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現代でも魔法を使うための5つの方法!(本当に5つだけか?)  作者: normal


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第七章:魔術師たちの戦い

「いいか、今回の任務は非常に危険だ」

傅英石フー・インシーが二人に釘を刺すのは、高鐵(新幹線)の中から数えて何度目だろうか。嘉義カギ支部の迎えの車の中でも、彼は助手席から深刻な顔で振り返り、同じ言葉を繰り返していた。

「二人にとっては初陣ではないが、燕惠イェンフェイにとっては実質的な初の実戦だ。建寧ジェンニンも気を抜くな。相手に媒介式メディア・タイプの使い手がいた場合、必ず回避に専念しろ。さもないと、君の強すぎる感受性が仇となって、激痛で命を落としかねない」

「「はい!」」

二人は声を揃えて答えた。


嘉義市役所に到着すると、驚いたことに市長自らが出迎えていた。

「傅主任、そして学生のお二人。嘉義へようこそ。神木群の調査と維持管理、よろしくお願いしますよ。阿里山アリサンの神木は我々の観光資源の要ですから」

市長は魔法の存在を知らないようだった。不法伐採の調査という名目で、これほど高層の役人までもが「魔法」から遠ざけられていることに、建寧は魔法界の徹底した隠蔽体質を実感した。


三人は市役所十階にある嘉義支部――表向きは特別捜査警備局――へ向かった。

リュウ主任、お久しぶりです」

「あぁ、傅主任。わざわざ遠くから済まないね」

劉主任は事務的な態度だったが、建寧が「生死霊せいしりょう」の使い手だと知ると、目を見開いて驚きを露わにした。

建寧は、魔法に興味津々だが言い出せない妹のために、支部に保管されている「魔杖わじょう」を見せてほしいと頼み込んだ。


「これか……」

奥から出されてきたのは、ただの「木の棒」だった。ホームセンターで売っているような無骨な枝にしか見えない。

「これが千年せんねんの神木から作られた魔杖だ。他に没収した百年のものが三本ある」

燕惠が半信半疑で百年の魔杖を手に取り、神経を集中させた。すると、棒の先端に小さな氷の粒が形成された。

生成式ジェネレーティブ・タイプは『創造』だが、媒介式メディア・タイプは『具現化』だ。ロジックが違う。本来、媒介式が放つ魔法の方が遥かに強力なんだ」

傅英石が解説する中、燕惠は千年の魔杖に持ち替え、唱えた。

風弾ふうだん!」

突如として突風が吹き荒れ、デスクの書類が派手に舞い上がった。

「あぁ、すみません! すぐ拾います!」

「はしゃぎすぎだぞ、燕惠」

建寧も呆れながら手伝うが、その表情は真剣だった。劉主任から受け取った資料には、現場に残された魔法の痕跡が克明に記されていた。相手は二十以上の警報魔法を維持できる、相当な実力者だ。


午前三時半。三人はまだ暗い阿里山森林遊楽区に到着した。

「ここからは木道を離れて森に入る。建寧、君の感受性が頼りだ。隠された警報魔法と、切り倒された神木の死霊の気配を探せ」

「……はい」

建寧は全神経を研ぎ澄ませた。十歩進むごとに、皮膚を刺すような違和感が襲う。

「教官、ここに警報があります。範囲がかなり広い」

炎弾えんだん

傅英石が小さな火球を放ち、仕掛けを焼き切る。

三人は一時間近く森を彷徨い、二十近い警報を無効化した。建寧の額には脂汗が滲んでいた。


「教官、二時の方角……気配が異様です」

建寧が指し示した先、河床の近くに一台のオフロード車が停まっていた。男たちが七人。彼らはまだ、自分たちの警報網が突破されたことに気づいていない。

「よし、計画通りだ。君たち二人は道に迷った子供のフリをして近づけ。相手の警戒心を解くんだ」


「あの……すみません、道を教えてもらえますか?」

建寧が声をかけると、男たちが一斉に魔杖を向けた。

「子供か。邪魔だ、さっさと失せろ。あっちに行けば一般道だ」

一人の男が杖を突きつけてくる。建寧はその杖から、百年の精華を感じ取った。

「行くぞ、燕惠」

「うん!」

「言ったはずだ、消えろと……っ!?」

燕惠の炎弾が男の顔面を直撃し、建寧の拳が腹部に沈む。男は一言も発せず崩れ落ちた。

「魔術師だ!」「政府の犬め!」

残り六人が一斉に魔杖を掲げた。


「「具現化・雷電!」」

雷弾らいだん!」

降り注ぐ雷光を、傅英石が手慣れた動作で地へと逃がす。

「教官、雷も使えるんですか!?」

「後だ! 集中しろ! 氷弾!」

夜明けの薄光の中、不可視の雷と視認しやすい氷弾が交錯する。

「『隠蔽インビジブル』!」

一人の敵が姿を消した。傅英石が警戒を呼びかけようとした瞬間、彼は不可視の力で跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられた。

「教官! ……そこだ!」

建寧は死霊の気配を頼りに、虚空を蹴り抜いた。実体化した男が呻きながら転がる。

「このガキ……『硬質強化ハードニング』!」

男が掲げた魔杖は鋼鉄のように硬化し、建寧の蹴りを弾き返した。

「教官、これは何ですか!」

「媒介式にルールはない! 何が来るか見極めて対処しろ!」


戦いは混迷を極めた。建寧は燃え盛る炎に皮膚を焼かれながらも、河原の石を投げつけて隙を作り、泥臭い近接格闘で一人を仕留めた。

一方、傅英石と燕惠は「極寒ごっかん」の環境を作り出し、生成式に有利なフィールドを展開。燕惠の氷弾を傅英石の風弾で加速させる連携で、次々と敵を無力化していった。


「よし……燕惠、警察に連絡を……」

勝利を確信した瞬間だった。

燕惠の体が、巨大な衝撃に弾かれて数十メートル先へと吹き飛んだ。

「燕惠!!」

駆け寄ろうとした建寧と傅英石を、凶悪な雷光が襲う。全身を麻痺させる激痛に、二人は膝をついた。


「具現化・雷電」

「傅英石。……老いたな」

森の奥から、一人の男が悠然と現れた。

「貴様、何者だ……」

「具現化・氷球」

男が放った巨大な氷弾は、傅英石の氷弾を容易く粉砕した。建寧が身を挺して教官を庇うが、その冷気は「生死霊」の防御を越えて芯まで凍えさせる。

「教官、こいつ……今までとはレベルが違う!」

「雷弾! 雷弾! 雷弾!」

傅英石が必死に反撃するが、男は手にした「千年の魔杖」を一振りするだけで、すべての攻撃を無効化した。


「よくも、燕惠を……!」

建寧の瞳から光が消えた。十指を組み、「完全凝聚フル・コンデンス」を強行する。

「『瞬歩しゅんぽ』!」

一瞬で距離を詰めた建寧が、男の魔杖の先端に「霊魂痛撃ソウル・スマッシュ」を叩き込む。

パキィィン! と乾いた音が響き、千年の神木で作られた魔杖が真っ二つに折れた。

「なっ……『生死霊』だと!?」

男が驚愕に目を見開いた隙に、傅英石が叫んだ。

「建寧、燕惠を連れて逃げろ! 早く!」


建寧は意識を失い血を流す妹を背負い、朦朧とする意識の中で登山口まで走り抜けた。

待機していた支部の車に飛び込み、嘉義基督病院へと急がせる。


「教官……すみません、僕たちのせいで……」

車内、建寧が絞り出すような声で謝罪した。

「……いや。君の生死霊がなければ、全滅していたのは我々の方だ」

傅英石は深く俯き、拳を握りしめていた。生成式の達人である彼が、媒介式の一撃に手も足も出なかった悔しさが滲む。

「バックに、とんでもない怪物がいるな。……次は『空式くうしき』の使い手を呼ばねばなるまい」


病院へ向かう車内には、重苦しい沈黙だけが流れていた。

阿里山の森には、折れた魔杖の半分と、跡形もなく消えた七人の男たちの痕跡だけが残されていた。

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