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success!  作者: kimberlite
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episode15・サムライ飯(1)

 西優学園との試合後、帰りのバスの中では、それぞれが思い思いに勝利の余韻に浸っていた。今井は無言だったが、握りこぶしを離さない。彼はそれだけ喜びを感じているようだった。


「あ、これで上がりです」

 阿藤がそういって、最後の1枚を出す。この試合でベンチ入りした1年生5人組は、ケンが持ってきたトランプで行き同様に大富豪を楽しんでいた。

「調子いいな、阿藤」

 ケンがそういって阿藤の好調を羨む。

「試合に出てなかった分、運が残ってるんだろうな」

 島岡が阿藤の好調の訳を分析している。その発言にケンがおどけたように言う。

「おお、じゃあ俺はヒット打ったから、今日はお前に勝てないのか」

「何だと、あんなのキャプテンのおかげだろうが」

 西優戦で無安打の島岡はケンの煽りに対して、ムキになって反論する。

「じゃあ、同じく無安打のうちが出し抜きますね」

 同じく無安打の真弓が、二人の対決ムードに割って入り、1年生たちの大富豪は盛り上がっていく。


「ありがとうございました」

 学校に到着したのち、バスの運転手に一礼、西優へと帰るバスを見送るラムタラ野球部一同。そのまま解散しようしている部員たちが帰り支度をしていると柏木が提案する。

「祝勝の打ち上げをしよう」

 その一言で部員たちが盛り上がるなか、柏木は若菜に対して小声で言う。

「大丈夫だ、親父さんからの許可は取った」

 柏木の一言で、歓喜のムードから一転、テンションの下がる若菜、しかしこのムードを壊すわけにもいかず、結局、若菜は自宅まで案内することになった。


「若菜、お帰リ」

 帰宅した若菜を待っていたのは父・達也。彼は部員たちを迎えると席へと案内する。席につく部員たちに対して、水を配る店員。

「氷室、この店の制服かわいいな」

「そうですね、奥居先輩」

 先輩部員の一人が若菜に声をかけてくる。しかし、若菜は軽くあしらうような返答をする。父親がデザインした制服を客として見るのは案外恥ずかしいものであり、その話題をなるべく避けようとしていた。しかし、奥居の一言が若菜を追い込む。

「もしかして家の手伝いで着たりするの?」

 この発言に対して部員が反応し、若菜に視線があつまる。もはや着なければいけないのか、そう思ったとき、達也が現れる。

 助け船と思って彼の方を見る若菜だったが、彼の手にはすでに若菜用の制服が握られている。状況を悟った若菜は、渋々スタッフルームへと向かった。

「(だから、ここで打ち上げするの嫌だったのに)」

 若菜はそういって毒づきながら着替えている頃、父は柏木に声をかけると、二人はそのまま離席する。そして、二人は店の外へ出た。


「センキュー、Mr.柏木」

 店を出た達也は柏木に礼を言っている。

「いいえ、私はただ彼女に道案内しただけですよ、道に迷っていた彼女をね」

 柏木はそう返答する。その後柏木が、財布から札を取り出して達也に渡す。達也がそれを受け取ると二人は店内へと戻っていったのだった。

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