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生徒会戦と聖人 その1









俺は自分の力で3年生に勝利した。





しかも、たぶんだが………アーツが使える様になったんだと思う。

コレばっかりは理屈抜きの直感だが………




アーツ………………副会長はそれをその人だけの芸術だと言っていた。





もし本当にそうであったなら、俺はもう少し自分に自信が持てるんじゃないか?



他の人とは違う何か………



俺だけにしか出来ない何か………



自身だって、きっと持てるはずだ………



春臣と夜々木の親友として、心から肩を並べることが出来るんだ。










なのに嬉しくない


それに楽しくもない



それどころか何も感じない。










「凄いよ!幸輝君!!見事な逆転勝利じゃないか!」




春臣がいの一番に駆けつけてそう言った。


続いて夜々木も手を上下にバタバタさせながら鼻息を荒くして、



「ホントだよー!速すぎて目が追いつかなかったよ!」




「2人ともありがとう………でもまぐれみたいなものだぜ」、そう言おうと思った、



そう言いたかった……


そう言わないといけないと思った………



でも、何も言えなかった。




だって何も感じないから………




形だけ見ると俺が夜々木と春臣を無視している様になっている。


そこにゆっくりと会長が歩いてきて、



「いい模擬戦だったよ………期待以上だ。明日葉……お前は立派な生徒会役員だ」






たぶん………いやきっと、普段の俺だったら涙の1つでも流したかもしれない。




会長は欲しいタイミングで欲しい言葉を言ってくれる。


相手の気持ちに立って行動出来るというか………




だが副会長は「あのパンチは俺の真似か?」と聞いてきた………今はどうでもいい。



「………………そうだな」



声がした方に目を向けると、小鉢先輩と腰抜けメガネに肩を貸してもらいながら須郷先輩が歩み寄ってきた。


そして彼は「すまなかった」と、



「生徒会にふさわしくないなどと言って悪かったな」



と………そう短く言うと須郷先輩達は、俺達に背を向け訓練室を出て行こうとした。




俺はとっさに「ありがとうございます!!」と









言えなかった………………






だって俺は今の先輩達の言葉を聞いても、何も感じないから。







俺は先輩達の小さく見える背中を、そのまま見送る事しか出来なかった。

















―――――――――――――――――――――――――――











「いま美鈴(メイリン)を呼んでいる………傷の手当てをしながら色々話そうじゃないか」



「話って………何を話すんですか?」




「そりゃもちろん君のアーツの話だよ、明日葉」




ドキッとした………やっぱり会長には分かっていたのか。



あの後、俺達は訓練室を出た後………俺は春臣に肩を貸してもらいながら………生徒会室に戻ってきた。




副会長は保健室に行っている。


たぶん美鈴先生を呼びに行ってるんだろう……俺のために申し訳ない………











「君のアーツに関してだけど………実はもう大体の予想はついているんだ」



「え………本当ですか?」



何で俺にも分かっていないのに………そんな事を思ったが、俺は会長に聞かざるを得なかった。



会長は「大きく分けて3種類だ」と



「僕や久我山の様に複数の魔法や技術を組み合わせて、まるで新しい魔法の様に見せる………コレが一般的なアーツだ」



会長は炎と水………春臣は魔力を指先から押し出す技術とさらに無意識で魔力を金属にする魔法を使ってアーツを成立させている。


ここまではOKだ。



「副会長は体表の魔力抵抗の高さを利用し、体内で生成した電撃を体に溜め込み………あまつさえその電撃で肉体を活性化させる。」




「それを俺は帯電魔法と呼んでる」



声が聞こえた方を見ると副会長が美鈴先生を連れて来てくれていた。



生徒会室に入ってきた先生は赤い髪をなびかせながら迷いなく俺の方に近づいて、


「雫ちゃん………あんまり無茶させたら駄目よ」と言いながら魔力を俺に流し込んでくれた。



すると痛みがみるみるうちに癒えてくる……火傷していた箇所もあったのにもう治った!!




この人は本当に何者なんだ?









俺の考えなど露知らずといった感じで、副会長は




「帯電魔法を使っている時の俺の必殺技があってな、久我山にやったんだが覚えてるか?」




「僕にですか?…………もしかして昨日、僕の糸を通して電撃を流して来たアレですか?」





「そう、そのアレだ」と、





「俺の魔力抵抗の高さを逆に利用して、()()()()()()()()()()()()()()…………この技を俺は狼電(ろうでん)と呼んでいる」





狼電か………正直カッコいい……俺のアーツもそんな名前にしたいな。



そんな事を考えていると会長が舌打ちして、


「要は複数の魔法や体質を組み合わせて、肉体を活性化させる。コレが身体強化系のアーツだ」




「話がだいぶ逸れたが3つ目は」と会長は切り出した



たぶん俺はココにカテゴリされるはずだ……



俺のアーツは一体?



俺が目をキラキラさせながら会長を見ていると



「精神系のアーツだな。幻覚とか……幻聴、あとレベルの高いアーツだと洗脳とか」



会長は「君のアーツはココに入る」


と平然と言った。




精神系のアーツ…………



幻覚とか幻聴?

地味じゃないですか?



レベルが高いと洗脳?

陰湿じゃないですか?





貧乏くじ……ぬかよろこび…………色々な言葉が頭の中をよぎったが、春臣と夜々木がとっさにフォローしてくれた。





「でもコーちゃんのアーツってそんな陰湿な感じではなかったよね?」



「そ……そうだよ!!むしろ僕には身体強化系のアーツに見えたけど?」





俺が2人の慰めにを聞きながら、確かに…と思った。



別に俺は須郷先輩に幻覚を見せたり、洗脳したりなんてしてはいないはずだ?



むしろ身体強化系と言われた方がしっくりくるぞ?





だが会長は


「間違いないね……しかも明日葉は無意識にアーツを使っている兆候もあった。明らかに不審な点があるんだ……君達にはわからないだろうけどね」





アーツを使っていた?


俺が?


そんなはずはない…………だって今までそんな感じ一度もなかった。



困惑する俺を見ながら会長は「結論を言うよ」と、





「君のアーツは…………」




俺のアーツは………?




















「自分の感情を燃料にし魔力を増幅させるアーツだ」

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