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的外れな催眠チート ~面倒臭がりが召喚されました~  作者: 山田 武
大きな戦いに挑もう

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スタート地点に戻ろう

皆さん、お待たせしました!



 竜は数十分もしない内に、俺たちを王城まで送り届けた。

 アシよりは遅いが、飛行機よりも速い速度で移動できていたのだろう。


 発着場に降り立つと、竜は屈み俺たちが居りやすように体勢を整える。

 しっかりと調教されているんだな……便利で何より。


「到着です!」


「ありがとうございます。お蔭で長くなりそうだった旅路も、一気に短縮できました。ようやく、学友たちに再会できますよ」


「そ、そんな! 私はただ、任務を全うしただけのこと! イム様にお礼を言われるような事では……」


「気にしないでください。私が勝手に、いいたいことを言っただけのことですから」


 竜騎兵君にお礼を伝える。

 実際、楽だったことはたしかだし、ほんの僅かではあるが情報も手に入った。


 何を企んでいるか、さすがにそういった情報は末端まで伝えられていなかったようだ。

 それでも時間を稼ぐ意味、それぐらいは聞かされていたらしい。


「──お迎えに上がりました、イム様」


「感謝します」


「では、こちらに」


 竜騎兵君の代わりに、今度は騎士様によって俺は王城の中を歩かされる。

 行き先はどうやらいきなり玉座の間、そこにはクラスメイトの反応もあった。


 そんな部屋の中に入ると、クラスメイト全員(ヒ……ヒデト君を除く)が集まり、真剣な眼でこちらを見ている。


 その理由はなんとなく分かるが、どうでもいいので無視しておく。

 今気にしなければならないのは、こちらへ近づいてくる一人の男への対応だ。


「──イム、久しぶりだね」


「……誰だっけ?」


「ははっ、君はいつも変わらないね。僕だ、ユウキだよ」


「ユウキ……ユウキ……ああ、ユウキね。覚えてる覚えてる」


 適当な受け答えをしながら、クラスメイト全員を視ておく。

 うんうん、スキルもちゃんと成長しているようで……おっ、便利そうなスキル発見!


「──って、聞いているのかな?」


「いや、さっぱり」


「! ……いや、本当に変わらないね」


「そりゃあそうだ。俺は俺で、それ以外の何物でもない。俺が変わるのは、俺がそうあることが必要だと感じたときだけだろうよ」


 ユウキはその言葉に、何か思うところがあるのか顔を俯かせる。

 まあ、これから断罪イベントをする予定らしいので、当然と言えば当然なんだが。


 あと、なぜか弓のチート能力持ちである、えーと……ツルネ? がこちらを見ている。

 なぜか自慢げな表情なんだが、其方に関しては本当にさっぱり分からん。


「うむ、どうやら全員集まったようじゃな」


 ユウキとの会話を断ち切るように、王様が声を出すと全員がそちらを向く。

 ほぼ全員が精神誘導を受けているのだ、こちらも当たり前である。


「イムよ、よくぞ帰ってきた」


「はっ、お褒めに与り光栄でございます!」


「うむ、これからもこの国のために励んでもらいたい」


 心にもないことを告げる王様。

 まあ、わざわざこんな機会を用意してくれたのだ、感謝してもしきれない。


 一日ぐらいは演技に付きあってやろう。

 俺にだってそれぐらいの優しさはある……妹だったら容赦なくぶっ潰すだろうし。


  ◆   □   ◆   □   ◆


 さて、主人格は再び歩いている俺へ。

 ラームとの旅もだいぶ進み、ようやく街へ辿り着いた。


「情報収集からだな。村とか町の規模だと、そもそも勇者召喚も隠してあったからあんまり情報が集まらなかったし」


「ぱむ、おなかへった」


「さっき食べたでしょう……って、なんだかオカンキャラみたいになっているな。まあいいや、少しだけだからな」


「おやつおやつ」


 溜め息を吐いてから、『透明の矢』を取りだしてラームに渡していく。

 俺の魔力百パーセントなので、このスライムもご満足なお味である。


 鏃の部分から吸い出すように咥え、内部に籠められた魔力を取り込んでいくラーム。

 傍から見ると猟奇的な光景なので、二本目以降は加工してポーション風に変えておく。


 まあ、最後にはビンっぽく見せた部分まで呑み込むので、あんまり関係ないけど。


「そして何より、情報収集は俺の仕事じゃないし……ラーム、どうだ?」


「がいとうじこう──うらぎり、まおう、つみ、しょけい。ぱむ、けっこうある」


「当たりか……処刑か。俺、大衆の面前で殺されることになるみたいだな」


「させない。ぱむ、ごはんおいしい」


 俺はご飯係ではないが、そういう風にしたのは俺なので気にしない。

 とりあえず守ろうという意志さえ持ってくれているのであれば、それで充分だ。


「ラーム、王城の方の俺はどうなってる?」


「ぱむ、めんどうっていってる」


「行ったのはそっちなんだから、自業自得だろうに。まあ、こっちもこっちで面倒なんからいずれにせよ変わらなかったか」


 あちらはあちらで重度の精神汚染を仕掛けられているようなので、その対処で面倒事が増えているのだろう。


 導いたり細工をしてあるヤツがいるので、それを使って上手く凌いでいるはずだが。

 遠隔操作は隔離された思考で行っており、汚染の影響を受けないようにしている。


 その気になれば、情報を共有は可能だ。

 念のためラームに確認したが、今のところ俺に影響を及ぼせる魔法は無いらしい。


 ──じゃあ、そっちの情報を重ねるか。



それでは、また一月後に!

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