第15話 ここを脱する
「なにする気だ……!?」
亜時空の過遺物を起動し、全身に黒い瘴気を纏った源城のただならぬ気配に、禍災龍は身構える。
「亜時空の過遺物!?」
楽奈美は叫ぶ。
「魔道具の中でもめちゃくちゃ強いやつらのことですよね!?でも、手に入れるのも扱うのも難しくて、最上位の熟練度紫の人でも操るのに苦労するっていうのに……源城さんも持ってるんですか!?」
「過去に……色々ありましてね」
源城の足元に影より濃い黒の何かが広がり、
纏っていた瘴気が、突如どぷんと沈む。
「何をする気だ!?ちょっと強い魔法だろうと、俺に効くわけが……」
「王たる漆黒で全てを終わらせろ、聖剣仕掛けの深淵!!」
刹那、深淵から、円を描くように24個の瞳が開いていく。
その後、瞳の円の中心で、大きな2つの瞳がゆっくりと開眼する。
「なぁっ!?」
禍災龍は、その禍々しき空気から、ただの魔法ではないことを感覚で理解したようだ。
そして、その深淵から、光を吸い込むような漆黒の剣が13本現れ、たじろぐ禍災龍に向けて刃を向ける。
「やめろぉぉっ!」
しかし、その13本の剣は主の仇敵に刃を突き立てることなく、霧のように消えていく。
「……え?」
禍災龍は間の抜けた声を上げた。
「やはり……駄目か」
今の源城では、聖剣仕掛けの深淵による攻撃の予備動作に数秒かかるくせに、攻撃を0.5秒も維持できない。
元々十分に使いこなせていなかった亜時空の過遺物だったが、冒険者としてのブランクのせいで余計使い勝手が悪くなっている。
「……ブックク、ブァーーーーハッハッハァッ!!」
禍災龍はつんざくような声でゲラゲラと笑う。
「バッカじゃねぇの!お前そうやって攻撃消えるの何度目だよ!お笑い芸人目指したほうがいいんじゃないかぁ!?アーヒャヒャヒャ、アホすぎるぅ!」
「そうか、俺のお笑いライブはお気に召したようだ。だが……」
源城はそこでニヤリと笑う。
「俺は関わる価値がないんじゃなかったのか?」
「なにぃっ?」
源城の胴体に、引張蛸の足が絡まっている。
「まさかっ、女どもはっ!?」
禍災龍がそれに気づくより早く、引張蛸が源城を後方へ引っ張る。
シャチ駆に乗り込み、高速で脱出しようとする、楽奈美と波夢子の元へ。
「ふざけるなぁぁぁあぁあぁぁ!!!」
禍災龍の咆哮が源城から遠ざかっていく。
(あれだけ強くて凄くて、持っているだけで恐れと羨望を抱かれる亜時空の過遺物を、ただのこけおどしに使うなんて、ずいぶん情けないこった。史上初なんじゃないか?)
引張蛸に引っ張られながら、源城は内心で苦笑する。
源城の作戦が上手くいった。
禍災龍を奇策で地に落とした源城は、波夢子がシャチ駆に乗って迎えに来たことを感知した。
そして、ハンドサインで1人で禍災龍に立ち向かうことを伝え、禍災龍の注意を源城に引き付けるため、99%途中で失敗する亜時空の過遺物を起動した。
その間に、波夢子は楽奈美を回収しつつ引張蛸を源城に巻き付けた状態でシャチ駆をダンジョン入口へ向かわせたのだ。
「……ふぅ、ありがとうございます、波夢子さん」
源城は、引張蛸に引かれるままシャチ駆に乗り込み、後ろに楽奈美、前に波夢子がいるところに座る。
「いえ、源城さんも、時間稼ぎありがとうございます」
「一旦お疲れです」
前の波夢子と後ろの楽奈美に労いの言葉をもらう。
シャチ駆が全力でゴールとなるダンジョン入り口へ進んでいく。
2人乗りを想定しているシャチ駆は、3人で乗るには身を寄せあうことになる。
必然、源城は若い女性に前後を挟まれることになる。
楽奈美が窮屈そうに体を前に寄せると、彼女の豊かな乳房が源城の背中にむにぃと押しつけられ、慌てて距離を取ろうと前に寄ると、自分の胸を波夢子のほっそりとした背中に、ぐにぃと押しつけてしまう。
「いぃっ!?すみませっ、」
「あの、そんな怯えなくていいです。緊急事態なんで」
慌てる源城に対し冷静そうに返す波夢子だが、耳が赤い。
そんなトラブルもありつつ、シャチ駆は脱出を目指して疾走する。
あと100メートルぐらいだ。
「いい加減にしろよカスども!」
禍災龍の叫びが空に響き、その声はどんどん近づいてくる。
「あーもうしつこいあいつ!」
「楽奈美さん、波夢子さん、いざとなったらシャチ駆を乗り捨てます。シャチ駆が使えなくなったら、自分の足で急いで逃げてください。ダンジョンの入り口まで逃げれば、ダンジョンの生物は入ってこれません」
なぜダンジョンの生物は、人間の住む地球へ侵攻してこないのか、その答えは未だ解明しきれていない。
しかし、何らかの理由でダンジョンから地球に繋がる洞窟へ行こうとしないことは確実で、冒険者を狩ろうと疾駆するダンジョンの生物が、冒険者が逃げ入った洞窟の目の前でおとなしく引き返す様子は、当たり前のように何度も確認されている。
(ダンジョン入り口から洞窟に入って、なんとしてでも逃げ切ってみせる……!)
「いい加減くたばれ!」
禍災龍が蒼炎を吐く。高速で直線を走るシャチ駆を見越し、シャチ駆の前方めがけて炎が襲いかかる。
「2人は右へっ!湖ナメクジ!」
源城は左へ跳びながら、湖ナメクジを、右に跳んだ楽奈美と波夢子のクッションになるように置く。
湖ナメクジは2人の体を何とかギリギリ収めて受け止め、ぶにんと大きくへこみながら2人分の落下の衝撃を吸収する。
蒼炎が前方のシャチ駆を焼き尽くし、熱風が源城達を襲う。
「走るよっ!」
楽奈美は叫ぶ。3人は立ち上がり、その足でダンジョンを脱出しようとした、が、
「っ!」
走り出した源城の体ががくんと崩れる。
「源城さん!!」
楽奈美が駆け寄る。
源城は、脱出に向けて走るが、時折左足の痛みにバランスを崩しそうになる。
(くそっ、湖ナメクジの制御に集中しすぎて、自分の受け身が不十分だった。このままだと、2人が逃げられても、俺は追いつかれる……!)
「楽奈美さん、俺を置いて2人で……」
「行けるわけないでしょぉっ!!」
楽奈美は源城の左に来て肩を貸す。
「源城さんが私達を守ってくれたように、今度は私が源城さんを守りますっ!」
「……ありがとうございます」
源城は楽奈美と肩を組んで走る。時折体のバランスを崩しそうになるが、楽奈美がしっかりと支えてくれている。
2人の走行は、禍災龍の飛行に比べれば酷く遅いものだが、それでも前へ前へ進み続ける。
「サムい絆だなぁ!2人共殺してやるよ!」
禍災龍が距離を詰めてくる。
「楽奈美!源城さん!……引張蛸!」
引張蛸の足が源城と楽奈美に伸びる、が、2人に到達する前に霧のように消える。
「ハムちゃん!」
「魔力切れか……!」
禍災龍から逃走する際に、引張蛸とシャチ駆が何度も活躍したが、裏を返せば術者たる波夢子の負担が非常に重いことを意味していた。
魔法に頼れなくなった今、あとは源城と楽奈美が走るしかない。
「源城さん、もうひと踏ん張りです!」
「はい!楽奈美さん!」
2人は走る、禍災龍が迫る。
洞窟まであと少し。しかし、禍災龍との距離も近い。
走る、走る、転びそうになる、肩を借りる。
そして、2人の必死の努力が実を結ぶ。
「だぁぁぁぁっ!」
ゴールテープを切るランナーのように、源城と楽奈美は倒れ込むように洞窟に入る。
「これできっと……やつも……」
源城は息も絶え絶えに、しかし嬉しそうに呟いた。
ダンジョンと地球をつなぐ洞窟に入れた。この洞窟の前で引き返すダンジョン生物をいくつも見てきた。
これで、みんな無事だ。
という人類の常識は、禍災龍には通じない。
「ざけんなよゴミクズがぁぁぁぁあぁ!!」
禍災龍が洞窟の中に押し入る。
「なぁぁぁっっ!?」
源城が驚く間にも、禍災龍は鋭い爪を振りあげ、楽奈美の首と左肩を狙う。
源城は、その時思い出した。いや、頭の奥底にあった感情を否応なく引きずり出された。
人智を容易く踏みにじる、禍災龍の暴威を。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
「楽奈美ぃっっ!!」
波夢子は咄嗟に左から楽奈美を突き飛ばす。
その影響で楽奈美を狙った爪は空を切り、
代わりに波夢子の右半身を抉り取る。
「あぐぁぁぁああぁっっっ!!」
波夢子が苦しみ呻く。
「ハムちゃぁぁぁあぁあんっっ!!」
「波夢子さんっ!」
「ギャーハハハハハァ!死にはしなかったが、ざまぁねぇぜ!……だが、」
ヒト1人に大きな傷を遺した禍災龍はしかし、全力疾走の後のように苦しそうな表情だ。
「くそっ……やっぱ今はずっとはムリか……!俺はダンジョンに戻るぜ、雑魚ども」
「ハムちゃん、ハムちゃぁぁあんっっ!!」
「ぐぅっ……くそっ……!」
体力も魔力もほぼ空の状態での仲間の重傷、源城も楽奈美もまともに戦える状態ではない。
苦しそうな表情で洞窟からダンジョンに戻る禍災龍を、ただ見ていることしかできない。
「最後にちょっとスカッとしたぜ……次会ったら、その女の左半分も消し飛ばしてやるよ」
禍災龍は口元を歪めそれだけ言うと、ダンジョンの方へドシドシと歩いていく。
「禍災龍ぅぅぅ!!」
楽奈美が叫ぶ。
禍災龍はそれに応えず地を響かせて歩く。
「次に会った時は、私がみんなを守り切る!誰も傷つけない、殺させない!」
楽奈美の涙ながらの叫びに、源城の目にも涙が浮かぶ。
「お前が楽しんでる攻撃とか殺戮とか、全部全部全部、台無しにしてやるからなぁっ!!」
「……ちょろちょろ逃げてただけのカスがよくそんな妄想できるな。次はテメーも殺す」
そうして、禍災龍はダンジョンに戻っていく。
ブランクのある冒険者と初心者冒険者2人が、恐ろしくもおぞましい禍災龍に襲われて死なずにダンジョンを脱出できたことは、結果から見れば良好だった。
源城は過去の知識と使い古した魔道具を駆使し、禍災龍との交戦経験からヤツを精神的にコントロールし、強大な黒龍が万全に力を発揮できないようにした。
楽奈美と波夢子も、初心者ながら、知恵と魔力を振り絞ってダンジョン内を駆け巡り、禍災龍の脅威をしのぎ続けた。
しかし、楽奈美達をかばったヨシミンは死に、波夢子も右手が吹き飛び右足もほとんど千切れている。
(くそっ、最後の最後で、精彩を欠いた。俺がもっと冷静で、もっと強ければ……!)
源城は拳を握りしめた。
洞窟は仄暗く、その中に3人はポツンと残されている。
「ハムちゃぁん、遊びに来たよぉ!」
「楽奈美、声が大きい」
「あっ」
「……ほかの患者さんもいるんだよ」
「あっ、はは……すみません」
楽奈美は小声で謝った。
ここは病院。清潔で無機質な空間。
波夢子はベッドから半分だけ身を起こし、楽奈美にあきれた目を向けている。
そして、波夢子の左腕と左足は、楽奈美の命を守った代償のように、失われたままだ。
「とりあえずお土産でーす、よくわかんないから、花と漫画にしといたよ」
楽奈美は、小箱に入ったガーベラのプリザーブドフラワー……枯れないように加工された花……と、明るくてほのぼのしたギャグ漫画の1巻をベッドの脇に置く。
「ありがと、楽奈美」
「どーいたしましてだぜー、っていうか、プリザーブドフラワーってずっとブリザードフラワーだと思ってた。急速冷凍で鮮度保存、みたいなさ、あははは」
楽奈美は少し早口で努めて明るく言うと、波夢子の欠けた右腕と右足を見る。
「ハムちゃん、その、さ……」
楽奈美は、波夢子の空いた右半身を見ながら、次の言葉に詰まる。
「……腕と足は、諦めろ、ってさ」
波夢子は、短く区切るように、淡々と言った。
「っ……!!」
楽奈美の表情が締まる。
「冒険でできた傷とかって、医療技術で治せなくても治癒魔法で治ることがあるらしいけど、禍災龍に負わされた傷は、魔法を受け付けないんだって」
「で、でもっ……可能性は、ないの?」
楽奈美は目に涙をためる。
「……なんか、この病院の方針?らしいんだけど、ほぼ0%に近いものは、はっきりと、諦めるように言うんだってさ。叶わない期待をしたまま、日常を過ごすと、心が疲れるから、って」
波夢子はぽつりぽつりと呟く。
「…………そ、そっか」
楽奈美は、ちゃんとした言葉を返せない。
(私は、なんて言おうとしたんだっけ。こうなるかもって、来る前から考えて、病院に来たのに……)
「その、えっと……えっと、さ、」
「し、失礼します……」
言葉に詰まる楽奈美の背後の扉が開き、源城が現れる。
「源城さん……」
「お見舞いに来ました」
源城が軽く頭を下げる。
「ありがとうございます、源城さん」
波夢子も軽く頭を下げる。
「楽奈美さんも、こんにちは」
「こ、こんにちはっ」
楽奈美と軽く会釈をした後、源城は箱を取り出し、中身を開ける。
「フェイスタオルです。今治のものなので、肌触りがいいですし、今、治る、ということで縁起もいいそうです」
「わざわざありがとうございます」
「いいえ、活用してくれれば幸いです」
「源城さんもいらっしゃいませー、私漫画にしたんですけど、源城さんと被らなくてよかったですよ、うひょー」
楽奈美は努めて明るくおどけて見せる。
「それに、私の花束と源城さんのそれ、偶然ですねぇっ、花束作るために、花を手折るってねぇ、もうそりゃぁ、あは、は」
「…………楽奈美さん」
「はい?」
源城は静かに楽奈美を遮る。
「……俺が仲良かったら、あなたの肩をつかんでいましたよ」
「へ?」
「楽奈美」
波夢子は、楽奈美の左肩をつかむ。
優しく、でもしっかり。
「自分を責めないで」
「っ!ハム、ちゃん……」
「冒険自体はこんなことになっちゃったけど、楽奈美にダンジョン冒険に誘われて、ダンジョンに行く日、私楽しみにしてたんだよ」
「でもっ、でもっ、腕と足がっ、私のせいでっ……」
楽奈美の表情が歪む。
「楽奈美のせいじゃないよ、不幸な事故。だから、無理して笑わなくて、いいんだよ」
「ハムっ、ちゃん、私……」
楽奈美は言葉に詰まる。
「私っ、ずっと怖くて、ハムちゃんの未来を変にしちゃってっ、私のせいだって、だからハムちゃんを元気にしたかったけどっ、私も怖くてっ」
楽奈美の頬に雫が走る。
「ハムちゃんをっ、大事な友達をっ、ひどい目に合わせちゃって、取返しつかなくてっ、でもっ、ごめんねって、言うのが怖くて、怖いのが情けなくって……でもっ、ハムちゃん……ごめんね」
楽奈美の目から頬に涙が何筋も流れ、体に力が入らずうつむいてしまう。
「ごめんねぇっ……ごめんねぇぇ……」
「楽奈美、大丈夫。あんたは悪くない。……だからもう一度言うけど、自分を責めないで」
「ハムちゃん……!」
楽奈美は顔を上げる。
「落ち着いた、楽奈美?」
波夢子が優しく語りかける。
「ありがとう、ハムちゃん。励ますつもりで来たら、励まされちゃった」
そして、涙にぬれた顔で笑みを作る。
「そうそう、そうやって笑顔の方が、あんたらしいわよ」
波夢子は、フッと微笑む。
「よぉし!もっと明るく元気よくいくぞぉっ!」
楽奈美は拳を振り上げる。
「……そういうことなら、打ち上げをしませんか」
源城がそこで提案する。
「打ち上げ?」
「はい、俺が冒険者やってた頃に、ダンジョン行った後に仲間とよく行っていた場所があるんです。俺1人で行こうとしてたんですけど、楽奈美さんも気分転換するなら、一緒にどうですか?活力湧きますよ」
「えっ、源城さんが冒険者やってた頃のですかっ?興味ありますっ!」
「いいじゃない楽奈美。行ってみたら?」
波夢子は微笑む。
「じゃあ……源城さん、ご一緒していいですか?」
「はい」
楽奈美が源城を見ると、源城はにっこり微笑んだ。
「やったぁ!楽しみにしてますね!」
「楽しみにしててください。詳細は、えっと……」
「源城さん、FuwaFuwaやってます?ID交換しません?」
「あ、交換しましょうか」
楽奈美と源城は、無料チャット通話アプリのIDを交換した。
「詳細はFuwaFuwaで送りますので、よろしくお願いします」
「はいっ!お願いします!」
「……では、そろそろいい時間ですし、おいとまします。波夢子さん、お大事にしてください」
「じゃあ私も、ハムちゃん、元気でねっ」
「2人とも、ありがとうございます」
波夢子に見送られながら、楽奈美と源城は病室を出て、廊下を歩く。
「源城さん……」
病室の明るく清潔で無機質な廊下を歩きながら、楽奈美は源城に話しかける。
「はい」
「私、ハムちゃんを元気づけようと思ったら逆に元気づけられちゃいまして」
「そんな話をしてましたね」
「しょーじき自分で自分が甘ちゃんだなぁって思ったんですけど、」
楽奈美は一歩前に出て、源城の方を向いてニッと笑う。
「だからもう開き直って、源城さんからも元気もらいたいです」
「……いいですよ」
源城は微笑んだ。
「打ち上げ、楽しみにしておいてください」
「はいっ!」
楽奈美はとびきりの笑顔を見せた。
打ち上げ当日、源城は現場にて、会場の選択を後悔しかけていた。
(しまった……冒険者みんなで行く時と同じノリで誘っちゃったけど……)
「源城さん、し、失礼します……」
楽奈美はもじもじする。
「は、はい……どっ!?、うぞ……」
源城は楽奈美の方を見て、そのえっちさに一瞬取り乱す。
楽奈美は、魅惑的な水着姿だ。
フリルのついたヴェールのように薄い水着の下に、たわわな乳房を3割ほどしか覆えていない上の黒ビキニと股間をぎりぎり覆うぐらいの下の黒ビキニ。
楽奈美は不本意そうに顔を赤らめながら、軽くかけ湯をして、源城の隣にゆっくり入る。
「……今日はよろしくお願いします、楽奈美さん」
「はい、源城さん」
源城の温泉好きと酒好きが高じてよく打ち上げに使っている、
飲酒軽食付きぬるま湯混浴家族風呂「風呂おLight」
(やっぱり……若い女性と2人で混浴するのは水着着ててもアウトでは!?)
ちょっと後悔している源城と恥ずかしそうな楽奈美。
打ち上げが始まった。




