第四十・五話(スピンオフ) 「畑会議(緊急)」
世界が白くなった直後。
気がつくと。
レインたちは円卓に座っていた。
畑のど真ん中に。
なぜか。
ちゃんと椅子付きの会議室になっている。
「……また変な空間だな」
レインは即座に理解した。
フィオが辺りを見回す。
「ここどこ?」
リゼがため息。
「どうせ世界ちゃんでしょ」
正解だった。
◇
パチパチパチ。
拍手とともに世界ちゃん登場。
「緊急・畑会議を開催します!」
机の上には謎の資料。
タイトル:
『世界再構築対策会議』
ゼルが手を挙げる。
「議題重くない!?」
「重いよ」
即答だった。
◇
世界ちゃんがホワイトボードを出す。
書き始める。
現状整理
再構築プロトコル進行中
管理者上位システム稼働
修正係介入中
世界の種が暴走気味
レイン。
「最後だけ雑じゃない?」
「雑じゃないよ」
世界ちゃんは真顔だった。
◇
フィオが手を挙げる。
「結局どうなるの?」
世界ちゃんは少し黙る。
そして。
「3つの選択肢があります」
全員が身構える。
◇
選択肢① 勇者ルート
世界を力で再構築を止める
管理者と正面衝突
死亡率:高
レイン。
「やだ」
◇
選択肢② 魔王ルート
システムを乗っ取る
世界を書き換える側になる
ただし人格崩壊リスク
リゼ。
「ちょっと面白そう」
レイン。
「やめろ」
◇
選択肢③ 農民ルート
全員沈黙。
「それは?」
世界ちゃんは微笑む。
「世界を“育て直す”」
ゼル。
「やっと分かった」
「農業エンドってことね」
世界ちゃん。
「うん」
即答。
◇
ソレアが頭を抱える。
『一番難しいやつじゃないか』
世界ちゃんは首を振る。
「でも一番成功率が高い」
沈黙。
◇
その時だった。
机の上の“世界の種”が跳ねた。
ポン。
ポンポン。
まるで返事しているように。
レインはそれを見て言う。
「こいつが決めるんじゃね?」
世界ちゃん。
「そうかも」
適当だった。
◇
その瞬間。
畑会議の天井が割れる。
白い空間に亀裂。
修正係の“手”が侵入する。
『再構築優先実行』
世界が揺れる。
世界ちゃんが立ち上がる。
「時間切れです!」
レインを見る。
「選んで!」
レインは少しだけ黙る。
そして鍬を持つ。
「もう決まってるだろ」
世界ちゃん。
「うん」
◇
レインは笑った。
「畑だよ」
その瞬間。
世界の種が爆発的に光る。
白い世界に。
緑が広がり始める。
再構築が“耕される”。
全員が光に包まれる。
世界ちゃんが最後に言う。
「じゃあ次は本編に戻ります!」
ゼル。
「今の何だったの!?」
世界ちゃん。
「休憩回!」
畑会議は終了した。
そして世界は再び壊れ始める。
ただし今度は。
少しだけ“芽が残ったまま”で。




