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エピソード42 帳簿が語り始めた時

役所の鐘は

祝いのために鳴っていたわけではない


一つ目の音は

すでに中庭にいた者たちを集めた

二つ目は

窓へ顔を引き出した

三つ目は

隣の通りの扉を開かせた


ショーンゴがタルヴェンを連れて

古い役所の中庭へ戻った時

鐘はもう静まりかけていた


だが人々は違った


中庭の中央にある干上がった水盤は

肩と背中でほとんど見えなくなっていた

左のアーチのそばにはランゼが立ち

盾の縁を石に押し当てていた

彼は人々の入口を塞いでいたのではない

恐慌が外へ噴き出しそうな場所を押さえていた


右側の

帳簿室の階段のそばで

セイガはショーンゴより半歩低い位置に止まった

壊れた浴場で板に打たれた前腕はまだ痛んでいた

それでも彼は

負傷者のように腕をかばってはいなかった

ただ時々指を握り

まだ言うことを聞くか確かめていた


リオルは群衆に近い位置にいた

人々が一番強く押し合っている場所だ

彼が聞いていたのは言葉ではない


呼吸だった


ケルトは干上がった水盤のそばに立ち

開いた綴じ帳を手にしていた

その横の石の上には

サルマの鍵

オルデクの印章

下段の行が書かれた紙片

そして緑の封蝋が置かれていた


デランはケルトから少し離れて立っていた

指の間の硬貨は回っていない

今日だけはその硬貨でさえ

すべてがどう終わるのかを待っているようだった


サルマとオルデクは水盤の右側にいた

ベレンは彼らと階段のあいだに立っていた

縛られてはいない

だがもう

命令を出せる場所にはいなかった


マレヴァはニルとセナを自分の近くに置いていた

ガヴルは干上がった水盤の縁に座っていた

この騒ぎのあとでは

足が舌ほど早く言うことを聞かなかったからだ

カヴェルは杖を手にその隣に立っていた

エンナはメラのそば

下の段に座っていたが

彼女の後ろに隠れてはいなかった


タルヴェンが中庭へ連れてこられると

人々は恐れで下がったのではなかった


見覚えのないものを

見分けたから下がった


彼の顔を知る者は多くない

だが誰もが感じた


これは書記ではない

衛兵でもない

地元の実行役でもない


町がまだ知る前のものを

この町から持ち出しに来た誰かだ


タルヴェンはまっすぐ歩いていた

両手は背中で

レルタの帯で縛られている

ミロスは一歩後ろ

少し右寄りにいた

タルヴェンが

自分がなぜまだ生きているのか

忘れられないほど近くに


群衆の中で誰かが囁いた


- あいつだ


別の声がすぐに返る


- 誰だ


誰も答えなかった


ケルトはショーンゴが水盤のそばに立つのを待った

それから綴じ帳を少し高く掲げた


- 続きを読む


それは問いではなかった

それでも彼はショーンゴを見ていた


ショーンゴは頷いた


- アーチの外に立つ者にも聞こえるように読め


ケルトはページへ目を落とした


- 下段の行だ

と言った

- 上の行では

- この者は借財者として通っている

- ここには

- 労働によって借りは閉じられたとある

- だが下には別の言葉がある


彼は一瞬だけ黙った

芝居のためではない

人々が

その行がどこを殴るのか理解するための間だった


- 引き渡し


デランのそばにいた赤毛の女が

指が白くなるほど手を握りしめた


ケルトはすぐに彼女の夫の名を読まなかった

彼女を見た


- 自分で見るか


彼女は二歩近づいた

ショーンゴの方ではない

帳簿の方へ


ケルトが行を示した


女は長く見つめた

それから低く言った

だが中庭には聞こえた


- あの人だ


声は折れなかった

だからこそ重かった


- ここには借りじゃない

- 引き渡したと書いてある


群衆が揺れた


全部ではない

アーチのそばの端だけだった

それでも十分だった


リオルが手を上げた


- 下がれ

と言った

- 叫びでこれを失うな

- 帳簿がここにあるかぎり

- まだ彼らは

- お前たちの思い込みだったとは言えない


ランゼが盾の縁で

石を一度叩いた


鈍く

十分な音だった


人々は止まった


タルヴェンはそれを注意深く見ていた

ほとんど興味を持っているように


- まだ抑えられているのか

と言った

- 初日の夜にしては悪くない


マレヴァが鋭く彼へ顔を向けた


- あんたは人の話をする口を閉じた方がいい


タルヴェンはその視線を静かに受けた


- まさに人の話をするべきだ

- 人は

- すべての名を一度に渡された時

- 一番早く折れる


ショーンゴは彼を見る


- だからお前たちは

- 先に名前を奪っていた


タルヴェンはわずかに首を傾げた


- だから賢い人間は

- 一晩ですべてを開かない


ガヴルが乾いた咳をした


- 賢い人間ってのは

- 老人を夜中に水の方へ連れていく奴のことか


タルヴェンは答えなかった

それで十分だった


ベレンが突然口を開いた

大きな声ではない

だが数人がすぐに振り向くだけの声だった


- いま秩序もなしにすべてを読めば

- 中庭は自分自身を食い始める

- 人々は記録を握っていた者ではなく

- 隣人の中に罪人を探し始める


デランが彼を見る


- 今度は秩序の味方か


ベレンはその視線を受けた


- 私は最初から秩序の味方だった


赤毛の女が彼へ振り向いた


- ならどうしてその秩序は

- ずっと人を下へ奪っていたの


ベレンは口を開けた

だが腐って聞こえない言い訳を

見つけられなかった


オルデクは印章の入った箱を

ゆっくり水盤の縁へ近づけた


- 私たちは

- きれいな行が町を保つと思っていた

と言った

- だがそれは

- 町が腐っていく様を隠していただけだった


サルマが彼を見る

やさしくはない

だがもう敵を見る目ではなかった


- 飾るな

と言った

- 私たちは思っていたんじゃない

- 慣れていたんだ


その言葉は叫びより深く

群衆を貫いた


罪を消すものではない

それを全員へ均等にばらまくものでもない

ただ

古い仕組みがどう生きていたかを見せた


恐怖だけではない

慣れでもあった


ショーンゴは干上がった水盤へ一歩近づいた

タルヴェンを自分の少し左に立たせる

アーチのそばの者にも

階段の近くの者にも見える位置に


- 聞け


大きな声ではない

それでも群衆は

盾の音より早く静まった


- 今日

- 誰も一行のために隣人を斬らない

- 誰も疑いだけで家を焼かない

- 証人の前で名を読まれるまで

- 誰も人を石の上へ引きずり出さない


群衆の中から声が飛んだ


- じゃああいつらは


声はベレンや

帳簿室のそばにいる者たちへ向けて裂けた


- あいつらも待つのか


ショーンゴはその声の方へ顔を向けた


- そうだ


その一語は

否定よりも強く中庭を打った


人々は待ちたくなかった

だからこそ

待つことが新しい秩序の最初の命令になった


- 今日

- 違う者を殺せば

ショーンゴは続けた

- 明日

- 本当の名を隠した者たちは言う

- お前たち自身がすべてを壊したのだと


リオルは息を吐いた

その言葉が数人の肩を押さえたようだった


タルヴェンは横目でショーンゴを見る


- 覚えるのが早い


- お前が何度も

- 町は一つの部屋より重いと言ったからだ

ショーンゴは答えた

- つまりそれは真実だ

- そして真実は

- お前に返せる


その一瞬

タルヴェンは答えなかった


ケルトがページをめくった


- ここにもう一つ下段の行がある

と言った

- 受け取り手の名はない

- ただ緑の印だけだ


セイガは近づいた

ケルトの手から綴じ帳を奪わず

ページの端へ身をかがめる


- 同じ押し跡だ

と言った

- 二つに割れた葉


メラが

エンナのそばから顔を上げた


- 外の机


タルヴェンは黙っていた

だからこそ全員が

彼女の言葉が正しいと分かった


ショーンゴは彼を見る


- この町から

- お前たちの机を通った人間は何人だ


タルヴェンは

分からないふりをしなかった


- 数を知りたくなくなるほどには


マレヴァが袖の中の刃をわずかに握った


- もう一度

- 自分だけは汚れてないみたいな顔で

- お前たちと言ってみろ


ショーンゴは彼女を一歩も進ませなかった


- こいつは話す

と言った

- 話したいからではない

- 沈黙がもう

- こいつの扉を閉じてくれないからだ


タルヴェンは乾いた笑みを見せた


- 沈黙はいつも何かを隠す

- ただ時には

- 人々が真実を聞くことに疲れるまで待てばいい


デランがついに硬貨を一度回した

そして指の間で止めた


- 疲れなければ


タルヴェンは彼を見た


- パンを与えればいい

- あるいは恐怖を

- あるいは城壁の外の敵を見せればいい

- 何かは必ず見つかる


それは脅しというより

いつもの手順の説明に聞こえた


だからこそ中庭は

その言葉の中に

今日の夜だけではないものを聞いた


このあと来るかもしれないものを


ショーンゴはランゼを見る


- 門は


ランゼはすぐに理解した


- 西はオルヴェンが押さえている

- 東はまだだ


セイガが顔を上げた


- 水車が経路だったなら

- 東門には触れていないかもしれない

- 必要なのは道じゃなく水だ


メラが低く続ける


- でも鐘のあとなら

- 経路を変える可能性がある


ショーンゴは頷いた


- ランゼ

- 衛兵を二人

- 東門へ

- 町を闇雲に閉じるな

- だが荷車も

- 舟も

- 包みを持つ人間も

- 二人の証人なしでは出すな


ランゼは鼻で笑った


- まだ立てる奴に向いた仕事だな


彼はアーチのそばの逞しい衛兵を見た

その男はもう自分から背筋を伸ばしていた


- 俺が行く

と衛兵は言った


- 一人ではない

ランゼが答えた

- 今日この町では

- 渡された命令だけを抱えて

- 一人で歩く奴はいない


粗い言い方だった

だが正しかった


ショーンゴはケルトへ向き直る


- 読みは止めるな

- だが全部を一気には読むな

- まずは

- 引き渡しと緑の印がある行

- 次に

- 生きた証人がいる行

- そのあとで借りだ


ケルトは頷いた


- それなら最初の一時間で

- 人々は崩れきらない


- そして朝まで眠らない

デランが言った


ショーンゴは彼を見る


- 眠ってもらう必要はない


エンナがゆっくり下段から立ち上がった

メラは肩へ触れようとして

止めた


- 私も一部の行なら読める

とエンナは言った

- 略記を知っている

- 私なしだと

- 空白に見えるところがある


ベレンが鋭く彼女を見る


- 耐えられない


エンナはすぐには答えなかった

まずマレヴァのそばにいる双子を見る

次にガヴルを見る

そしてカヴェルを見る


- 黙っていることに

- もう耐えられなかった

と言った

- 読む方がまだ楽だ


美しい言葉ではなかった

だからこそ効いた


サルマは石の上から鍵を持ち上げた

人々が身構える

だが彼女はそれを

エンナの近くへ置いただけだった


- なら読むんだ

と言った

- 私は

- 写しが残っているかもしれない倉を開ける


オルデクはその横に印章を置いた


- どの許可が本物で

- どれが本物に見えるだけだったか

- 私が言う


ベレンは二人を見ていた

敵を見る目ではない


もっと悪い


自分の秩序から出ていき

許しを求めなかった者を見る目だった


タルヴェンが低く言った


- これで始まった


ショーンゴは彼を見る


- 何が


- 町が真実で

- 自分自身を切り始める


デランは首を振った


- 違う

- 町が初めて

- 自分の傷の場所を見ている


ガヴルが水盤の縁で

嗄れた声で笑った


- 見るなら

- まばたきするなよ


中庭のどこかで

この騒ぎが始まってから初めて

小さな笑いが起きた

明るい笑いではない

神経の引きつった笑いだ

それでも生きていた


その短い笑いは

恐怖を消しはしなかった

だが人々がまだ

顔のない群れにはなっていないと示した


ショーンゴはそれを聞いた

だからかもしれない

それ以上長くは語らなかった


- 朝まで

と言った

- 帳簿はここ

- 印章はここ

- 鍵はここ

- 証人はここ

- 門は二重の目で見る

- 一行でも持ち出そうとする者は

- 古い役所ではなく

- 町全体の前で答える


彼はタルヴェンへ目を移した


- 外の机は

- お前から始める


タルヴェンは怯えなかった

だが初めて

ショーンゴではなく

人々を見た


袖の中に刃を持つマレヴァ

帳簿のそばのエンナ

鍵を持つサルマ

印章のそばのオルデク

硬貨を持つデラン

綴じ帳を持つケルト

アーチのそばのランゼ

群衆の呼吸を整えているリオル


そしてその顔は

ほとんど変わらなかった

ただ目だけが重くなった


彼の前に立っていたのは

もうただ力を持つ外から来た者ではなかった


昨日まで家ごとに黙っていた町が

今日初めて

一つの中庭として話そうと集まり始めていた


ケルトは次のページを開いた

エンナが隣に立った

サルマが最初の鍵を前へ置いた

オルデクは印章を石の上に置いたが

紙には押さなかった

証人なしでは


そして緑の印がある最初の行が

声に出して読まれた時

アーチの向こうの通りで

さらに人が足を止めた


入ってはこない

まだ踏み出せない


だがもう聞いていた


ショーンゴは干上がった水盤のそばに立ち

黙ってそれを見ていた


古い秩序はまだ倒れていない

だが長い年月で初めて

光の中に立たされ

一行ずつ読まれなければならなくなった


そしてそれは

どんな叫びよりも

その秩序にとって恐ろしいことだった

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