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謎の占い師

望月みきおと御堂カレンは、金曜日の夜に人間蒸発事件が発生しているというデータから夜の紅華町(べにはなちょう)にやって来て事件を目の当たりにする。

現場で奇妙なカードを見つけたが、事件との関連もわからずその場では警察の捜査に任せるしかなかった…

そして、偶然出会った私立探偵「牧野真希奈」…彼女も人間蒸発事件を調査しているという。

はたして犯人の目的は?そしてコレは宇宙人の仕業なのか?

みきお達が人間蒸発事件を目撃した翌日…みきおは御堂カレンに呼び出されてゲームセンターにいた。


カレン「やった!"じいかわ"のぬいぐるみゲットよ!」

クレーンゲームで景品のぬいぐるみを見事に取った彼女は凄い喜んでいた、どうもこのキャラがお気に入りの様子だ。

挿絵(By みてみん)

カレン「見て!見て!可愛いでしょ〜?」

そう言ってゲットした"じいかわ"のぬいぐるみをみきおに見せつける。

みきお「"じいかわ"って…確か最近凄い流行ってるキャラクターだよね?でもじいさんなのに可愛いんだ…?」

みきおは内心では可愛いと思っていたが、カレンの喜びように少し引き気味だった…!

カレン「アンタこの可愛いさが分からないの?センスを疑うレベルだわ…」今度は逆にカレンの方が呆れたような顔でみきおを見ていた。

みきお「か、可愛いとは思いますよ!…だけど…そんなに喜ぶなんて…」

カレン「…コホン、確かにはしゃぎ過ぎたわね…?」そう言って少し顔を赤らめる。

みきお「それに…呼び出されてゲームセンターに連れてこられて…話したい事が有るんじゃ無いの?」

カレン「少しくらい遊んだってイイでしょ?ましてや"じいかわ"のぬいぐるみなんてスグに転売ヤーがやって来て無くなってしまうんだから…」

みきお「え?そんなに…?」

カレン「そうよ!さぁ次は"ばあかわ"のぬいぐるみよ!ペアで揃えないと可哀想だからね…!」そう嬉しそうに話すカレンに、みきおは少々呆れるが…結局付き合ってしまうのだった。


一方その頃…星影通りの裏通りの一角にあるBARの中では、エマと私立探偵の牧野真希奈がカウンター席に並んで座って何やら話していた。

真希奈「あのカード…転送用のマーカーだったとはな?」

エマ「ええ…アルフレッドの調べでは銀河の各地で一般的に使われている効果範囲の狭いマーカーみたい…」

真希奈「それを使って人間を何処かに転送しているのか…?」

エマ「そうだと思うわ、効果範囲が狭いから…転送先はせいぜい日本の国内よ!」

真希奈「なら転送先が判明すれば、さらわれた地球人を助け出せるな?」

エマ「生きていればだけどね…どんな目的で攫っているのか分からないから…」

真希奈「最悪のケースは想定しているさ!だが犯人は許しはしない…絶対に!」

エマ「随分と、この星に肩入れしてるのね?」

真希奈「この星には大勢の宇宙人が住んでいるんだ…みんな静かに暮らしたいと願ってる、一部の犯罪者のせいでそれを壊されるのは許せないのさ!」

エマ「私の娘も、地球人と結婚して幸せに暮らしてるのよ!同感だわ!」

真希奈「…しかし…ブリタニア星のお姫様が地球人と結婚なんてよく許したな?」

エマ「あの子には…本当に好きな人と結ばれて欲しかったの…私は…」

真希奈「貴族の生活なんてアタシには分からないけどさ…"ローレライの魔女"なんて呼ばれたアンタも…人の親なんだな?」

エマ「フフ…その名は地球では言わないでよ!みきお君に誤解されてしまうもの…」

真希奈「あの坊や…なかなか面白い子だけど…危ないな?」

エマ「あら?私達が守るわよ!」

真希奈「そういう意味じゃない、仕事柄…色んな奴を見てきたけど、あの子は巻き込まれ体質だ!既に巻き込まれているだろう?」

エマ「…そうね?ウチに来た時点で巻き込まれているかもしれないわね?」

真希奈「オマケにアタシなんかとも知り合って…危ない目に遭わないとイイが…」そう言って彼女はカクテルグラスの中の液体を飲み干した。

挿絵(By みてみん)

エマ「あの子は娘の旦那様の弟だもの…いざとなったらローレライ家の総力を上げて助けるつもりよ!」

真希奈「なら安心だ。」

エマ「…そう言えば、何か頼み事があるんじゃなかったの?」

真希奈「おっと!そうそう、実は…アンタの屋敷で預かって欲しい娘がいるんだよ。」

エマ「その子も宇宙人なのね?」

真希奈「ああ…元々難民で、地球に逃れて来たんだが…住んでいたアパートが火事でね…」

エマ「まぁ?みきお君と同じね…?」

真希奈「漏電による火災らしいが…しばらくウチの事務所に寝泊まりさせていたんだが…アタシの仕事は危険と隣り合わせだ、万が一事件に巻き込んでしまったら…」

エマ「なるほど?確かにそうね?…わかったわ、任せてちょうだい!」

真希奈「恩にきるよ、その代わりと言っちゃなんだが…あの坊やはアタシが全力で守ってやるぜ!」

エマ「フフ…正体がバレないようにね?」

そんな会話がされているとは全く知らないみきお君は…


ファーストフード店のハンバーガーを食べながら、向かい合って座ってるカレンとみきお。

カレン「SNSで検索したら…あのカードをもらったって人の投稿を見つけたのよ。」彼女は声を潜めながらスマホの画像を見せる。

みきお「なになに?"星影通りの占い師に幸運のカードをもらった!なんでも願いが叶うとかマジ?でもタダだから別にいいけど笑"って書いてあるね?」

カレン「でもこの写真はあのカードじゃない?」

みきお「!…確かにそうだ、星影通りの占い師…?そんなの居たかな?」

カレン「路上で占いをやってる人は確かに居るけど…何人かが日替わりでやってるみたいね?」

みきお「それも調べたの?」

カレン「当然よ!ミステリー研究会の部長なのよアタシは!」

みきお「…部長って言っても…他は幽霊部員ばかりだけどね…?」

カレン「アタシに付き合って調査してくれるのはアンタだけだもんね!」

みきお「ちなみに僕は天文研究会だからね、ミステリー研究会の部員じゃないよ!」

カレン「一応アンタも部員として登録しておいたわよ。」

みきお「…何勝手に登録しているんだよ?」

カレン「だから、アンタも幽霊部員なの!」

みきお「…うぅ…なんで僕は断われ無いんだ…?」

カレン「まあまあ…こうしてハンバーガーを奢ってあげてるんだし、イイじゃない?」

そう言って微笑むカレンの顔を見てると、ハッキリとは断れないみきおなのであった…!


夕方になって、星影通りにみきお、カレンの二人はやって来た…例の占い師を探すためだ。

みきお「まだ明るい時間だと、紅華町もそんなに怖い感じじゃないけど…」

カレン「調べたところ、占い師は紅華町の外れくらいに居るそうよ!」

みきお「…って事は…あのオジさんかな?」みきおが指さす方に小さなテーブルに"易"と書かれた幕を垂らしている髭の中年男性が居た。

カレン「ちょっと聞いてみましょう!」そう言って占い師に近づいて行くカレン。

みきお「う…うん…」

カレン「ちょっとすみません…少々聞きたい事があるんですけど…」

占い師「お?若いお嬢さん、何か悩み事かな?」男性は嬉しそうだ。

カレン「いえ…占いではなくて…」

占い師「ん?なんだ違うのかい…」少し残念そうな男性だが、カレンは質問していく。

みきお(カレンは僕以外の相手でもこうなんだ…だから僕も断われないんだよなぁ…)みきおは質問するカレンに感心しつつも、冷静に分析してるが…基本的に巻き込まれ体質なのは変えられ無いのだ。

カレン「それじゃ、こんなカードを渡している占い師は?」

占い師「カード?私の知ってる連中は、そんな物を渡してる人は居ないよ!あくまでも私達占い師はアドバイスをするだけ、お守りみたいなのは霊感商法の連中が売りつける物だからね…」

カレン「でも、SNSではタダで貰ったって…」

占い師「少なくとも、この場所で商売してる人はみんな場所代を払ってやってるからね、私の知ってる人ではないね!」

カレン「そうですか…ありがとうございました。」彼女は少し残念そうな顔で占い師に礼を言った。

占い師「紅華町で占いをやってる人はみんな登録してる人だ!でなければヤクザに狙われるからね…」

みきお「それじゃ、勝手にやる事は出来ないんですね?」

占い師「それはそうさ!そんな事をすればどんな目にあうか…」

みきお達は占い師の元を離れ歩いた。


カレン「占い師…カード…」考え事をしながらブツブツと呟く彼女の隣で、みきおは考えていた。

みきお「もしもモグリの占い師なら…ヤクザ連中に目を付けられてるはず…そうだ!」

彼は何かを思いついた様子でカレンの手を引く。

みきお「あの人に聞けば分かるかもしれない!行こう。」

カレンは急に手を掴まれてびっくりしたのと照れくさいので混乱している。「ちょっと、どうしたのよ?」

目を見開いてみきおの背中を見つめるカレン。

みきお「この紅華町で一番の情報通のところさ!」そう言ってみきおは先を急いだ。


彼等がやって来たのは紅華町の外れ、大きな通りに面した広い歩道がある通りだった。

立体駐車場の手前の歩道の上にラーメン屋の屋台があった。

みきお「おばあちゃん、ラーメン二つね!」

ラーメン屋の屋台は、おばあちゃんが一人でやってる様子で、赤いのれんが少し排気ガスで黒ずんでいた。

カレン「なんだ?ラーメン食べたかったの?」

みきお「まあまあ…ここのラーメンは昔ながらの味で僕は好きなんだよ!」

おばあちゃん「最近はコッテリ味がウケるみたいだけどね…みきお君はウチのがイイって…常連さんなんだよ、ありがたいねえ…」

カレン「ふーん?(なんか…年上に好かれる体質なのね?)」

みきお「そうだ!おばあちゃん、紅華町でモグリでやってる占い師って知ってる?」

おばあちゃん「聞いた事があるねえ…でもヤクザ連中が来る前にいつも居なくなってしまうらしいよ!」

みきお「そうなんだ?」

カレン(コイツ…やるわね?このおばあちゃんが紅華町で一番の情報通なんだ?知らなかったわ…)

慣れた手つきで二人前のラーメンを作って、二人の前に置くおばあちゃん。

おばあちゃん「はーいお待ち!」

みきお、カレン「いただきます!」

おばあちゃんは二人を見てニヤニヤしながら…「みきお君の彼女かい?なかなか美人じゃないかい?」

カレン「か、かの…」

みきお「ヤダな、彼女じゃないですよ!同じ大学の…先輩ですよ。」

おばあちゃん「なんだ?みきお君はモテるはずなのにねぇ…」

みきお「モテるはずないですよ…僕なんか…」

おばあちゃん、カレン「そんな事ないよ!」

みきお「えっ?」

おばあちゃん「あたしがもっと若かったらねぇ…ほっとかないのに〜!」

みきお「ハハ…どうも…アレ?なんで赤くなってるの?」

カレン「…な、なんでも無いわよ!」


夜になって、紅華町は本格的に歓楽街の表情に変わった。

様々な店のネオンが輝き、酔ってフラフラと歩く者…楽しそうに腕を組んで歩くカップル。

中には親子ほどに歳の離れた組み合わせも存在している…見た感じ、女性は外国人らしき人物などで本当に様々な人間模様が見受けられる。

そんな中、みきおとカレンはモグリの占い師を探して街を歩いていた。

カレン「この辺りにはそれらしい人は見当たらないわね?」

みきお「そうだね?…占い師なんかはこんな中心地には居ないと思うよ…」

カレン「なんでそう思うのよ?」

みきお「多かれ少なかれ、占いなんかにすがる人は悩みがあるはずさ!…そんな人々はこんな賑やかな所で占い師に相談なんて出来ないと思うよ…!」

カレン「確かにそうね?」彼女は内心、感心していた。(コイツ…こういう分析は本当に的を射てるわね?)

みきお「だから…探すならもう少し外れの方だよ。」

そう言って、賑やかなエリアから静かでホテルなどが多く存在するエリアに入ってきた…

カレン(あれ?これじゃまるでホテルに向かってるカップルみたいじゃない?…こんな所で知り合いに会ったら…マズくない?)

彼女がそんな事を考えているその時に、声をかけてくる人物がいた。

真希奈「アレ?みきお君?」

声の主は真希奈だった。

みきお「真希奈さん、今夜も調査ですか?」

真希奈「そうなんだけど…と、アンタらはデートかな?」

カレン「ち、違います!アタシ達も占い師を探して…」

その言葉を聞いた真希奈の表情が一瞬強ばったが、すぐに落ち着いた表情に戻ると…

真希奈「占い師…なかなか良い所に目を付けたね?」

みきお「僕は朝から付き合わされて…ゲームセンターに行ったりハンバーガー食べたり…」

真希奈「…それって…普通にデートしてるみたいだけど?」

みきお「違いますよ!それで…モグリの占い師が居るらしいって情報を掴んだので…」

真希奈「ふーん?(素人のクセになかなかやるわね?)」

カレン「モグリとはいえ…ヤクザ連中にもシッポを掴ませないらしくて…」

真希奈「ますます怪しいね?」

みきお「あのカードについては何かわかったんですか?」

真希奈「さあね…警察も調べたはずだけど…今のところは何も…」真希奈はすでにあのカードについては知ってるのだが、それは秘密にしている。

真希奈「ところでお二人さん、このまま行くとホテルだけど?」

カレン「えぇっ?占い師探しに集中していて気がつかなかった…」

みきお「ホテルなんか行く訳ないじゃないですか、いくらなんでも断りますよ!」

カレン「ど、どういう意味よ?」

真希奈「アッハッハ!マジでアンタら面白いね?こういうのは夫婦漫才って言うんだろ?」

カレン、みきお「違います!」二人揃って、かなり強く否定するのだった…!


真希奈は去って行ったが…カレンは何故かみきおの事を意識し始めていた。

カレン(あぁ…真希奈さんにからかわれるし、こんなの最悪な展開じゃない?)

しかし、みきおはそんな彼女には無頓着で相変わらずマイペースで占い師を探していた。

…すると、暗がりの中…スポットライトのように街灯に照らされる占い師が見えた。

みきお「あれ?占い師が…さっき通った時にはいなかったような…?」

カレン「本当、もしかしてあれが例の占い師かも?」

そう言って占い師に近づいて行くカレンとみきお。

近くで見ると占い師はフードを深々と被っているが、身体のラインから女性だという事が伺える。

みきお「すみません…占いじゃないんですけど、このカードって知っていますか?」そう言って、スマホで撮影した画像を見せる。

女占い師「…」占い師は黙って首を横に振る…

カレン「それでは、こんなカードを配っている占い師を知りませんか?」

女占い師「知らないわ…アナタ達、占わないなら帰って!商売の邪魔だから…」そう、まるで機械のように冷たく答える。

カレン「…じゃあ占ってください!アタシの…恋愛運を!」

女占い師「…わかりました…それではアナタの名前をココに書いて…生年月日も、西暦で…」

占い師はタロットカードを取り出し、シャッフルすると台の上に置いて一枚引かせた。

女占い師「うーん…アナタの恋愛運は…ライバル多く、道のりは困難!でも運命の人は意外と近くに居る!そう出ていますね。」

カレン「ライバル…でも近くに…?」そう呟くとどんどん顔が紅くなってきた。

女占い師「…心当たりがありそうですね?それではもう一度引いてください。」

カレンは言われるままにカードを引いた。

女占い師「隠者のカードですね?そのカードがアナタの運命の人を表しています、そのカードの意味は秘められた知恵。哲学。研究者。思慮。自制。そういう人がアナタの前に現れます…いえ…すでに近くに居るかもしれませんね?」

そこまで聞いたカレンは顔を真っ赤にし、耳まで赤くなってしまった。

みきお「カレン?どうしたんだよ?」

カレン「な、なんでもないわよ!…あ、ありがとうございました…お代はいくらですか?」

女占い師「初めてなので、サービスで2000円です。」

カレン「は、はいコレ!ど、どうも…」そう言ってそそくさとその場を離れるカレン。

みきお「なんだ?帰るのかい?…おーい!」みきおも慌てて後を追いかける。

女占い師「…フフ…占わなくても分かるわよ!…でもあの二人、要注意ね?」

そう呟くと次の瞬間、女占い師は青白い光に包まれ……街灯に吸い込まれるように消えてしまいました。


つづく


御堂カレンはみきお君の事を友達だって言ってましたが…一緒に調査しているうちに段々と男として意識し始めたようですね?

しかし占いの「ライバル多し」とはいったい誰の事なのでしょうか?

そして突然消える女占い師の正体は?

次回に期待です!

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