第2話:無謀な依頼
街道の坂を下った先に、ラフェルトの街が見えた。
夕日が、街の城壁を橙色に染めていた。辺境の村より遥かに大きく、王都よりは遥かに小さい。中規模の交易都市。商人たちの言っていた「次の街」はここのことだ。
城門で簡単な検問を受け、街に入った。石畳の道。両脇に並ぶ木造の家屋。夕餉の匂い。商店の店仕舞い。子供たちが走り抜けていく。
俺はゆっくり歩きながら、街の構造を観察した。中央広場、噴水、その奥に冒険者ギルドの建物が見える。明日、あそこに登録に行こう。
歩いていると、すれ違う者の何人かが、こちらに視線を寄越した。最初は気のせいかと思った。だが、宿屋の看板を探して通りを曲がった時、すれ違った商人風の男が、はっきりと俺を見て、それからすぐに目を逸らした。
早いな。
馬車を助けた商人たちが、すでに街に着いて誰かに話したのだろう。商人とは元来、口の軽い職業だ。仕方ない。
適当な宿屋を見つけて入った。「銀の馬亭」とある。看板に派手さはないが、内装は清潔だった。
「いらっしゃい。お部屋ですか?」
カウンターの女将が顔を上げた。四十がらみ、よく日に焼けた手の女性だった。
「3日ほど。1人部屋で」
「3日で銀貨6枚です。前金で」
俺が銀貨を数えていると、女将はちらりと俺を見て、唐突に言った。
「お客さん、聞きました? 街道で魔法少女様が出たって」
俺は手元の銀貨を数え終え、カウンターに置いた。
「そうか」
「白と紫の衣装の、それはもう美しい方だったとか。商人さん一家を助けたそうで。今、酒場でその話で持ち切りですよ」
「そうか」
女将は俺の反応の薄さに少し肩透かしを食らったような顔をしたが、すぐに気を取り直して鍵を渡してくれた。
「2階の奥、3号室です。朝食は1階で銅貨2枚」
「ありがとう」
俺は部屋に上がり、荷物を下ろした。窓を開けると、街の夜風が入ってきた。
噂の伝播速度、想定よりやや早い。半日で街全体に。だがこの規模の都市なら妥当か。明日のギルド登録までに、噂はさらに広がる。それでいい。
俺は窓辺で、しばらく夜の街を眺めていた。
◆ ◆ ◆
翌朝。
朝食のパンとスープを済ませ、俺はギルドへ向かった。広場の噴水の周りで、若い冒険者たちが集まっている。装備は様々。剣を背負った男、杖を抱えた女、防具に痛みのある重装の男。皆、職業として戦う者たちの目をしていた。
ギルドの建物は、想像より重厚だった。石造りの2階建て、扉は厚い樫の木。押し開けると、内部は広く、天井が高かった。
正面奥に大きな依頼掲示板。左手に酒場、右手に受付カウンターが2つ並んでいる。さらに奥、一段高い場所にカウンター席があり、そこに大柄な男が1人、エールのジョッキを傾けていた。たぶん、あれがギルドマスターだろう。
朝のギルドは比較的空いていた。数人の冒険者が掲示板を眺めている程度。俺は受付カウンターへ向かった。
右側のカウンターに、若い女性が1人座っていた。
濃い茶色の髪を後ろで結び、地味な紺色の制服を着ている。年齢は二十代半ばか。背筋がまっすぐで、姿勢が美しかった。彼女は書類を整理する手を止め、俺が近づくと顔を上げた。
「いらっしゃいませ。ご用件をどうぞ」
声は静かだった。微笑みは、ない。だが冷たくもなかった。ただ、淡々としていた。
「冒険者登録を」
「かしこまりました。登録用紙はこちらです」
差し出された羊皮紙に、俺は順に記入していった。名前、年齢、出身地、得意分野。彼女は俺の手元を見ているわけではなかった。だが、見ていた。視線の角度が、ほんのわずか、こちらに向いていた。
記入を終えて差し出すと、彼女は丁寧に受け取り、目を通した。
「レオン・グラウ様。ご職業は……魔法理論研究者、ですか」
「ああ」
「冒険者経験は?」
「形式的にはない」
俺はそう答えた。それ以上は言わなかった。勇者パーティーの裏方をやっていたことは、わざわざ口にすることではない。経歴を詮索されれば話は長くなるし、3年前の追放劇に絡む面倒事も、今は持ち込みたくなかった。
アリアは「形式的には」という言葉に、わずかに視線の角度を変えた。だが、追及はしなかった。
「分かりました。研究の傍ら、ということでよろしいですか」
「ああ。それで構わない」
俺がそう答えた瞬間、彼女の視線が、ほんの一瞬だけ、俺の腰に下げたステッキに止まった。布で包んでいるが、形状から武器の類だと分かる。だが、彼女が見たのはそれではなかった。布の隙間から覗く、銀色の柄。古代語の刻印。
彼女は何も言わなかった。視線を書類に戻した。
気づいているな、この受付嬢。
俺は内心で、軽く感心した。並の冒険者では気づかない箇所だ。
「規定により、新規登録者はF級から開始となります。よろしいでしょうか」
「構わない」
「ギルドカードを発行いたしますので、こちらに署名を」
羽ペンを受け取り、署名した。彼女はカードに必要事項を刻み込み、こちらに差し出した。
「これで登録は完了です。依頼は掲示板から、ご自身でお選びいただけます。難度に応じて推奨ランクの記載がありますので、ご参考に」
「了解した。ところで」
「はい」
「あなたの名は?」
彼女は一瞬、瞬きをした。それから、わずかに首を傾けた。
「アリアと申します。何か?」
「いや。世話になる」
俺は短くそう言って、掲示板へ向かった。
◆ ◆ ◆
奥のカウンター席で、男はジョッキを置いた。
アリアが手を止めた。
男 ―― バルザックは、目だけを動かして掲示板の前の男を観察した。灰色混じりの短髪、痩せ気味の体格、地味な旅装。一見、何の変哲もない研究者風の中年男。
だがアリアが手を止めた。あの女が、新人の登録ごときで手を止めたことは、5年で1度もない。
そして、男の腰のステッキ。布越しでも分かる。あの長さ、あの重心、あの素材。普通の杖ではない。
バルザックはエールを舐めた。ぬるくなっていた。
何者だ、あの男は。
戦場で何百人もの男を見てきた。立ち姿、歩き方、視線の動き。それらが告げるものがある。あの男は、戦える。それも、相当な領域で。
だが顔はどうも、研究者だ。それも年季の入った、机に向かい慣れた顔だ。戦士の顔ではない。矛盾している。
バルザックは、ジョッキを置いて、男の動向を見守ることにした。
◆ ◆ ◆
掲示板の前で、俺は依頼を眺めていた。
F級向けの依頼は薬草採取と害獣駆除が中心。E級は小型魔物の討伐。D級になると小規模な遺跡調査や護衛任務。それから上には、長期間貼り出されたまま誰も受けていない依頼が、いくつかあった。
その中の1つに、目が止まった。
【依頼】幽影窟・内部調査
難度:Bランク相当
報酬:金貨10枚
内容:幽影窟内部の魔物分布の確認、および可能であれば中層までの踏破。生存者からの報告書を求む。
備考:過去3度、複数編成のパーティーが挑戦するも、全員撤退または行方不明。
俺はその依頼書を剥がし、カウンターに戻った。アリアが書類整理の手を止め、依頼書を確認した。
彼女は数秒、依頼書を見つめた。それから、こちらを見上げた。
「……このランクの依頼は、新規登録者には推奨いたしません」
声音は静かだった。だが、その目には、初めて、感情に近いものが浮かんでいた。困惑、と言ってもいい。
「規約上、F級が受けることは可能だ。違うか」
「可能ですが、過去3度、複数編成のパーティーが」
「報告書は読んだ。だから受ける」
アリアは、言葉を切った。それから、視線を一度ステッキに移し、俺の顔に戻した。
「失礼ですが ―― 1人で、ですか」
「ああ」
「お止めしません。ですが、確認させてください。これは正規の依頼です。受注された以上、結果について組合は責任を負いません」
「承知している」
「……理由を、お聞きしてもよろしいですか」
俺は少し考えた。「研究のため」と答えるのが正確だが、それでは伝わらないだろう。
「実証データの取得には、ある程度の規模が必要だ」
アリアは、今度こそ、わずかに眉を動かした。
「……承りました」
彼女は依頼書に受注印を押した。
「ご無事のお戻りを」
その一言には、職業的な慣用句以上の何かが、わずかに含まれているように、俺には聞こえた。
俺は軽く頷いて、ギルドを出た。
◆ ◆ ◆
幽影窟は、街から徒歩で2時間ほどの距離にあった。
苔むした石造りの構造体が、丘の中腹に半分埋まるように口を開けていた。古代遺跡と自然洞窟の中間のような造り。入口には、風化した古代語の銘文が刻まれていた。
俺は入口で立ち止まり、その銘文をしばらく眺めた。
……封印形式。第三紀以前の様式。「内なる影を司る者へ捧ぐ」と読める。封印というより、奉納に近い。
興味深いが、調査は後だ。俺は呼吸を整え、内部の空気を測った。魔力濃度は、外気の3.7倍。中型から大型の魔物が複数生息している兆候。連続戦闘耐久試験には、ちょうどいい条件だ。
俺は背嚢を下ろし、布をほどき、銀色のステッキを取り出した。古代語の刻印が、薄く鼓動するように光っていた。
「……始めるか」
詠唱を、開始した。
◆ ◆ ◆
― 第二試行 ―
第一節 ―― 魔力経路の開放。所要時間、2.6秒。前回より0.2秒短縮。慣熟による改善。
足元から銀の光が立ち上った。
第二節 ―― 装束の物質化。展開角度、最適化。
白と紫の衣装が、肌に触れる。フリルが風に揺れ、リボンが光を弾く。
第三節 ―― 出力上限の解放。共鳴系起動。
ステッキの古代語が、白く輝いた。
変身を完了した俺 ―― ルミナ・レオニスは、洞窟の入口で、月光色の髪を一度払った。可憐な少女の手で、銀色のステッキを構える。
出力安定。フォームのブレ、0.3パーセント。改善傾向。
俺は洞窟に足を踏み入れた。
第一層。幅広い回廊。壁に薄く魔力光が灯っている。古代の照明系が、いまだに微弱に機能している証拠だ。
足音もなく、影が動いた。1体、2体、3体 ―― 影渡り。中型の影属性魔物。群れで動く。素早く、物理攻撃が通りにくい。F級どころか、C級でも数を揃えなければ撤退する相手だ。
影渡りが、こちらに向かって地を蹴った。
俺はステッキを横一閃に振った。
「『光になれ ―― 銀獅の閃光』」
可憐な少女の声が、回廊に響いた。だが言葉の温度は、四十路間際の男のものだった。
銀色の光が、回廊を満たした。影渡りの群れは、悲鳴を上げる間もなく、消滅した。
影属性に対する光属性の優位、確認。前回(影狼)より反応が鈍い。固体差か、もしくは古代の改造魔物か。記録。
第二層へ進む。
降りた先で、骨を打ち合わせる音が響いた。
骨喰らい ―― 大型の不死系魔物。物理耐性が高く、光属性に弱い反面、再生能力を持つ。並のB級冒険者でも単独では時間がかかる。
俺はステッキを地に立て、別の詠唱を開始した。
不死系には拘束系統が有効。再生を上回る速度で、魔力で構造を縛る。
「『月華の鎖 ―― 縛れ』」
ステッキの先端から、白銀の鎖が幾本も伸びた。鎖は骨喰らいの全身に絡みつき、関節という関節を縛り上げた。骨喰らいは唸り、もがいたが、鎖は緩まなかった。むしろ、もがくほど締まった。
魔力消費、想定の84パーセント。鎖の強度、想定通り。再生を上回る速度で骨格を粉砕する。
鎖が締まり、骨喰らいの構造が崩壊した。砕けた骨は地に落ち、再構成される前に光に消えた。
月華の鎖、実戦運用、初回。許容範囲。
第三層へ。
そこにいたのは、闇精霊だった。中型の魔法系。物理ではほぼ無効、魔力で対峙するしかない相手。レオン以前のジュリアンであれば、おそらく相打ち覚悟になる相手だ。
闇精霊は、空中に浮かんで、こちらを観察していた。知性のある魔物だ。逃げる選択肢を、奴は計算している。
俺はステッキを軽く構え、最低出力で詠唱した。
理論値の最小消費で勝てるかの試験。詠唱を短縮し、魔力を絞る。
「『静かに ―― 落ちろ』」
たった1点。針の先ほどの光が、闇精霊の核に向かって伸びた。
闇精霊は、避ける動作を見せかけて、しなかった。間に合わなかった。光は核を貫き、闇精霊の魔力構造は、内側から崩壊した。
音もなく、闇精霊は消えた。
最小消費試験、成功。魔力残量、開始時の72パーセント。理論値より7パーセント効率が良い。ステッキの古代語刻印が、想定以上に魔力増幅に寄与している。
俺は第三層の奥へ進んだ。
そこに、それはあった。
祭壇のような構造体。中央に、半透明の結晶が浮いていた。古代語の刻印が、結晶の周囲に螺旋を描いていた。
俺は近づいて、銘文を読んだ。
……「光と影の均衡を保つ者、来たりて器を満たせ」。これは ―― 古代魔法の祈祷文だ。それも、俺が研究してきた多次元魔力構造論の、源流に位置する記述。
背筋に、何かが走った。研究者として久しく感じていなかった種類の、純粋な興奮だった。
こんな辺境のダンジョンに、これが残っていたのか。
俺は銘文を、頭に焼き付けた。結晶には触れなかった。古代の封印に手を出すのは、下調べが終わってからにすべきだ。今日のところは、記録だけで十分だ。
俺は祭壇に背を向け、来た道を引き返した。
◆ ◆ ◆
洞窟を出たのは、夕方近くだった。
俺は入口で変身を解除し、再び地味な研究者の姿に戻った。背嚢を担ぎ直し、ステッキを布で包む。
街への帰り道、俺は今日の戦闘を、頭の中で整理していた。3層の踏破。新技の実戦運用。古代魔法の遺物の発見。データとしては、十分すぎる収穫だった。
実証段階・第二試行、成功。次は、もう一段階上の難度を試したい。
街の城門を抜けたのは、日が落ちる頃だった。
俺は真っ直ぐギルドへ向かった。
◆ ◆ ◆
ギルドのカウンターでアリアは、俺が戻ってきたことに、最初は気づかなかった。
気づいた時、彼女は手を止めた。書類を持ったまま。立ち上がりかけて、座り直した。
俺はカウンターに、依頼書と、洞窟内で書き留めた魔物分布の簡易報告書を置いた。
「完了した」
アリアは依頼書を見て、報告書をめくり、もう1度依頼書に視線を戻した。それから、俺の顔を見た。
「……単独で、踏破ですか」
「中層まで。第三層の奥、祭壇の手前で引き返した。詳細は報告書に」
アリアは、報告書を1枚ずつ確認していった。彼女の手は、最後まで震えなかった。だが、ページをめくる速度が、徐々に遅くなっていった。
「……承りました。報酬は、金貨10枚。こちらでお間違いないでしょうか」
「ああ」
金貨を受け取り、ギルドカードに完了印を押してもらう。F級のまま。だが、印は確実に1つ増えた。
「ありがとう」
「……レオン様」
俺はカウンターを離れかけて、振り返った。
アリアは、目を伏せていた。
「今日のことは、ひとまずギルドの記録としてのみ留めておきます。お名前を広めることは、いたしません」
「助かる」
「……ご無事のお戻りを、嬉しく思います」
俺はそれだけ聞いて、ギルドを出た。
背中越しに、奥のカウンター席で、大柄な男が立ち上がる気配を感じた。
◆ ◆ ◆
― 同夜 ―
ギルドの一階奥、人払いをした執務室で、バルザックはアリアに問うた。
「あの男のこと、どう見た」
アリアは少しの間、考えた。それから、慎重に言葉を選んだ。
「分かりません。ですが ―― 戦闘の経験者ではないかと」
「その根拠は」
「立ち姿、視線の動き、扉を開ける時の手の置き方。一つひとつは小さなことですが、全部が、揃っています。長くそれをやってきた者の動きです」
「研究者を名乗っていたが」
「研究者でもあるのでしょう。ですが、それだけではない、と」
バルザックは、深く頷いた。彼自身の直感と、アリアの観察が、一致していた。これは偶然ではない。
「報告書は」
アリアは、机の上に簡易報告書を置いた。バルザックは目を通した。読み進めるほど、眉間の皺が深くなった。
「……影渡り、骨喰らい、闇精霊。全部、単独で。3層まで。中層の祭壇に、古代魔法の遺物」
「はい」
バルザックは長く息を吐いた。
「……あの男の名前、当面は内に留めておけ」
「承知しました」
「だが、王都には、別の形で報告を上げる」
アリアは、わずかに目を上げた。だが何も問わなかった。バルザックは無造作に手を振った。
「下がっていい」
アリアは一礼して、執務室を出た。
1人になったバルザックは、引き出しから、王家の紋章入りの羊皮紙を取り出した。羽ペンに墨をつけ、しばらく考え、それから書き始めた。
「宰相閣下へ。先日ご下命の件、辺境にて1名、注目に値する人物を確認」
◆ ◆ ◆
― 王都・魔術師団官舎 ―
同じ夜、ジュリアンは書斎で、月例の各地報告書を眺めていた。
多くは退屈な内容だった。地方の魔物分布、収穫期の警備状況、ありふれた書類仕事。だが、ある1枚で、彼の手が止まった。
辺境ラフェルト、幽影窟、F級新規登録者による単独踏破。詳細は別途。
F級。新規登録者。単独。幽影窟は、たしか、過去3度、複数パーティーが撤退している場所のはずだ。
ジュリアンは眉をひそめた。
「……何かの誤記か?」
彼は呟いて、報告書を脇に置いた。隣に置かれていた書類の山に、それは紛れた。
引き出しの奥には、3年前から開かれていない、レオンの理論ノートの写しが、しまわれていた。
◆ ◆ ◆
宿屋の部屋で、俺は窓辺に座っていた。
夜風が、月光を運んできた。
ステッキを膝の上に置き、古代語の刻印を、指先でなぞる。今日見つけた祭壇の銘文が、頭の中で何度も繰り返されていた。
「光と影の均衡を保つ者、来たりて器を満たせ」
俺の理論の源流。3年前に独力でたどり着いた多次元魔力構造論が、この古代の祈祷文と、明らかに連続している。
偶然ではない。誰かが、この理論の体系を、太古に既に構築していたのだ。そしてそれは、辺境のダンジョンに、ひっそりと残されていた。
実証の旅は、最初から、別の意味を帯び始めていたのかもしれない。
俺は窓を閉じ、ステッキを布に戻した。
明日からは、もう少し範囲を広げよう。中規模ダンジョンの連続踏破。並行して、古代魔法の痕跡の追跡。
魔法少女・ルミナ・レオニス、実証の旅、第二段階。
悪くない、滑り出しだ。




