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生徒会戦と聖人と四天王 その4












このゴスロリ幼女…………マリーだったよな?



今、なんて言った?


美鈴先生と………誰だ?桔梗?




マリーは俺達の……いや、会長の反応を見て妖しく笑っている。


幼い容姿に似合わない……見ていて恐怖すら覚えるそんな笑み。




会長は眉間にシワを寄せながらマリーに問い返したが、その声には若干の怒気と恐怖が混じっていた。






「君……まさか…………聖人なのか?」





返事はなかった。



ただその代わりにマリーはドレスの裾を掴んで持ち上げた。


そこには絹の様に真っ白な足と………タトゥーがあった。



際どいところに彫られている………右の太ももの前面部、鼠径部の直ぐ下に。




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様なものだらけで実際に何が描かれているのかは分からない。



見ていて不安になる様なそんなマーク。


美鈴先生の舌の上にも同じタトゥーがあった。


そしてそれは聖人の証。



そして彼女は呆気にとられている俺達の事など気にもせず


「もう一度……聞かせてもらうわ」



たくし上げていたドレスを下ろし、服装を整えながら



「美鈴と桔梗は元気にしてるのかしら?」




会長はなんと答えるか少し迷っている。


俺達だって何を言えばいいのか……完全に置いてけぼりだ。



「美鈴は……僕の生徒会で保護している。桔梗に関してはまだ発見できていない」



「そう……」




それだけだった。


でもその短い返事に込められていた感情を俺はしっかりと感じ取っていた。




少しの安心感と少しの不安……



それだけで彼女がどんな人物なのか知る事が出来た。





「聖人を………学校に引き込んだ僕が言うのもなんだが、まさか生徒会に入れてくるとは………やってくれるじゃないか不動君」





会長は頭に手を当て、不動先輩の方を見ずに言った。



「……言っておくがコレは月光ヶ原の提案だ。ちなみにマリーを保護したのも彼女だ」





会長は「どう言う事だ?」と、眼光だけで月光ヶ原先輩に訴えていた。



月光ヶ原先輩は体を震わせながら言い訳する様に……ところどころ声を裏返しながら


「えっと、その……違うんです。私も本気で生徒会に入れつもりはなくて……冗談半分で……言ったんですけど」



「そもそも保護したって、彼女を一体どこで見つけたんだ?」




その話題になるのを待っていたと言わんばかりに、マリーが突然会話に入って来た。






「最近の話よ……私が夜道を歩いていたら怪しげな男どもに囲まれたの。そしてそこを偶然通りかかった華仙が助けてくれたのよ」




「そうなのか?」








「おまわりさんに補導されそうになっていたので」





「ただのアホじゃないか」





「ちょっと貴方!言っていい事と悪い事があるわよ!!」




今のは言っていい事だと思う。


世界を救った聖人が補導って……なんだかな…………




話が逸れ始めたのを感じた不動先輩が大きく咳払いをした。


そして


「とにかく、俺と月光ヶ原とマリーで3勝が決まっている様なものだ…………月並みな言葉だが、せいぜい足掻いてくれ」



それを聞いた会長はニヤッと笑った。




「随分と好き放題言ってくれるな不動君……後で吠え面かかしてやるからな」



中指を立てながら兵部高の全員に向かって言った。




俺は突き立てられた中指を手で隠しながら




「お互いにベストを尽くして、良い生徒会戦にしましょう」



と言った…………社交辞令だ。



全く本心ではない。



絶対に勝ってやる………これだけ言われて黙ってられるか?






俺の社交辞令の後、一瞬の静寂が部屋に訪れたが……会長の携帯から発せられるアラーム音がそれをかき消した。



兵部高も月光ヶ原先輩の携帯が鳴動している





「ちょうどいい………君達、時間だ」




そう言うと会長は待合室から出て行く。


俺達もその後を追い、試合会場に向かった。



道中、会長の兵部高に対する罵詈雑言を延々と聞かされた。









―――――――――――――――――――――――――――








「何だコレは?」





会場に着いて真っ先にその言葉か出て来た。



コレが試合会場なのか?





一言で言えば野球のスタジアムだ。


俺達のベンチは一塁側で兵部高は三塁側。



スタンドには観客が溢れんばかりに押し寄せていた。


魔法による流れ弾を防ぐためにスタンドとグラウンドの境界線には分厚い防弾ガラスの様なもので仕切られている。




ココまでは普通だ。



けどグラウンドが異常だ。





木だ…………



木が生えている。



グラウンドには一定の間隔で木が植えられている。



どれも似た様な大きさで、普通の街路樹と何ら変わりない。




でも普通グラウンドに木を植えるか?




会長に聞いてみたら、会場設営は兵部校に一任したから知らないそうだ。





てか会長は何をしているんだ?



双眼鏡を覗いてどこか見ている……どこに隠してたんだその双眼鏡。




「庶務、犬飼 ちひろ……書記、鬼龍 セイヤ……会計、マリー……か。」




え?


何で向こうの人達の名前と役職知ってるんだ?


前もって知っていたわけじゃないよな……だとしたら俺達にも教えてくれるはずだし。




という事はまさか……




「唇の動きを読んでるんですか?」




「…………何だよ。別にコレくらい誰だって出来るだろう」





読唇術も体得しているとは恐れ入りました。



でも若干引きました。





会長は双眼鏡をベンチに置くと俺の尻を蹴飛ばして。



「ほら無駄話してないでさっさと行け。初戦は庶務同士の戦いだ」





「そうなんですか⁉︎」




そう言えば特訓中にそんな事言われていた気がする。



投げられ過ぎて記憶が曖昧になったか?





俺は囃し立てられる様にしてグラウンドに出た。







緊張してちゃんと歩けているかも分からなかったし、夜々木と春臣が何か言っていたが、それも聞こえなかった。





でも不思議と会長の言葉だけは鮮明に聞こえた。








「チャンスを逃すなよ、明日葉!」







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