表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
的外れな催眠チート ~面倒臭がりが召喚されました~  作者: 山田 武
大きな戦いに挑もう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

134/138

お迎えを歓迎しよう

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます



 翌日、俺たちは再び移動を開始する。

 どうせ遅く着くことは決まっているので、ゆっくりのんびりと進むだけ。


 やがて例の国……思いだせない。

 まあ、そこに辿り着くと、すぐに魔道具が作動したことを察知する。


 特定の魔力を持つ者が通ると、対となる魔道具に反応するタイプだ。

 俺もよく使っているからこそ、その反応に気づけた。


「……ラーム、しばらく隠れていてくれ」


「ぱむ、りょうかい」


 ラームは人型からスライムの姿に戻ると、今度はまた別の姿になる。

 自身を極限まで凝縮し、核とそれを薄皮一枚で包む膜でできた球体。


 圧縮されているのでカチコチとなったラームを、俺はポケットに入れておく。

 会話はできなくなるが、脳内で会話できるスキルや魔法は無数にあるので問題ない。


「もう少しかかるか? ……あっ、来た」


 王城が在る方から、一体の竜が高速で近づいてくる。

 暗示ワードの一つ『検索』で探ると、到着時刻まで分かるようになる──あと十秒だ。


「イム殿、お迎えに参りました!」


「おおっ! これは……ドラゴンですね」


「皆さま、よくそう言って喜んでくださりますね。はい、ヴァ―プル王国竜騎兵『──』が、イム様を王城まで送迎させていただく栄誉を受け賜わりました!」


「そんなに堅苦しくなさらなくとも……ですが、助かります。これからどれだけ時間が掛かるのか、分かったものじゃありませんでしたので」


 最初から馬車を使えとか言われるような気もするけど、期待していないヤツにそんな待遇はしてくれない。


 今回それをやるのは……俺がこれ以上余計な横道をしないようにするのを阻み、そのまま連行するためだろう。


 この……名前はともかく竜騎兵君は、おそらくそういう裏事情を知らない。

 あくまで勇者の学友を輸送する、大変名誉あることとでも聞かされているのだろう。


 今、そう言っていたのだから間違いない。

 そして、何かあったときは……俺を犯人役として真っ先に殺される気がする。


「『洗脳』──質問には嘘偽りなく答えてくれればいい。そして、これを聞いたことを忘却しておけ」


「……。どうかしましたか?」


「いえ、なんでもありません。搬送、よろしくお願いします」


「はい、お任せください!」


 竜の方にも念のため、服従の洗脳を施してから騎乗する。

 乗る系のスキルも持っているが、さすがに乗りこなすのはアレなのでOFFにした。


 竜はゆっくりと翼(と魔力)を使って飛翔し始め、高度を上げていく。

 一定の高さまで上がると、竜騎兵君が軽く頭を叩き──竜は王城へ移動を始めた。


  ◆   □   ◆   □   ◆


「──よいしょっと。さて、隠れるのはそろそろ止めますか」


 そして、俺は再び移動を始める。

 楽ができると嬉々として竜に乗っていった分身体には、それ以上に面倒臭い思いをしてもらうことにしよう……意味無いけど。


 まあ、ラームが付いているので情報を確保することはできる。

 分身体が死にそうになっても、ラームに捕食させれば成果を持って帰ってこれるし。


「わざわざ死地に突っ込むとか、俺ってどんだけバカ扱いされているんだか」


 今回の存在分身には意志を与えておらず、あくまで遠隔操作に近い。

 思考系のスキルが補助してくれるので、同時に物事へ対応することも簡単だ。


「暗黒魔法で俺が俺なのはバレないから、警戒しなくていいのは楽だな。今回は、顔と名前の認識を隠さなきゃいけないのがだいぶ面倒だけど」


 鑑定スキルは誤魔化せないが、そちらはそちらであのメイド対策に改良に改良を重ねているので問題ない。


 あと、たとえバレても催眠魔法で誤魔化せるし、空間魔法で移動することも可能だ。

 コピーしたスキルが多くて、逆にどれをすればいいか悩む場合もあるけど。


「ラーム、そっちはどうだ?」


「ぱむ、さっきのあれでみんなまってる」


「やっぱりそうか……俺って、どういう扱いなんだっけ? 魔王の手下? それとも洗脳された哀れな被害者?」


「ひがいしゃ、いせかいじんはそれ。ほかのひとはいけにえ」


 生贄、精神操作で歪んだストレスを解消するには、ちょうどいいのかもしれない。

 今は救う対象でも、俺の発言から上げ足を取らせて悪役にする作戦なのかもな。


「魔王に洗脳された愚か者、本当にそう考えてくれている人は何人いるんだろう?」


 かつて、俺たちの先輩が魔王呼ばわりされたりしたのもここの国の奴らのせいだ。

 あの花畑に眠る先輩の他にも、魔王を堕とした先輩なんかも居たみたいだし。


 どちらも人族の世界では魔王と恐れられ、後者は討伐されたという話を聞く。

 実際に最期なのかどうか、それは情報提供者にも分からないと言っていたが。


「魔王だから何でもあり、なんて考え方は異常だ。それを信じるバカなんて……本当は、誠実で愚直に前を向く奴だけなんだよな」


 そんな条件を満たしているからこそ、選ばれたであろう【勇者】ユウキ。

 城へ向かった分身体は、果たしてどんな面倒事に巻き込まれるのやら。


「クラスメイトの成長した姿を見届けておきたい……なんだか、親みたいな台詞(セリフ)だな」


 授業じゃないけど、参観日にしよう。

 だけどお父さん、少しだけ遅刻しそうだから……先に進めておいてくださいな。



今年もよろしくお願いします<○>


最後まで読んでいただきありがとうございます。


ブックマークや広告下の『☆☆☆☆☆』から評価で応援していただけますと幸いです。


誤字脱字報告、また質問疑問なども大歓迎です。

皆さんのご意見が、山田武作品をよりよくしていきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ