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異世界便利屋~魔王討伐から小さな依頼まで承ります~  作者: 椿綺
第七章 家族の選択

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第八十九話 未来をつなぐ一撃

修復の剣を握る浩平は


真っすぐグラディウスを見つめていた


巨大な魔物は


怒りの咆哮を上げる


その一歩で


大地が揺れた


「来るぞ!」


王国軍の隊長が叫ぶ


兵士たちは一斉に構えた


――――


「王国軍!」


「魔族軍!」


浩平の声が戦場に響く


「俺が道を作ります!」


「皆さんは」


「俺を信じてください!」


魔王が剣を掲げる


「聞いたな!」


「便利屋を援護しろ!」


「おおっ!」


人間も


魔族も


同じ声を上げた


――――


王国軍の盾兵が前へ出る


巨大な盾を並べ


グラディウスの突進を受け止める


魔族軍は左右へ展開し


魔法で動きを鈍らせる


四天王が叫ぶ


「今だ!」


浩平は走る


誰かが道を開き


誰かが守る


誰かが支える


そのすべてが


浩平へつながっていた


――――


グラディウスは


巨大な拳を振り下ろす


浩平は身をひねり


紙一重でかわす


修復の剣を握る手に


自然と力が入る


「終わらせよう」


静かに呟く


そして


大きく踏み込んだ


白銀の剣が


眩く輝く


「はぁぁぁぁっ!」


渾身の一撃が


グラディウスの胸を貫いた


眩しい光が


戦場を包み込む


グラディウスは


苦しそうに天を仰ぎ


やがて


静かに笑ったように見えた


次の瞬間


巨大な身体は


無数の光となって


空へ舞い上がっていく


風が吹いた


長く戦場を覆っていた黒い雲が


ゆっくりと晴れていく


青空だった


――――


誰も動かなかった


やがて


一人の兵士が剣を下ろす


続いて


魔族の兵士も武器を収める


誰からともなく


拍手が起こった


王国軍も


魔族軍も


互いを見つめ


笑顔を交わす


百年以上続いた戦争は


今


本当の意味で終わった


――――


浩平は


静かに修復の剣を見つめる


工具箱が優しく光る


【最終依頼】


【対象の討伐を確認】


【依頼達成条件を更新しました】


【残る工程 一件】


浩平は小さく笑った


「まだ終わりじゃないんだな」


修復の剣を工具箱へ戻す


光は静かに消えた


「ありがとう」


そう呟くと


工具箱は小さく震えた


それは


相棒からの返事のようだった


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