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success!  作者: kimberlite
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episode12・強豪との練習試合(2)

 2回表の西優の攻撃、早瀬はこの回も3者凡退に抑え、試合は投手戦へと突入する様相を見せる。相手投手も好投を続ける。いい当たりこそ出るものの、好守にも助けられて4回を無失点に抑えた。

「お兄ちゃん、ナイスピッチング!」

 ベンチの舞が兄をねぎらう。まんざらでもない様子で早瀬は、妹からスポーツドリンクを受け取って、それを口にする。この回の先頭打者は前の試合の活躍が評価され、トップバッターとなったケン。

「ケン、頼むぞ」

「突破口を開いてくれ!!」

 1年生でありながらありながら、彼がこれほど信頼されているのは、彼の技術だけでなく人柄によるものなのだろう。


「ストライク!」

 ケンの初球、インコースの速球でストライクをとってくる。

「ケン!」

 ケンは3塁コーチの位置にいる今井を見て、サインを確認する。そして2球目、外角の速球をセーフティーバントで三塁線に転がす。3塁手のダッシュが鈍かったこともあり、ケンは1塁に出塁した。

「さすが、今井先輩ね、今日は集中力が違う。やっぱり相手が西優だからかな」

 初ランナーに沸くラムタラナインを見ながら、敬子が口にしながらスコアブックを記す。このまま勢いに乗りたいが2番打者は三振。3番打者はサードライナーで2アウト。バッターは4番の今井を迎える。

「(あれから2年半が過ぎたのか、確かにお前らほど実力は伸びていないかもしれない、でも今日は負けられないんだ!)」

 初球の真ん中に入った速球をとらえると、打球はレフトスタンドに吸い込まれていく。今井のツーランホームラン、2点を先制するラムタラ。


「早瀬、この回を抑えれば勝利投手の権利はお前のものだ」

 柏木はそういって、早瀬をマウンドに送り出す。西優のベンチもベンチ前で円陣を組んでいる。

「相手の投手は目一杯だ。そろそろ疲れ始める頃だろう。積極的にいけ」

 相手の監督はそういって選手たちの反撃を待つ。


 5回表、西優の攻撃は先頭打者が外角球をとらえ、三遊間を抜くシングルヒットで出塁。続く打者が送りバントで得点圏にチャンスを広げる。その様子を見た柏木は、若菜を呼ぶ。

「氷室、そろそろ肩を作っておけ、思ったよりも早くへばり始めてる」

 西優の強力打線相手に全力で飛ばしてきた早瀬、ここまでは好投してきたが、スタミナのピークは過ぎ去ろうとしていた。次の打者は打ち上げて内野フライとなり何とか2アウトまでこぎつけた。


「(この場面、絶対に打たせない!)」

 次の打者からは3巡目、球に目が慣れており、球威が落ち始めている早瀬の球は気合もむなしく完璧にとらえられた。打球は左中間、ケンが鋭いダッシュからボールに追いつきダイビングキャッチ。ファインプレーでこの回も無失点に抑えることができた。

 若菜も投球練習をしながらその光景を見ており、ケンのファインプレーと喜ぶとともに、早瀬の気迫を感じ取る。これがエースなのか、と。


「早瀬、よく頑張った。次の回からは氷室でいく」

 柏木に交代を告げられた早瀬は一瞬、悔しそうな顔を見せたが、すでに打たれ始めていると感じたこともあり納得する。この回は無得点、そのイニング、ついに若菜はマウンドへと上がった。

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