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光源高校VS兵部高校 庶務戦 その1










カチカチ……


カチカチ、カチカチ……



音がする。





カチカチカチカチカチカチ……




どこから?





カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ……







ああ、俺の口から出てるのか?





情けない話だけど…………緊張し過ぎて歯がカチカチ言っている。






それが周りにバレない様に唇をギュッと結んだ。



音が聞こえなくなった。








その事に気を取られていると今度は右手と右足が一緒に前に出た。



そしてそのまま二歩三歩とラクダみたいな歩き方になってしまったので、一度立ち止まった。











落ち着け……落ち着けよ………





そう頭の中で唱えるほど、俺の体はガチガチになっていく。













「ねぇ、君大丈夫?」




「え?」




いつの間にか俺の数メートル目前に彼女は迫っていた。



兵部高校生徒会の庶務……名前は…………さっき会長が呟いていた。




ダメだ……頭が真っ白になってる。









だってこんなにも大勢の人の前で、自分の魔法を披露しなければならないんだ。




緊張するに決まってる。




でも、それを表情には出したらダメだ。




会長だって……感情の乱れを顔に出す事はしない。





ポーカーフェイスだ…………クールになるんだ俺。










「………心配してくれてありがとう。俺は光源高校1年生で庶務の……明日葉 幸輝だ」







全身こんがりと日焼けした彼女は屈託のない笑みを浮かべて






「アタシは兵部高校2年……同じく庶務の犬飼(いぬかい)ちひろだよ」










俺たちは変わらず数メートルの距離を置いて自己紹介をした………それに合わせる様にしてスタジアム内のスピーカーから試合開始を宣言する旨の放送が流された。



2年生………か。



ワンチャンあるか?





確かに俺は魔法のレベル的には平均値だけど……曲がりなりにも3年生を打倒した事だってある。





今回の相手は2年……しかも女子。




なんの根拠も無いが……もしかして意外とイケるんじゃないか?












「さぁ、かかって来いよ!」




俺は素人丸出しの構えを取る。





犬飼さんは俺の事をみてクスクス笑うと。



「よーし!!じゃあ行くよ?」







と言うと、()()()()()()()()()()()()()()()
















何だよ?



「一体何をし」







一体何をしているんだ?










俺がそのセリフを最後まで言う事は出来なかった。




「ぐおっ!」







目にも止まらぬ速度で接近した犬飼に俺は蹴り飛ばされた。









そして、一定の間隔で植えられている木に激突した………激しい痛みが全身を襲う。













俺はすぐにぶつかった木から転がる様にして離れた………別に何か見て反応した訳じゃない。








ほとんど勘だった。




漠然とだが、ここにいたらマズイ………そう思った。











そして俺の勘は的中した………俺を抱きとめてくれた木が犬飼の蹴りで薙ぎ倒された。




あのまま、あそこにいたらゲームセットだっただろう。








凄まじいパワーだ……そして何より素早い。




異常な身のこなしだ……彼女は木を蹴り倒した後、その周辺の木に隠れる様にして移動を開始した。









試合が始まってから彼女の姿をろくに視認していない。









どこにいる?



正面には居ない……右も左も、背後にだってもちろん居ない。










「ねぇ、君……」




左方向から声がした。


反射的に距離を取りながらそちらを見ると……









「逃げてるばっかりじゃ試合にならないよ?」












「何だよ……それ。もしかしてアーツなのか?」









そこに居た彼女はまるで獣の様だった。








彼女は木の幹に張り付いている。




その両手両足には鋭く大きな爪が生えていた……人の肉など容易く切り裂いてしまいそうなその爪を、木の幹に食い込ませている。






まるで、両手両足だけ別の生き物になっている様だ。







肉体を強化させるタイプのアーツ。





たぶんその人はコレに該当する。









「ねぇねぇねぇねぇ……もっと楽しい闘いにしようよ?」




彼女は試合が始まる前の屈託のない笑みを浮かべた。






その笑みの中には先程まで無かった獰猛さと牙があった。









全身から冷や汗が吹き出る…………勝てるのか?


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