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War King(戦王)  作者: チャラン
第十四章 再会

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第六十三話 ファナからの求婚

「ホークは本が好きねえ。子供の頃と変わってないわね」


 ファナの部屋に戻るとホークは読書を始めた。女王アリサに頼んで、城の書庫から興味を持った本を借してもらったようだ。


「確かに本が好きなのは変わってないな。それに思った通り、ここの書庫には興味深い本があったしね」

「何を読んでるの?」


 ファナはホークが読んでいる本の表紙を見た。(エルフの生態)と書かれていた。


「人間とエルフの違いについて詳しく知りたくてね。魔力が強くて非力なのは分かっているけど、ここに来て腑に落ちない点があったからこの本で調べているんだ」

「どんな所が腑に落ちないの?」

「調べ終わったら答えるよ。まず調べてみる」


 それからホークは黙ってその本を読み進めた。


(何かつまんないな)


 ファナはそう思っていたが、中庭を見たりして暫く待っていた。


「なるほどな……。そういうことか」


 ホークは本を読み終わり、テーブルにそれを置く。


「調べ終わった? ホーク?」

「ああ。腑に落ちたよ」

「何が疑問だったの?」

「じゃあ言うよ。ここに来て思ったんだけど、エルフって女ばっかりだろ? レナールさんは珍しく男だけど、それがなんでなんだろうなと思って調べてたんだ」

「あっ! そっか。それが疑問だったのね」

「それでこの本を読んで解答を探していたんだ。どうも出産時に女が生まれる確率が異常に高いようだね。おおよそ九割はある」

「ええ。そうなのよ。それに、エルフって懐妊期間が長いの。三年くらいかな?男のエルフが少ないのもあって、エルフは中々増えないの」

「それで寿命が長いのにあまりいないんだな。エルフって」

「ドワーフさん達と仲がいいから一緒に生活しているけど、ドワーフはドワーフ同士で結婚して増えるからね」

「なるほどなあ。エルフはエルフでそういう問題があるんだな」


 ホークは関心を持ったようだ。


「でね、結婚っていう言葉が出てきたから言うんだけど……」

「なんだい?」


 ホークはファナが何を言いたいか分かっていたが、あえて訊いてみた。


「私をお嫁さんにして欲しいの」


 そうファナから告白されてホークは暫く黙っていた。その後、口を開いた。


「僕はもう結婚していて、息子もいるんだ」


 ホークがそう言ったのを聞いてファナは驚いた様子もなくこう返す。


「レンお姉ちゃん?」

「ああ、そうだよ。四年前に結婚した」

「そうだと思った」

「うん。だからファナと結婚するのは……」


 ファナはホークの言葉をさえぎってこう言った。


「レンお姉ちゃんが正室で、私が側室になればいいんじゃない?」


 ホークは困った顔になる。


「ファナ……僕を好いてくれているのは嬉しいけど、僕はそんな器用なことはできないよ。嫁さんを二人も持つなんて……」

「慣れればなんとかなるんじゃない?」

「……軽く言うなあ。それにファナと僕とは種族が違うだろ? ファナはエルフだから、長生きすれば千年くらい生きるんだろう? 年を取るのもゆっくりだし、僕は人間だから長生きしても精々百年だよ?」

「私がそうなったら介護してあげるわよ。この間みたいにね?」

「いや……。そういうことじゃなくて、僕がいなくなった後の九百年どうするんだよ? 忘れてくれるんならそれでいいけど」


 ホークがそう言ったのにファナは声を大きくして言った。少し怒っているようだ。


「忘れられるわけないじゃない! この十年間だって、ホークのことずっと考えてたんだから! そんなこと言わないでよ!」

「ごめん……。変なこといっちゃったね」


 ホークはそうあやまった。


「百年しか一緒にいられなくて、その後、私は九百年生きないといけないとしてもいいの。それでもホークがいいのよ」


 そう言うとファナはホークに近寄って、その手を両手で握る。


「十年間待ってたのよ。気持ち分かってくれる?」


 ホークは複雑な表情で黙っていた。


「レンお姉ちゃんや子供、メイシャおばさんやラークおじさんが気になるの?」

「それだけじゃないけど……。それが大きいな」

「だったら、エルフィンに皆、呼び寄せて一緒に暮らしましょう? 密使を送れば何とかなると思うわ」


 ファナがそう言ったのにホークは驚き、真剣な表情でこう言った。


「オストガルドを完全に捨てろと言うのか?」

「だって、あなたはその国に死にに行けって言われたのと一緒でしょう?」

「そうだけど……。それでも僕はオストガルドを完全には捨てられない」


 ファナはため息をついている。


「本当に真面目で律儀ね。ホークらしいわ。じゃあ、その話は置いておいて、ホークは私のこと嫌い?」

「話が飛ぶなあ。好きだけど……」

「ならいいじゃない。私もう待ちたくないの。ずっとあなたが好きだったんだから……」


 ファナはホークの肩をそっと抱いた。


「分かったよ……。ファナ……」


 ホークもファナを優しく包む。


「レンお姉ちゃんが正室で私が側室。いいんじゃない? それで……」

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