エピソード38 開いてはならなかった門
西門はもう夕方の光を受けていた
荷車の車輪のあいだには乾いた埃が流れていた
アーチの下には御者と衛兵
そしてまだ何も知らない者たちがいた
今日この町が裂け始めるのは
叫びではなく
紙によってだということを
ショーンゴが最初に通りへ出た
セイガは彼の左
倉の壁寄りを取った
メラは右
乾燥小屋の扉のそばを歩いた
ランは階段を最後に下り
何度も手で手すりに触れた
レルタはもう下で石の上に立ち
彼らではなく門の方を見ていた
ミロスの姿はまるで見えなかった
ここはもう地下道のような狭さではなかった
だが広くもない
上には開いた空があった
屋根と屋根のあいだを
乾いた風と埃と熱を持った板の匂いが抜けていく
もっと先
市に近い方で金属の鳴る音
どこかで鎧戸を打つ音
左の壁の向こうの庭では犬が吠えた
まるで町そのものが
今日は普通の夕方にならないと
ようやく気づき始めたみたいに
西門は通りの先で
もう全体を見せていた
二枚の扉は大きくは開かれていない
荷車を一台ずつ通すのに足りるだけ
右の塔の下には塩袋を積んだ荷車
その後ろに
濃い布をかけた小さめの荷車
左の壁際には御者が二人
そのそばに痩せた女が籠を持って立っていた
轍のあいだを埃が歩き
アーチの下
中央より少し右には
町の衛兵の男が立っていた
若くはない
だが老いてもいない
肩は広く
髭は短く整えられていた
日に焼けた顔には飾りがない
左の掌は削れたように固く
槍よりも
門の仕掛けや木を相手にしてきた年月が見えた
荷車を通す前
彼は御者の目ではなく
いつも車軸と車輪を見ていた
人より木を信じる癖のある男だった
名はオルヴェン
そのそばには
旅装の男が一人
頭巾を深く下ろした外套の下
右の脇腹に
何かが不自然なほどぴたりと収まっていた
袋の中ではない
帯に固定されている形だった
最初に止まったのはセイガだった
- 包みはあいつの体にある
と低く言う
- でも全部じゃない
ショーンゴは顔を向けないまま聞いた
- 他は
セイガは二台目の荷車を細めた目で見た
- 幌の下
- 左の後ろ側だ
- 重さが塩じゃない
ランは壁際の石に手を触れた
- それと右の小門
と平らに言う
- 今日はあれも使われてる
- しかも最近だ
メラはオルヴェンの袖を見た
縫い目の近く
革紐の結び目に
小さな円い緑の封蝋印が下がっていた
- 外の机
と彼女は低く言う
- ただで通したんじゃない
レルタは立ち位置の角度を変えた
今の彼女には
右の小門も
荷車のあいだの通路も両方見えている
- あいつがそっちへ走れば
- 間に合う
と彼女は言った
ショーンゴは前へ出た
ただ
通りの光の中へ
門の下にも
荷車のそばにも
自分が見える位置まで
オルヴェンはすぐに顔を上げた
馬鹿でもなければ
神経が崩れているわけでもない
ただ
よく収まった目をしていた
- これ以上は出すな
ショーンゴは言った
オルヴェンは腹を立てなかった
声も荒げなかった
- 何を根拠に
と静かに問う
- ここは町の門だ
- お前たちの乾いた中庭じゃない
ショーンゴはさらに数歩進んだ
もう二人のあいだには
半分の通路と
砂と
轍と
アーチに差す夕方の光しかなかった
- その根拠は
と平らに言う
- 今
- この町から
- お前たち全員がまだ自分に嘘をつくための帳簿が
- 運び出されようとしていることだ
オルヴェンは短く
隣の旅装の男へ目をやった
それからまたショーンゴを見た
- 通行の許可は受けている
と言う
- 印もある
- 本気で門を止めたいなら
- それより上を見せろ
- その上は
- 今朝みたいにはもう働かない
メラが乾いた声で言った
オルヴェンは彼女も計算に入れた
だが目を逸らさない
- かもしれない
と言う
- だが扉が立っているうちは
- 通すか止めるかは俺の責任だ
- 証もないまま順番を壊せば
- 明日の朝ここで裂けるのは帳簿じゃない
- 人間の方だ
その言葉には安い虚勢がなかった
だからこそ重かった
ランが小さく言う
自分に聞かせるように
- 群れのことでは嘘をついていない
セイガは二台目の荷車から目を離さなかった
- でも証のことは嘘だ
と言う
- もう車輪の下にある
オルヴェンはそれを聞いた
唇が一度だけ固く結ばれる
- 鋭い目をしてるな
と言った
- お前の方こそ
- 都合のいい夕方だ
ショーンゴが返した
二台目の幌の下で
何かがかすかに鳴った
木ではない
革紐の音だった
乾燥小屋の屋根の縁
その上からミロスの声が落ちる
- 左の後輪だ
- あれは帳簿だけじゃない
旅装の男は
オルヴェンより先にそれを悟った
いきなり横へ跳ねる
通路の方ではない
右の小門へ向かって
レルタはすぐ正面へ入った
叫ばない
ただ相手の進路の角度を食い破る
そのせいで男は
真っすぐではなく
斜めへ踏み替えざるをえなかった
その瞬間
ショーンゴは
光も轟きも要らない動きを入れた
短い
経路のずらし
人へではない
足の下の二つの石に対してだ
旅装の男は
本来なら一直線に走り抜けるはずの位置で
突然わずかに左へ流れた
肩を荷車の端に打ちつけ
外套が裂け
脇腹の帯が切れる
その下から
暗い表紙の細い綴じ帳が飛び出した
代価はすぐにショーンゴへ返った
右脚は膝から下が重くなり
心臓は一拍だけ拍を外した
だがそれで足りた
ミロスはもう屋根から落ちてきていた
見せるためではない
正確さのために
彼の手は
綴じ帳が地面へ触れる前にそれを攫った
だが今度の敵は
それより遅くはなかった
右の塔の上で
乾いた短い風切り音
ただそれだけ
ボルトは旅装の男の顎の下へ入った
あまりにきれいで
叫ぶ暇もない
男はそのまま荷車の車輪のそばへ膝をつき
横へ倒れて
埃の中に沈んだ
一瞬
全員が止まった
オルヴェンでさえも
セイガがすぐに塔を見上げる
- 一人じゃない
レルタも同じ方を見ていた
- 射手
- 盾より上
と彼女が言う
オルヴェンは言葉ではなく動いた
通路の脇へ跳び
同時に扉のそばの縄鐘を引く
- 半分閉めろ
- 誰も出すな
と上へ怒鳴った
それで全部が決まった
完全に向こう側なら
門は今すぐさらに開いていたはずだ
だが彼は自分で閉めた
ショーンゴはそこを見逃さなかった
余計な言葉も使わない
- オルヴェン
- 荷車だ
門の番は反論しなかった
自分で二台目の荷車へ向かい
ちょうど手綱を取ろうとしていた御者を
肩で強く押しのけた
その男は
塩を運ぶ御者にしては手がきれいすぎた
細い体
塩で白くなりかけた睫毛
叫ぶ代わりに
幌の下へ手を突っ込む
メラはそれを誰より先に見た
- 刃物
ランの方が近かった
たった一歩だけ角度を変える
御者の手は革紐ではなく
空を掴んだ
刃は外れて
狙いを失う
レルタがその隙を打つ
掌で手首を叩く
短く
乾いて
刃物は車輪の下へ飛んだ
オルヴェンは御者の襟を掴み
荷車の側板へ押しつけた
板が鈍く鳴る
- お前は知らない顔だ
低く言う
- 俺の番にはいない
- 町の者でもない
セイガが付け足す
ミロスはもう幌の留め具を切っていた
塩袋の下から出てきたのは
箱ではない
平たい木の函
布で巻かれ
緑の蝋紐で固く縛られていた
ケルトはここにいない
それでもその場の全員が感じた
自分たちはまさにこれを追ってきたのだと
ショーンゴは函に近づいた
触れはしない
蝋紐を
封蝋を
裂けた葉の刻印を見た
メラはさらに血の気を失う
- 同じ机
と言う
- もう町だけの話じゃない
- これは外へ抜くための線だ
塔の上で何かがまた鳴った
木の足場を走る足音
オルヴェンは上を見た
- あいつを落とせ
- 馬鹿でないなら生かしていい
と自分の上の者へ怒鳴る
返事はない
代わりに
門の外側
壁の向こうから
短い蹄の音がした
誰かが
こんな時のために
門の外の陰で馬を押さえていたみたいに
レルタが鋭く言う
- 第二の経路
セイガはもう
函ではなく
半ば閉じた扉のすき間の向こうを見ていた
- 一人は帳簿なしで外へ出た
と言う
- 連中は分けた
- ここにあるのは本体だけだ
ショーンゴは自分で蝋紐を引きちぎった
布が落ちる
中には帳簿があった
厚く
暗く
背の擦り減った一冊
だがミロスが途中を開いた時
すぐに分かった
一つの綴じ束が抜かれていた
乱暴ではない
最初からそのために外せるようにしてあった
メラは
ランに腕を支えられなければ
その場で石に崩れていたかもしれない
- ここは引き渡しの頁
と掠れた声で言う
- いちばん遠い部分
- 町の中ではなく
- その外へ渡った者たちの分よ
オルヴェンはまだ御者を側板に押しつけたままだった
その目は
ショーンゴが最初に通りへ出てきた時より
ずっと重くなっている
- つまり俺に渡されたのは
- 通行の許可じゃなかった
低く言う
- 目隠し役だったってわけだ
- この先もそれを受けるなら
- そうなる
ショーンゴが答えた
オルヴェンは
切り取られた束を欠いた帳簿を
長く見ていた
それから御者を手放す
倒れないだけの力加減で
だが次の瞬間
その額を側板へ打ちつけた
男はもう声もなく
埃の中へ崩れ落ちた
- 門は閉じる
とオルヴェンは言う
- 俺の言葉が出るまで
- そして
- お前の言葉も
- 同じでないなら通さない
そこには
古い勤務の平板さはもう残っていなかった
ただ
自分の秩序がよそから来た許可の上に立っていたと
いま見たばかりの人間の選択だけがあった
ショーンゴは一度頷いた
- いい
左の扉の下で
何かが引っかかった
門の外側寄りにいた若い衛兵が
敷居の溝から細い筒を引き抜き
頭上へ掲げる
- ここにもあった
- 溝の中だ
オルヴェンが最初にそれを取った
だが開いたのは
ショーンゴとセイガとメラの前だった
中には
緑の封蝋で閉じた細い紙
数行しかない
名前もない
長い説明もない
セイガが目を走らせる
そして止まった
- 読め
ショーンゴが言う
セイガは一度だけ息を吸った
- 第一の帳簿は外の机で受領する
- 第二の搬出は止めるな
- 日没までに東の水車小屋を通せ
そのあとの沈黙は
塔からのボルトより悪かった
西門は半分しか閉じていなかったからだ
ここで彼らが止めているあいだにも
もう一つの線が
町の反対側を抜けていく
メラは一瞬だけ目を閉じた
- いつも予備の経路を置いてた
と言う
- 一つの縫い目が切れたら
- もう一つをすぐ引くために
ショーンゴは町の方を見た
乾燥小屋でも
背後の通りでもない
もっと先
屋根の向こう
町の東側と
水路の向こうの古い水車小屋の方を
ランゼはまだ役所前の中庭
リオルは人を支え
ケルトは帳簿を読んでいる
だがここでは
別の道がもう動いていた
もっと速い
足と荷車と水を使う
生きた道が
オルヴェンは
倒れた御者の血を自分の手から外套で拭った
西の光を見た
閉じていく扉を見た
綴じ束を抜かれた帳簿を見た
そしてショーンゴを見る
- 東へ行くなら
と言う
- この通りじゃ遅い
- 市を抜ければ間に合わない
- 内壁沿いに短い道がある
- だが
- 途中に死んだ曲がり角と
- 水路の上の細い橋がある
- あそこで待たれていたら
- 退き道はない
ショーンゴは
緑の封蝋のついた紙を受け取り
指のあいだで握った
紙ではない
町の喉を押さえる誰かの手を
掴んだみたいに
- なら退かない
と平らに言った
夕方の空の下
本来なら閉じていなければならなかった門のそばで
それはもう明らかだった
西の経路はここで破った
だが本当の逃走線は
いまこの瞬間
町を横切り
水の方へと移っていた




