第二十一話 港町レヴァン
### 第三章 港町レヴァン
ここから第三章「港町レヴァン」が始まります。
第二章「交易都市アルト」をお読みいただき、本当にありがとうございました。
新たな舞台は海と港の町レヴァン。
漁船や灯台、港ならではの依頼を通して、便利屋・浩平の活躍の場もさらに広がっていきます。
引き続き、『異世界便利屋~魔王討伐から小さな依頼まで承ります~』をよろしくお願いいたします。
交易都市アルトを出て五日
潮の香りを乗せた風が吹き抜ける
「見えてきたぞ」
荷馬車の御者が前を指差した
青く広がる海
大小さまざまな船が並ぶ港
その向こうには
白い石造りの町が広がっていた
「あれが港町レヴァンだ」
浩平は思わず足を止めた
「海か……」
異世界へ来て初めて見る海だった
――――
港へ近付くと
漁師たちの威勢のいい声が響く
「網を引け!」
「そっちを持て!」
魚を運ぶ人
荷物を積む商人
港全体が忙しく動いていた
「これは賑やかですね」
御者は笑う
「アルトとはまた違う町だからな」
「港は朝が一番忙しい」
――――
依頼の荷物を商人組合へ届ける
荷受けを確認した職員は笑顔で頷いた
「確かに受け取りました」
その瞬間
工具箱が淡く光る
【依頼完了】
報酬を受け取りました
「ありがとうございました」
浩平は工具箱を閉じる
すると
背後から大きな声が響いた
「おい!」
振り向くと
一人の漁師が慌てた様子で駆け寄ってきた
「便利屋ってあんたか!」
「はい」
「船が出せねぇ!」
「舵が動かなくなっちまった!」
その瞬間
【依頼発生】
依頼内容 漁船の修理
依頼人 漁師 バルト
報酬 銀貨二十五枚
受注しますか?
YES/YES
浩平は苦笑した
「町へ着いたばかりなんだけどな」
それでも
答えは決まっている
「お受けします」
漁師はほっと息をついた
「助かる!」
浩平は工具箱を肩へ掛ける
港町で最初の依頼へ向かって歩き出した




