表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界便利屋~魔王討伐から小さな依頼まで承ります~  作者: 椿綺
第三章 港町レヴァン
PR
28/78

第二十八話 港を守る日


港町レヴァンは


どこか慌ただしかった


漁師たちは空を見上げ


商人たちは荷物を急いで運んでいる


「何かあったんですか?」


浩平が尋ねると


漁師バルトが険しい顔で答えた


「嵐が来る」


「しかも今年一番大きいらしい」


浩平も空を見上げた


確かに


沖の空は黒い雲に覆われ始めている


その時だった


【依頼発生】


依頼内容 港の被害を最小限に抑えてください


依頼人 港町レヴァン


報酬 銀貨五十枚


受注しますか?


YES/YES


「今回は……」


「直すんじゃない」


「守る仕事か」


――――


浩平は港中を歩き回る


停泊している船を確認する


桟橋を見て回る


倉庫の扉を調べる


「バルトさん」


「この船は沖へ出さないでください」


「ロープをもう一本追加しましょう」


「分かった!」


次は倉庫へ向かう


「重い荷物は下へ」


「軽い荷物は奥へ運びましょう」


商人たちも頷く


「みんなでやるぞ!」


町中が動き始めた


――――


夕方


雨が降り始める


風も強くなってきた


浩平は工具箱を開いた


新しく増えていたのは


大型ロープ


固定用アンカー


滑車


「今回は大掛かりだな」


漁師たちと協力し


船を一本ずつ固定していく


桟橋には補強材を打ち込み


倉庫の扉も補強する


気付けば


町中の人たちが手伝っていた


浩平の姿を見て


誰もが自分にできることを始めていた


子どもたちは小さな荷物を運び


商人は倉庫を片付け


漁師は船を守る


町全体が一つになっていた


――――



嵐が港町を襲った


激しい雨


唸る風


高い波


それでも


船は流されない


倉庫も持ちこたえる


桟橋も崩れない


浩平は雨の中


最後まで港を見回っていた


「あと少し……」


「頑張れ」


誰に言うでもなく


小さく呟く


――――


翌朝


嵐は過ぎ去っていた


港には朝日が差し込む


町の人たちが次々と外へ出てくる


「船が残ってる!」


「倉庫も無事だ!」


「助かった!」


歓声が港中へ広がる


バルトが笑いながら浩平の肩を叩く


「便利屋さん」


「今回は町を救ったな」


浩平は苦笑する


「みんなで守ったんですよ」


その言葉に


港の人たちは大きく頷いた


工具箱が静かに光る


【依頼完了】


新たな技術を習得しました


「技術?」


工具ではなく


初めて表示だけが残る


浩平は首を傾げながら


朝日に照らされた港を見つめていた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ