人間蒸発事件の謎
アパートが全焼して、仕方なく義理の叔母「諸星エマ」の屋敷に住む事になってしまった望月みきお君。
大学1年生の彼を待ち受けていたのは、若くて美し過ぎる叔母と金髪メガネ美人の「金月ルナ」というメイドさんの二人だった!
ドキドキの同居生活が始まる一方で、彼の知らないところで街には不穏な影が忍び寄っていた……。
望月みきおがエマの屋敷に住むようになった数日後…
朝晩の入浴後にバスローブ姿で歩いてるエマの誘惑にも動じなくなってきたが、それでも若くて美し過ぎる叔母と美人のメイドに囲まれたこの生活は彼にとっては刺激的過ぎるものだった…!
この日は大学の講義があるので支度を済ませて、みきおは朝食を食べていた。
屋敷の広い食堂でエマと向かい合って座るみきおにエマが聞いてきた…
エマ「みきお君、もうこの屋敷には慣れたかしら?」
みきお「はい!ありがとうございます、だいぶ慣れました!」
エマ「そう?良かったわ…眠れないとかは無い?」
みきお「はい、大丈夫です!…僕ってどこでも寝れる体質なんですよ!」
エマ「まぁ!フフ…」
ルナ「みきお様は大物になる素質がおありですね!」
メガネ美人のメイドさんであるルナがコーヒーを注ぎながら彼を褒める。
みきお「退屈な授業だとやっぱり眠くなって…授業が終わるまで寝てた事もあるくらいで…ハハ…」
エマ「まぁそうなの?フフ…面白いわね?」
みきお「そういやスマホまで買ってもらってしまって…すみません!」
エマ「いいのよ!私はスマホって苦手だけど…皆さんスマホが無いと困るのでしょう?」
みきお「火事でスマホまで焼けちゃって…どうしようかと思ってましたから…ありがとうございます!」
みきおはもらったスマホを取り出して眺めた、見たところ普通のスマホだが、画面の端に見慣れないアプリが存在している。
みきお「あの…このalfredってアプリは何ですか?」
ルナ「それはこの屋敷の管理AIのアプリです!」
みきお「屋敷の?つまりAlexaみたいなもんですか?」
エマ「そうね…空調の調整や照明の調整、お風呂の温度管理などもアルフレッドがやってくれるのよ!」
みきお「凄い…豪華なだけでなく、ハイテクなんですね?」
ルナ「エマ様は機械の操作が苦手ですので…」
エマ「声だけで操作出来るから助かるのよ〜!」
みきお「僕でも出来るんですか?」
ルナ「この屋敷の中ならスマホを使わなくても音声だけで操作出来ますよ!」
エマ「そうね…丁度良いからみきお君、アルフレッドに音楽をかけてもらって。」
みきお「は、はい!アルフレッド、モーツァルトの曲をかけて!」
アルフレッド「かしこまりました!」
何処からか年配の落ち着いた男性の声がして、返事の後に音楽が鳴り出した。
みきお「凄い!本当にスマートスピーカーみたいだ…」
エマ「ね!これなら車の操縦が出来ない私でも…」
みきお(操縦?…エマさんは外国暮らしが長いから日本語がちょっとだけ変な時があるよな?)
ルナ「ゴホン!運転は私がいたしますのでご安心を!」
エマ「…そ、そうね…運転よね!」
間違いに気がついたエマが訂正すると、みきおはなんだかほっこりするのだった…!
若くて美人で、上品なお金持ちの…一見すると完璧な女性のエマが、機械が苦手だったり言葉を間違えたりする…そんな一面がある事に親しみを感じるのだ。
みきお(最初は僕をからかったりして…意地悪なのかとも思ったけど…エマさんってなんか可愛いな?)
そんな事を思いながら朝食を済ませて、隣街にある独創大学に向かうのだった…!
隣街にある独創大学は、独創性を重んじる教育方針でサークルなどもユニークな活動のものが多い。
みきおは講義の後に彼の所属している天文研究会の部室の前にやってきた。
すると後ろから女性の声が…「アパートが火事になったって聞いたけど…大丈夫なの?」
振り向くとショートボブで茶髪の、メガネをかけた白いノースリーブ姿の女性が立っていた。
みきお「御堂さん、心配してくれてありがとう、スマホから何からほとんどが燃えちゃったけど…僕は無事だよ、この通り!」
そう彼が言うと…少しムッとした表情で。
カレン「カレンで良いってば!」
みきお「えぇ?…だって同じ歳だけど先輩だし…」
彼は一浪で入ったので、御堂カレンは同じ歳でも二年生なのだ。
カレン「先輩って言っても、専攻だって違うから…」
そう言って不満そうな目を向けるカレン…みきおはいつも彼女には逆らえないのだが…度々意見が対立して言い合いになる。
周りの学生はそんな二人を見て「痴話喧嘩」などと呼んでいるのだった。
カレン「それよりもさ!ネット上の噂では人間蒸発事件が起きてるらしいのよ!」
みきお「またネットの噂ですか?そんなのは金とか承認欲求を満たしたいだけの連中が面白おかしく書いてるだけですよ!」
カレン「何言ってんのよ!新聞やテレビはあえて規制をかけて情報を隠してるのよ!知らないの?」
みきお「…すみません、新聞も取って無いし…テレビは燃えちゃったんで…」
カレン「う…ごめんなさい…嫌な事思い出しちゃった?」
みきお「テレビだって元々そんなに見てなかったし…気にしないでください。」
カレン「そう?ならちょっと来なさい!」
そう言って強引にみきおの腕を引っ張って隣の部室、ミステリー研究会の部室に連れ込むのだった。
みきお「イテテ…そんな強引な…」
ミステリー研究会の部室に入ると、カレンは机に置いてある独自の調査資料をみきおに見せた。
カレン「見なさい!この春からもう12件も起きてるのよ!」
みきお「でも目撃者は酔っ払いのおじさんとか…それに単なる失踪事件なんじゃ?」
カレン「確かに失踪事件の可能性もあるけど…このカレンダーを見てよ!」
彼女が指し示したカレンダーには毎週の金曜日に印がつけらていた。
みきお「週末になんか予定があるんですか?」
カレン「な、違うわよ!居なくなった人の足取りが、みんな金曜日までなのよ!」
みきお「ふーん?凄い偶然ですね?」
カレン「アンタ…ケンカ売ってんの?」
彼女はちょっとイライラし始めてるようだ。
みきお「だって、普通の人なら土日は休みですよ!金曜日の夜から旅行に行ったりしても不思議じゃありませんよ!」
カレン「普通の旅行ならね!でも月曜日になっても会社にも来ないから失踪したって言われるのよ。」
みきお「となると…もしも誘拐なら計画的だと思いますね!」
カレン「おっ?誘拐ときたわね?」
みきお「土日は休みだから誘拐されたとしても…会社の人が気がつくのは月曜日になってしまう、もっとも…家族が居るならばその前に気がつくはずですが…?」
カレン「良いところに気がついたわね?行方不明者は全員一人暮らしの人なのよ!」
みきお「うーん…これは犯罪の匂いがしますね…警察の仕事ですよ!アニキにも言っておきます。」
カレン「アンタのお兄さん…そういえば刑事さんだったわね?」
みきお「人間蒸発事件なんて言うから…もしかして宇宙人の仕業…エイリアンアブダクションかとも思いましたが…つまらないなぁ…」
カレン「また宇宙人?相変わらずねぇ…?」
みきお「でもまた事件が起きるなら…金曜日の夜が有力ですよ!」
カレン「だったら…金曜日の夜はアタシに付き合ってね!」
みきお「えぇっ?なんでそういう事に?」
カレン「女の子が1人で夜の街を歩いたら危ないでしょ?」
みきお「…参ったなぁ…」
頭をかきながら窓の外を見ると、夕日がビルの向こうに沈もうとしていた。
みきお「あっ!」
カレン「どうしたの?」
みきお「今…夕日の上に光る飛行物体が…UFOですよ!」
カレン「えぇっ?…って何も無いじゃない!」
みきお「…アレ?消えちゃった…」
カレン「アンタって、宇宙人に会いたいなんていつも言ってるから…何でもUFOに見えちゃうのよ!」
みきお「えへへ…すみません…」
カレン「とにかく!金曜日の夜は忘れずに来なさいよ!」
みきお「…はい…」
なし崩し的にミステリー研究会の調査に付き合わされる事になったみきお…果たして金曜日の夜に何が起こるのだろうか?
屋敷に帰って、金曜日の夜は遅くなる事をエマに告げると…
エマ「まぁ?人間蒸発事件?怖いわぁ…」
ルナ「マスコミは全く報道してませんね?」
みきお「多分だけど…パニックを恐れてるのか、被害者の安全の為に情報を隠してるんですよ!でも…」
エマ「でも?…何か気になる事でもあるのかしら?」
みきお「本当はエイリアンアブダクションだったら面白いなぁ…なんて考えてたんで…」
エマ「エイリアン…何?」
ルナ「エイリアンアブダクションとは、宇宙人が地球人を攫って記憶を消したり、身体に何かを埋め込んだりする事ですよ!」
みきお「そうそう!ルナさんはよく知ってるね!」
彼がルナを褒めると…エマは少し不機嫌そうになってしまった…!
エマ「……」
みきお「アレ?エマさん…どうしたの?」
エマ「なんでもありません!」
ルナ「ちょっと話についていけないからですね?」
エマ「ルナ!」
ルナ「失礼いたしました…お茶を入れて参ります!」
エマ「…もう…!」
平然としたまま居間を出て行くルナ、みきおはちょっと居ずらくなってしまったが…
みきお「エマさん…僕は…」
エマ「…えぇ?」
みきおは勇気を出して…話をつづけた…「僕は宇宙人に会いたいんです!」
エマ「あら?そうだったの?でも怖くないの?」
みきお「ちょっと怖いところもありますが…基本的に地球まで来れる文明を持ってるなら…きっと話の通じる相手だと思うんですよ!」
エマ「…ふーん?…でも何故そう思うの?」
みきお「だって…地球人みたいに争ってたら…きっと自分達の星を滅ぼして、絶滅していると思いますよ!」
エマ「なるほどね?」
みきお「だから…地球に来てる宇宙人は皆さん良い人ばかりだと思うんです!」
エマはしばらく黙ってみきおの目を見つめていた、それはとても優しく…そして嬉しそうでもあった。
エマ「素晴らしい考えね?…私、感動したわ!」
みきお「え?本当に?」
エマ「本当よ!みきお君なら…きっと良い宇宙人に会えるわよ!」
みきおは自分の考えをバカにする事なく、認めてくれた彼女に感激した…宇宙人の事を話す彼をクラスメイト達はみんな馬鹿にしていたのだ。
みきお「あ、ありがとうございます!」
そう言って、思わずエマの手を握ってしまう。
エマ「フフ…いいのよ!本当にそう感じたんだもの…」
興奮してエマの手を握ってしまっている事に気がついたみきおは、赤くなって彼女の手を慌てて離した。
みきお「…す、すみません…つい…嬉しくて!」
エマ「フフ…気にしないで、私…みきお君の考え大好きよ!」
みきお「そ、そう…ですか…?」
真っ赤になって照れる彼を、エマは優しい目で見つめるのだった。
そして、金曜日の夜…みきおとカレンは合流して夜の繁華街に向かうのだった…いったい彼らを待ち受けてるものは何か?
つづく
みきお君は「宇宙人に会いたい!」なんて考えていますが、彼の頭の中にいる宇宙人は、グレイやトカゲ型のレプティリアン、昆虫みたいな宇宙人ばかりです。
……ちょっと偏っていますね?




