みきお君の誕生日(2)
6月8日は望月みきお君の誕生日だった…
そこでエマさんは彼の誕生日祝いをする事に決め、エマ邸の食堂ではパーティー会場が設営されていました。
何故か誕生日プレゼントを買いに行って新しい服を買ってしまったカレンと共に、エマ邸に到着したみきおの前には…次々と魅力的な女性達が登場してきます!
そして、カレンの脳裏には占い師の言っていた「ライバル多く、道のりは困難」
という言葉が思い出されるのだった。
私服姿のルナさんに案内されて、みきおの誕生日パーティー会場である食堂にやってきた御堂カレン、牧野真希奈、そしてみきお君の三人。
大きなテーブルの上には、様々な料理が並びワインなどの酒類やソフトドリンクが揃っていた。
みきお「わぁ〜!凄いですね?まるで一流ホテルに来たみたいだ!」
カレン「本当に凄いわ!普通ここまでやる?」
真希奈「さすがだね?エマさんはやる事が豪快だ!」
三者三様の感想を漏らすとルナが…
ルナ「フフ…みづきちゃんと二人で、朝から頑張って用意したんですよ。」
と、嬉しそうに話す、するとパーティー用に着替えたみづきが声をかけてきた。
みづき「こ、こんばんは…ようこそいらっしゃいました…!」
彼女は淡いピンクの小花柄に、赤いギンガムチェックのリボンとフリルをあしらった、可愛らしいフレアワンピースを着ていた。
みきお「こんばんは!…みづきちゃんその服凄い似合っているね?凄い可愛いよ!」
みづき「はわわ…そ、そんな…可愛いなんて…で、でも嬉しいです!」
顔を赤らめるみづきだが、みきお君は彼女のそんな反応には気がついていなかった。
カレン「こんばんは、みきお君の先輩の御堂カレンよ、よろしくね!」
確かに先輩なのだが普段はみきおにタメ口で良いなどと言ってるカレンだが、何故かこの時は先輩だと主張してくるのだった。
みづき「あ、わ…私、十六夜みづきです!よ、よろしくお願いします…」
カレン「ええ…可愛いわね?みづきちゃん。」
なんとなく語気が強いカレン…それもそのはず、内心では新たなライバルの出現に焦っていたのだ。
カレン(この子は間違いなくみきおの事を…ライバル多くて道のりは困難なんて…占い当たりまくりじゃないのよ?)
実際には、この時点でみきおに明確に気があるのはみづきだけだが、カレンにはもう全てが恋のライバルにしか見えていなかった。
みきお「みづきちゃんは前に住んでいたアパートでお隣さんだったんだよ、火事になって離ればなれになってたけど、こんな感じで再会するなんて思わなかったね?」
カレン「えっ?お互いに知り合いだったんだ?凄い偶然ね?」
みづき「わ、私…みきお君が火事で死んだかと思って…」
少し涙ぐむみづき、それを見てカレンの心は更にザワつくのだった。
カレン(ムムム?これは絶対にヤバいわ!みづきちゃんは完全にみきおの事…はっ!私…いつの間にか…?)
そうだった、カレンは急速にみきお君の事を意識するようになっていたのだ。
そしてそこへ義姉のリゼがやって来た。
リゼ「みきお君、お誕生日おめでとう!あきらさんは人間蒸発事件の事後処理で忙しくて来れないみたいなの…」
金髪碧眼の、淡い花柄ワンピースを着た彼女は、みきおの兄である望月あきら氏の妻で、エマの実の娘だった。
みきお「リゼさん!ありがとう…兄貴は刑事だから仕方ないよ…それに行方不明になっていた人達がいきなり帰ってきたから…処理が大変なんだって!」
リゼ「そうなのよ!だから今夜は帰れないらしいの…まぁお母様が今夜は泊まっていきなさい!なんて言ってるから…お言葉に甘える事にしたわ!」
カレン(泊まるですって?みきおとひとつ屋根の下にこんな美人ばかりが…なんていうハーレムなのよ?)
リゼはみきおの義姉であり、エマの娘なのだから泊まっていっても何ら差し支えないはずなのだが…既にカレンは冷静な思考が出来ない状態なのだった。
みきお「僕は部屋に荷物を置いてくるよ!」
そう言うと彼は食堂から自室に戻ろうとした。
カレン「あ、ちょっと待ってよ!…これ…プレゼント、誕生日祝いよ!」
そう言うとカレンはリボンが付いた小さな包みを手渡した。
みきお「ありがとう!後で開けるから…これも部屋に置いて来るね。」
そういって自室に向かうみきおを見送るカレン。
そこへ入れ違いでエマが入って来た、大きく背中の開いたセクシーな赤いドレス姿の彼女は、普段よりもさらに美しく妖艶な感じがした。
エマ「わぁ!カレンさん素敵ね?とっても可愛いわぁ〜!」
エマは素直な感想を述べてるだけだが、カレンにとってはそうは受け止められなかった。
カレン「ど、どうも…え、エマさんも凄い素敵です…」
それ自体は嘘では無かったが、カレンの内心では…
カレン(…ラスボス!…ここにラスボスがいたわ…!)
エマ「…?どうかしたの?顔色が悪いけど…」
カレン「だ、大丈夫です!…ちょっと…緊張してて…」
エマ「フフ…今日は立食パーティー形式だからテーブルマナーなんて気にしないで良いのよ!」
カレンが緊張しているのは事実だが、原因は目の前のエマ自身だとは知らずにいた。
カレン(…ライバル多く、道のりは困難!ですって?ライバルどころか中ボスにラスボスまで揃ってるわよ!)
エマ「…?遠慮なく食べてね?そうだカレンさんはお酒は?」
カレン「あ…いえ私はまだ…誕生日は8月8日なので…」
エマ「まあ!丁度二ヶ月後ね?」
カレン「は、はい!」(そうよ!私はみきおと同じ歳、同じ大学に通ってる、そういうアドバンテージが有るのよ!)
エマ「それじゃ…今夜はノンアルで我慢してね!二ヶ月後にはこのワインを飲ませてあげるわ!」
そう言って、ノンアル飲料の入ったシャンパングラスをカレンに渡す。
カレン「あ、ありがとうございます…」(エマさん…上品で綺麗で…胸も大きい…ま、負けた…)
勝手にカレンの中ではKOの文字が浮かぶのだった。
そんなカレンの様子を、真希奈は少し離れたところに立ち、ニヤニヤしながら見ていた。
ルナ「真希奈さんはお飲み物は?」不意にルナが二つのグラスを持って近寄って来た、シャンパングラスには本物とノンアルの炭酸飲料が入ってる。
真希奈「ありがとう、アタシはクルマだから…今夜はノンアルさ!」そう言ってノンアル飲料のグラスを手に取ってかざす。
ルナ「エマ様は泊まっていっても構わないと…」
真希奈「そこまで甘える訳にはいかないさ、ソレに…こっちも事後処理が残ってるんでね!」
ルナ「…地球の警察も大変そうですからね?」
真希奈「そうだろうな?攫われた人々は、圧縮冷凍されてたから行方不明中の記憶は残って無いんだ。」
ルナ「宇宙人の存在を知られる訳にはいきませんが…」
真希奈「まあ、そういう意味では好都合だけどな?」
そんな会話をしているうちに、みきおが戻ってきてパーティーが始まるのだった。
立食パーティー形式で始まったみきお君の誕生日パーティー、参加メンバーの一人一人がみきおとグラスを合わせて乾杯する。
みきお「みんな…ありがとう…こんな盛大な誕生日パーティーは生まれて初めてで…」
そこまで言って言葉に詰まる…感情の高ぶりで涙が出てきてしまった…
カレン「…みきお…」思わずカレンはキュンとしてしまった、そしてもう1人…
みづき「みきお君…ウルウル…」目に大粒の涙を浮かべるみづき!彼女も両親を亡くしているのでみきおの気持ちが分かるのだ。
エマ「みきお君……」エマもちょっとキュンとしていたが、それは2人とは少し違う感じだった…
真希奈「…頑張れ、みきお!」真希奈は彼女らしくみきおを励ます。
みきお「…は、はい…とにかく…みんなありがとう!乾杯!」何とか挨拶を済ませた後は、各々が好きな食べ物を取り談笑するのだった。
カレンはずっとみきおの隣りに居た…顔見知りがほとんどとはいえ、彼女にとってはここはアウェー…敵地になっていたのだ。
とはいえ、他の女性達もみきおに話しかけて来る…今夜の主役なのだから当然だが、それを追い払う訳にもいかないカレンはストレスが溜まっていくのだった。
カレン(…あぁもう…次から次へと…何よ?)
みきお「わぁ!この煮物、みづきちゃんが作ったんだね?やっぱり美味しいよ!」
みづき「は、はい!おばあちゃんに教わったんですぅ…!」
カレン「本当に美味しい…みづきちゃんて料理上手で家庭的なのね?」
素直に褒めるカレンだが、内心ではみづきを恋のライバルとして完全にロックオンしている。
カレン(みきおの胃袋を掴んでいるわね?…これは強敵だわ…間違いなく。)
しかし、当の本人…みきお君はそんな二人の心の内は全く知らないのであった。
そして、みきお君は初めて飲んだシャンパンやワインに酔ってしまい寝てしまうのだった…!
つづく
御堂カレンの脳内は、もはや完全に恋愛RPG状態になっていますね?
出会う女性、出会う女性、みんなライバルに見えてしまうカレンですが……実はこの中で一番の強敵は十六夜みづきだったりします。
何しろ現時点で、みきお君への明確な好意を抱いているのは彼女だけ。
他の女性たちは、まだ「恋愛感情」というものが芽生えている様子はなさそうですが……?
果たして占い師の言った「ライバル多く、道のりは困難」という言葉は、どこまで当たるのでしょうか?




