出せ
- 生かしてだ
ランゼは自分では行かなかった
アーチから半歩だけずれ
盾で二人の番人を示した
- お前たち
- 英雄ごっこはするな
番人たちは通りへ出た
数拍ののち
汚れたシャツを着た痩せた少年を連れて戻ってきた
殴ってはいない
両腕を押さえているだけだった
少年は怯えきっていた
足がほとんど体を支えていなかった
袖に緑の印はなかった
だが指からは車輪に塗る樹脂の匂いがした
煙ではない
焼けた木でもない
樹脂だった
デランが近づいた
- 誰に叫べと言われた
少年は黙っていた
唇が震えていた
タルヴェンが彼を見て静かに言った
- 名は知らない
ショーンゴが彼へ目を移した
- だがどこで樹脂を取ったかは知っている
少年がびくりと震えた
オルデクがその手首を取った
その指を光に近づける
それから背を伸ばした
- 北の倉のものだ
彼は言った
- 乾燥穴のそばで車輪に塗る樹脂だ
ベレンがようやく顔を上げた
- 北の倉は帳簿とは関係ない
その瞬間
サルマが庇の下から戻ってきた
手には薄い紙束を持っていた
後ろには番人と老いた荷運びがいた
老人の顔は灰色になっていた
- 今は関係ある
サルマは言った
彼女はケルトのそばに紙束を置いた
- 東の倉に写しはなかった
- 残っていたのは
- それを縛っていた紐だけ
- その床板の下にこれがあった
ケルトが一枚目を取った
その目がさらに暗くなった
- 証人の一覧だ
彼は言った
- 引き渡しを見た者
- 名を聞いた者
- 下段の行に身内がいる者
マレヴァが双子をさらに強く抱き寄せた
- つまり奴らは人を連れ出していただけじゃない
彼女は言った
- あとで誰の口を塞ぐ必要があるかまで
- 先に知っていたってことか
タルヴェンが静かに息を吐いた
- これでようやく
- 本当に読み始めたわけだ
ショーンゴが彼を見た
- お前の一覧か
- 違う
タルヴェンは答えた
- だが
- こういう一覧を何のために作るかは知っている
デランが硬貨を一度だけ回した
- 秩序を守るためか
タルヴェンはケルトのそばに置かれた紙を見た
- 秩序を生き残らせるためだ
- そのために誰かを片づける必要があってもな
それは悪い答えだった
嘘だからではない
石の上に置かれたすべてに
あまりにもよく合っていたからだ
ショーンゴは樹脂のついた指の少年へ歩み寄った
- 誰がそれを渡した
少年は唾を飲んだ
目がベレンへ走った
次にオルデクへ
それから人々へ
- 知りません
彼はようやく言った
- フードをかぶっていました
- 叫ばなければ
- 妹を下段の行に入れると言われました
リオルが歯のあいだから低く罵った
大きくはなかった
だが近くにいた者には聞こえた
ショーンゴは少年をもう一瞬見つめた
- その妹はどこだ
- 北側です
少年は息を吐くように答えた
- 乾燥穴のそばに
ショーンゴはセイガへ視線を移した
セイガはもうそちらを見ていた
- また罠かもしれない
彼は言った
- かもしれない
ショーンゴは答えた
- だが違ったなら
- 俺たちが罠かどうか決めているあいだだけ
- その子は生きている
タルヴェンがわずかに首を傾けた
- ここからだ
- 町がお前をいくつもの方向へ引き裂き始める
- どの叫びも真実かもしれない
- そしてどの真実も罠へ続いているかもしれない
ショーンゴは彼へ近づいた
- ならお前が先に行け
初めてタルヴェンはすぐに答えなかった
- どこへ
- 北側へ
ショーンゴは言った
- 罠なら
- 間近で見ることになる
- 真実でも同じだ
タルヴェンの背後でミロスがわずかに手を動かした
囚人の手首を縛る革紐がきしんだ
タルヴェンはゆっくりと笑った
- もう囚人を前に立たせるのか
- お前はこの道を知っている
ショーンゴは答えた
- だから先に行く
中庭は静まり返った
人々が理解できなかったからではない
理解しすぎたからだ
ショーンゴは守っているだけではなかった
もう強いていた
リオルがショーンゴを見た
何も言わなかった
だがショーンゴは気づいた
そして目をそらさなかった
- ランゼ
- 中庭を保て
- 保つ
- ケルト
- エンナ
- 読み上げは止めるな
- 証人の一覧は別にしろ
- 名前を読むたびに
- その者がここにいるかを聞け
ケルトは頷いた
- 長くなるぞ
- それでいい
ショーンゴは言った
- 皆の目の前で行われることは
- 隠しにくい
- サルマ
- オルデク
- 二人の証人なしで倉を開けるな
- ベレンはここに残す
ベレンが彼を見た
- 俺は逃げていない
- だからまだ立っている
ショーンゴは答えた
サルマが乾いた声で言った
- 私が見ておく
ベレンが彼女へ向き直った
- お前が
- そうだ
彼女は答えた
- 私は十分な年月
- 別の方を見てきた
- 今日はまっすぐ見る
ショーンゴはレルタへ頷いた
彼女はもうアーチのそばに立っていた
メラが少年へ近づいた
- 乾燥穴までの道を示しなさい
彼女は言った
少年はさらに怯えた
- 言っただろ
- 僕は脅されただけだ
- だから示すのよ
彼女は答えた
- ただ叫ぶよりましなことを
- まだできるうちに
それは厳しかった
だが空虚ではなかった
少年は頷いた
ショーンゴがアーチへ向かうと
群衆は自分から道を開けた
恐怖の前ほど早くはなかった
救い主の前ほど喜んでもいなかった
別の開き方だった
すでに秩序を置き始めた者の前で
その秩序が自分たちを救うかもしれず
町がまた嘘の中へ隠れようとすれば
押し潰すこともできる者の前で
タルヴェンはショーンゴの隣に連れていかれた
ミロスがその後ろ
レルタが前
メラと少年は少し右
セイガはショーンゴの左にいた
もう道ではなく
その中にある誤りを探していた
背後でケルトがまた声を上げた
- 次の名
そして今度
人々はただ聞いているだけではなかった
名前のあと
群衆の中から誰かが答えた
- ここにいる
次に別の声
- そいつはいない
三つ目の声がアーチの向こうからした
- 誰がそいつを見たか知ってる
役所の中庭はもう
ただ帳簿を読む場所ではなくなっていた
そこは町が帳簿に答え始めた場所になった
そしてショーンゴは
タルヴェンを前に置いて北の通りへ出ながら
もう理解していた
夜は始まったばかりだった
そして救われた一人一人が
さらにもう一つの隠された行を
引きずり出してくるかもしれないのだ




